労働安全コンサルタント試験 2017年 産業安全関係法令 問01

事業場の安全衛生管理体制




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合格

 このページは、2017年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全関係法令」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2017年度(平成29年度) 問01 難易度 安全衛生管理体制は基本中の基本。本問は正答できる必要がある。
労働安全衛生管理体制

問1 安全管理体制に関する次の記述のうち、労働安全衛生法令上、正しいものはどれか。

(1)総括安全衛生管理者の選任は、総括安全衛生管理者を選任すべき事由が発生した日から30日以内に行わなければならない。

(2)都道府県労働局長は、必要であると認めるときは、安全管理者を選任することを要しない2以上の事業場で、同一の地域にあるものについて、共同して安全管理者を選任すべきことを勧告することができる。

(3)事業者は、選任している安全衛生推進者のうちから指名した者を安全委員会の委員としなければならない。

(4)事業者は、安全衛生推進者を選任したときは、遅滞なく、法令に定める様式による報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。

(5)安全委員会における調査審議事項には、産業安全専門官から文書により指導を受けた事項のうち、労働者の危険の防止に関することが含まれる。

正答(5)

【解説】

この問題は、それほど難しくはない。管理体制については毎年必ず出題されるので、確実に答えられるようにしておきたい。

(1)誤り。安衛則第2条は「総括安全衛生管理者の選任は、総括安全衛生管理者を選任すべき事由が発生した日から十四日以内に行なわなければならない」と規定する。30日以内としているところが誤りである。

安衛法の管理体制では、ほとんどの場合、選任すべき事由が発生した日から14日以内とされている。14日以外のケースを覚えておくようにすればよい。総括安全衛生管理者は、事業場のトップを選任することがほとんどであり、人選の必要もないから14日より伸ばさなければならない理由もないだろう。

【労働安全衛生規則】

(総括安全衛生管理者の選任)

第2条 法第十条第一項の規定による総括安全衛生管理者の選任は、総括安全衛生管理者を選任すべき事由が発生した日から十四日以内に行なわなければならない。

 (略)

(2)誤り。これは衛生管理者に関する規定(安衛則第9条)である。安全管理者についてこのような規定はない。従って誤りである。

なお、現実に安衛則第9条を根拠として共同して衛生管理者の選任を勧告されたというケースは聞いたことがない。基準となる通達等も示されておらず、実際には空文化しているものと思われる。

【労働安全衛生規則】

(共同の衛生管理者の選任)

第9条 都道府県労働局長は、必要であると認めるときは、地方労働審議会の議を経て、衛生管理者を選任することを要しない二以上の事業場で、同一の地域にあるものについて、共同して衛生管理者を選任すべきことを勧告することができる。

(3)誤り。「安全衛生推進者」ではなく、正しくは「安全管理者」である(安衛法第17条第2項第2号)。そもそも安全衛生推進者は50人未満の事業場で選任されるものであり、安全委員会を設置しなければならない事業場は少なくとも50人以上なので、このような規定が定められているはずがない。

【労働安全衛生法】

(安全委員会)

第17条 (略)

 安全委員会の委員は、次の者をもつて構成する。ただし、第一号の者である委員(以下「第一号の委員」という。)は、一人とする。

 総括安全衛生管理者又は総括安全衛生管理者以外の者で当該事業場においてその事業の実施を統括管理するもの若しくはこれに準ずる者のうちから事業者が指名した者

 安全管理者のうちから事業者が指名した者

 当該事業場の労働者で、安全に関し経験を有するもののうちから事業者が指名した者

 (以下略)

(4)誤り。安全衛生推進者について、選任報告の義務はない。これは覚えておく必要がある。

(5)正しい。安衛法第17条第1項は、「事業者は、政令で定める業種及び規模の事業場ごとに、次の事項を調査審議させ、事業者に対し意見を述べさせるため、安全委員会を設けなければならない」とし、その第3号に「前二号に掲げるもののほか、労働者の危険の防止に関する重要事項」と定める。

そして、安衛則第21条は「法第17条第1項第3号の労働者の危険の防止に関する重要事項には、次の事項が含まれるものとする」として、第5号に「厚生労働大臣、都道府県労働局長、労働基準監督署長、労働基準監督官又は産業安全専門官から文書により命令、指示、勧告又は指導を受けた事項のうち、労働者の危険の防止に関すること」を定める。

【労働安全衛生法】

(安全委員会)

第17条 事業者は、政令で定める業種及び規模の事業場ごとに、次の事項を調査審議させ、事業者に対し意見を述べさせるため、安全委員会を設けなければならない。

 労働者の危険を防止するための基本となるべき対策に関すること。

 労働災害の原因及び再発防止対策で、安全に係るものに関すること。

 前二号に掲げるもののほか、労働者の危険の防止に関する重要事項

 (以下略)

【労働安全衛生規則】

(安全委員会の付議事項)

第21条 法第十七条第一項第三号の労働者の危険の防止に関する重要事項には、次の事項が含まれるものとする。

 安全に関する規程の作成に関すること。

 法第二十八条の二第一項又は第五十七条の三第一項及び第二項の危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づき講ずる措置のうち、安全に係るものに関すること。

 安全衛生に関する計画(安全に係る部分に限る。)の作成、実施、評価及び改善に関すること。

 安全教育の実施計画の作成に関すること。

 厚生労働大臣、都道府県労働局長、労働基準監督署長、労働基準監督官又は産業安全専門官から文書により命令、指示、勧告又は指導を受けた事項のうち、労働者の危険の防止に関すること

2018年10月28日執筆 2020年03月22日修正