労働安全コンサルタント試験 2017年 産業安全一般 問20

危険物の爆発・発火のおそれ




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合格

 このページは、2017年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2017年度(平成29年度) 問20 難易度 爆発火災に関するやや高度な知識問題である。合否を分けるレベルである。確実に正答したい問題である。
危険物の爆発・発火

問20 危険物の爆発・発火のおそれに関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

(1)二硫化炭素は、水と混合すると爆発するおそれがある。

(2)ニトログリコールは、加熱すると爆発するおそれがある。

(3)ナトリウムは、水と接触すると発火するおそれがある。

(4)過酸化ベンゾイルは、点火源があると爆発するおそれがある。

(5)塩素酸ナトリウムは、可燃性物質と混合すると発火するおそれがある。

正答(1)

【解説】

(1)適切ではない。二硫化炭素は乙4類の危険物で、引火性があるが、水と混合して爆発するようなことはない。むしろ引火しにくくするために、水に溶けにくい性質を利用して、上部を水で覆って貯蔵したりする。なお、火災の際には大量の水をかけて消火する。

(2)適切である。ニトログリコールは、ダイナマイトやプラスチック爆弾に添付される爆発性の物質である。単体ではきわめて扱いにくく、加熱したり、衝撃や振動を加えたりすると燃焼・爆発することがある。

(3)適切である。ナトリウムは水と反応して激しく爆発するため、通常は石油に入れて保管する。

なお、安衛法第57条の表示義務は、原則として金属については除外されているが、ナトリウムなど爆発の恐れがある金属は除外されていないことも覚えておく必要がある。

(4)適切である。過酸化ベンゾイルは摩擦や衝撃で分解して爆発することがある。また、加熱すると発火する。1990年5月に東京都の化学工場で過酸化ベンゾイルが発火したことによる爆発事故があったが、着火源は静電気であるとみられている。

(5)適切である。塩素酸ナトリウムそのものは不燃性であるが、支燃性がある。

2018年10月27日執筆 2020年04月09日修正