労働安全コンサルタント試験 2017年 産業安全一般 問10

手動操作の制御機器としての押し釦




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合格

 このページは、2017年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2017年度(平成29年度) 問10 難易度 手動操作の押し釦の色に関する知識問題。知識がなければ正答できない。難問の部類だろう。
手動操作の押し釦

問10 機械の誤操作による危害を防止するため、手動操作の制御機器としての押し釦に関する次の文中の A  D に入る色として、適切なものの組合せは(1)~(5)のどれか。

「機械の起動(オン)ボタンの色は、 A が最も良く、 B を用いてはならない。また、停止(オフ)ボタンの色は、 C が最も良く、 D を用いてはならない。」

A  B  C  D

(1)黒  白  緑  赤

(2)白  赤  黒  緑

(3)赤  緑  白  黒

(4)白  赤  緑  黒

(5)赤  黒  白  緑

正答(2)

【解説】

これは、JIS B 9960-1:2008に関する問題である。押し釦の色について、次のように規定されている。従って正答は(2)となる。

  起動(オン)用アクチュエータの色は,白,灰,黒,又は緑が望ましく,白が一番よい。赤を起動に用いてはならない。

  非常停止及び非常スイッチングオフ用アクチュエータには,赤を用いなければならない。

  停止(オフ)用アクチュエータの色は,黒,灰,白が望ましく,黒が一番よい。緑を停止に用いてはならない。赤は停止に用いてもよいが,非常用操作機器の近くでは用いないことを推奨する。

ただ、現場では“起動”スイッチには黒、“停止”は非常であると通常の停止であるとを問わず赤、“戻し”には黄が使われていることが多く、機械の専門家以外には難しかったかもしれない。

なお、IEC60204-1にも同様な規定があり、日本機械工業連合会のサイトにある岡田氏のパワポ資料の34ページでも同様に解説されている。このパワポ資料は分かりやすく、安全コンサルタント試験の参考にもなると思う。受験の前に目を通しておかれるとよいと思う。

2018年10月27日執筆 2020年04月04日修正