労働安全コンサルタント試験 2017年 産業安全一般 問06

信頼性ブロック線図




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合格

 このページは、2017年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2017年度(平成29年度) 問06 難易度 信頼性ブロック線図に関する思考問題。毎年、出題されており、正答できなければならない。
信頼性ブロック線図

問6 システムが要素a、b及びcによって下図の信頼性ブロック線図に示すように直列系及び並列系として構成され、要素a、b及びcが等しい不信頼性F(1から信頼度を引いた確率値)をもつとき、システムの不信頼度Fsを示す等式について、適切なものは(1)~(5)のうちどれか。ただし、1>F>0、また要素の故障は独立に起こり、修理は行わないものとする。

直列系 並列系
直列系 並列系

(1)直列系では、Fs=1-3(1-F)+2(1-F)2

(2)直列系では、Fs=1-3(1-F)+3(1-F)2-(1-F)3

(3)並列系では、Fs=1-3(1-F)+2(1-F)2

(4)並列系では、Fs=1-3(1-F)+3(1-F)2-(1-F)3

(5)並列系では、Fs=1-(1-F)3

※ 画面の小さなデバイスでは選択肢が画面からはみ出します。スクロールして確認してください。

正答(4)

【解説】

不信頼度をF、信頼度をRとすると、本問の直列系では、

Rs=R3、Fs=1-(1-F)3

となり、並列系では

Rs=1-(1-R)3、Fs=F3

となる。すなわち、直列系と並列系では、FとRは対称になるのである。

ところが、選択肢の中にはFs=F3がない。しかし、計算してみると(4)の右辺がF3となるので、これが正解である。問題の(4)は不信頼度に関する公式を知らない受験生が、信頼度についての公式から容易に導き出せるようにとの配慮からこの形にしたのかもしれない。

信頼度に関する問題は毎年出題されているので、以上の公式は確実に記憶しておくとよい。なお、今年は、不信頼度を信頼度と思い込んで誤答したという受験生が多かったようである。問題文は確実に理解するようにしたい。

2018年10月27日執筆 2020年04月04日修正 2020年09月02日修正