問3 ヒヤリハット活動に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
(1)ヒヤリハット活動は、作業中にヒヤリとしたりハッとしたことなどを報告させ、それを危険有害情報として活用する取組である。
(2)ヒヤリハット活動をうまく機能させるためには、何を目指すのか、報告・提案をどういうルートで処理するかなどについて仕組みを明確にする必要がある。
(3)ヒヤリハット活動では、詳細かつ多数の報告件数を集めることを主眼とし、集められた報告については中長期的に対策を進めていく。
(4)ヒヤリハット報告があまり出ない場合は、「ひょっとしたらこんな事故が起こるかもしれない」という想定も報告の対象とする。
(5)ヒヤリハット報告で、設備、環境、手順などの管理に係る課題が発見された場合は、管理者レベルでの協同作業が必要となることが多い。
このページは、2017年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と解答例を示しています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。
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2017年度(平成29年度) | 問03 | 難易度 | ヒヤリハット活動に関する初歩的な知識問題である。確実に正答できなければならない。 |
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ヒヤリハット活動 | 2 |
問3 ヒヤリハット活動に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
(1)ヒヤリハット活動は、作業中にヒヤリとしたりハッとしたことなどを報告させ、それを危険有害情報として活用する取組である。
(2)ヒヤリハット活動をうまく機能させるためには、何を目指すのか、報告・提案をどういうルートで処理するかなどについて仕組みを明確にする必要がある。
(3)ヒヤリハット活動では、詳細かつ多数の報告件数を集めることを主眼とし、集められた報告については中長期的に対策を進めていく。
(4)ヒヤリハット報告があまり出ない場合は、「ひょっとしたらこんな事故が起こるかもしれない」という想定も報告の対象とする。
(5)ヒヤリハット報告で、設備、環境、手順などの管理に係る課題が発見された場合は、管理者レベルでの協同作業が必要となることが多い。
正答(3)
【解説】
(1)適切である。厚生労働省の職場のあんぜんサイトには「仕事をしていて、もう少しで怪我をするところだったということがあります。このヒヤっとした、あるいはハッとしたことを取り上げ、災害防止に結びつけることが目的で始まったのが、ヒヤリハット活動です。仕事にかかわる危険有害要因を把握する方法の1つとして、効果的です」とある。
(2)適切である。ヒヤリハット活動に限らず、どのような活動であっても、目標をどのように定めるのか、手続きをどうするのかを定めるべきことは当然のことであろう。
(3)適切ではない。これは、やや迷うかもしれない。しかし、ヒヤリハット報告は労働者から提出を受けるものであり、「詳細」な報告を求めることは現実的とはいえないだろう。また、提出の件数についても、あまりに少なければ問題だが、件数主義に走って数さえ出せばよいという風潮になると、かえって弊害が出るものである。また、緊急性のある報告については、中長期的ではなく短期に解決すべきものもあろう。
(4)適切である。最近では想定ヒヤリハットを対象にしている企業も多い。
(5)適切である。本問で、迷う可能性のある唯一の選択肢がこれであろう。しかし、管理面の課題があれば、管理職のレベルでの共同作業が必要になることは当然であろう。確かに、「多い」かどうかは主観の問題であって、やや曖昧な表現ではあるが、「適切でない」とまでは言えない。