問28 労働安全衛生マネジメントシステム(以下「OSHMS」という。)に関する次のイ~ニの記述について、正しいもののみの組合せは(1)~(5)のうちどれか。
イ OSHMS は、事業場における安全衛生管理に関する一連の自主的活動に関する仕組みであるので、生産管理活動などの事業実施に関する管理とは切り離して運用されるものである。
ロ OSHMS に従って行う措置は、事業場を一の単位として実施することを基本とするが、建設業にあっては店社及びその店社が締結した契約の仕事を行う事業場を併せて一の単位として実施することが基本である。
ハ 厚生労働省の「労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針」は、国際労働機関(ILO)の「労働安全衛生マネジメントシステムに関するガイドライン」に沿ったものである。
ニ OSHMS においては、労働災害、事故などが発生した場合に、その原因の調査及び問題点の把握を行う際には、背景要因ではなく直接の原因の解明を行うことが重要である。
(1)イ ロ
(2)イ ハ
(3)イ ニ
(4)ロ ハ
(5)ハ ニ
このページは、2016年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と解答例を示しています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。
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2016年度(平成28年度) | 問28 | 難易度 | OSHMSに関する基本的な知識問題である。確実に正答できなければならない問題である。 |
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OSHMS | 3 |
問28 労働安全衛生マネジメントシステム(以下「OSHMS」という。)に関する次のイ~ニの記述について、正しいもののみの組合せは(1)~(5)のうちどれか。
イ OSHMS は、事業場における安全衛生管理に関する一連の自主的活動に関する仕組みであるので、生産管理活動などの事業実施に関する管理とは切り離して運用されるものである。
ロ OSHMS に従って行う措置は、事業場を一の単位として実施することを基本とするが、建設業にあっては店社及びその店社が締結した契約の仕事を行う事業場を併せて一の単位として実施することが基本である。
ハ 厚生労働省の「労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針」は、国際労働機関(ILO)の「労働安全衛生マネジメントシステムに関するガイドライン」に沿ったものである。
ニ OSHMS においては、労働災害、事故などが発生した場合に、その原因の調査及び問題点の把握を行う際には、背景要因ではなく直接の原因の解明を行うことが重要である。
(1)イ ロ
(2)イ ハ
(3)イ ニ
(4)ロ ハ
(5)ハ ニ
正答(4)
【解説】
2018年3月12日のISO45001発行に伴い、JIS Q 45001、JIS Q 45100など4つのJIS規格が2018年9月に発行した。これに伴い、この問題の出題後に労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針」(平成11年4月30日労働省告示第53号(最終改正:令和元年7月1日厚生労働省告示第54号))(以下、本問の解説において「MS指針」という。)も改訂された。しかし、本問の結論に影響を与えるようなことはない。
以下により(4)が正答となる。
イ 誤り。MS指針第3条第1号には「労働安全衛生マネジメントシステム」の定義が書かれているが、ここに「生産管理等事業実施に係る管理と一体となって運用される」と明記されている。
ロ 正しい。MS指針第4条に、本肢と同趣旨のことが記されている。
ハ 正しい。平成13年7月3日付け厚生労働省労働基準局安全衛生部計画課国際室長名の事務連絡「ILOの労働安全衛生マネジメントシステムに係るガイドラインについて」には、別添2としてMS指針とILOのガイドラインの関係が記されている。
国の管轄する試験で、国際機関と我が国政府の指針に齟齬があるなどという問題が出るはずがないだろう。
ニ 誤り。平成18年3月17日基発第0317007号「労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針の改正について」の第2の「14 第16条(労働災害発生原因の調査等)関係」に、労働災害等の原因の調査並びに問題点の把握「を実施するに当たっては、当該労働災害、事故等の直接の原因の解明にとどまることなく、当該事象を引き起こすに至った背景要因を総合的に勘案する必要がある」とされている。