労働安全コンサルタント試験 2016年 産業安全一般 問19

燃焼と爆発による災害の防止




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 このページは、2016年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2016年度(平成28年度) 問19 難易度 燃焼及び爆発に関するごく初歩的な知識問題である。ケアレスミスを誘うだけの問題である。
燃焼及び爆発による災害

問19 燃焼や爆発に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)酸素ボンベに使用する圧力調整器は、酸素専用のものを使用する。

(2)可燃性ガスの爆発範囲は、可燃性ガスの希薄側を上限界、過剰側を下限界という。

(3)可燃性ガスの燃焼には、支燃性ガスと着火源が必要である。

(4)水蒸気爆発とは、溶融高熱物と水との接触に伴って発生する爆発現象をいう。

(5)分解爆発を引き起こすガスには、酸化エチレンがある。

正答(2)

【解説】

(1)正しい。純粋な酸素の配管や圧力調整期には、油を付着させてはならない。激しく燃焼して火災事故の原因となるおそれがあるからである。従って、他のガスの圧力調整器と兼用してはならない。

なお、原則として可燃性ガスは左ねじ、酸素などその他のガスは右ねじとなっている。また、アセチレンボンベの口金にはネジはなく、取付金具で押付けて固定するようになっている。

そのため、酸素ガスの圧力調整器を可燃性ガスボンベに取り付けることは物理的にできない。

(2)誤り。可燃性ガス及び引火性液体蒸気の爆発限界は、希薄側を下限、過剰側を上限という。逆になっているが、あまりにも当たり前のことなので、かえってミスを誘いやすい。十分に注意する必要がある肢である。

(3)正しい。燃焼とは燃料と酸素が結合することであるから、支燃性ガス(酸素を供給するガス)が必要であり、理論的には正しい。

しかし、アセチレン、酸化エチレン、ヒドラジンなどは酸素がなくても分解爆発するので注意が必要である(※)。本問は(2)が明らかに誤っているが、ケアレスミスをしないように注意する必要がある。

※ 現実には若干の酸素がないと分解爆発するようなことはないが、理論上は酸素がなくても爆発する。

また、水素やメタンなどは、最小着火エネルギーがきわめて小さいので、爆発限界になったら必ず爆発すると思った方がよい。着火源をなくす方法で爆発を止めることはできない。

(4)正しい。しかし、水蒸気爆発は「爆発」と呼ばれてはいるが、その実態は破裂というべきものである。本肢の「爆発現象」をどのように理解するかにもよろうが、やや迷った受験生もいたかもしれない。

(5)正しい。

2018年10月27日執筆 2024年06月22日一部追記