問8 コンベヤーに関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
(1)傾斜コンベヤーには、コンベヤーが停電時などに逆走しない機構を設けた。
(2)コンベヤーのベルト、プーリーなど労働者がはさまれ、又は巻き込まれるおそれのある部分には、覆い又は囲いを設けた。
(3)防護覆い、点検覆いなどは、やむを得ない場合を除き、コンベヤーの運転中は開放しないようにした。
(4)コンベヤーの起動のためのスイッチとして、容易に操作できる突頭型(きのこ型)の押しボタンを用いた。
(5)路の上方を通るコンベヤーには、荷の落下防止の措置をとった。
このページは、2016年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と解答例を示しています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。
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2016年度(平成28年度) | 問08 | 難易度 | コンベヤーによる労働災害防止措置に関する知識問題である。ほぼ常識で正答可能なレベルである。 |
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コンベヤー | 1 |
問8 コンベヤーに関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
(1)傾斜コンベヤーには、コンベヤーが停電時などに逆走しない機構を設けた。
(2)コンベヤーのベルト、プーリーなど労働者がはさまれ、又は巻き込まれるおそれのある部分には、覆い又は囲いを設けた。
(3)防護覆い、点検覆いなどは、やむを得ない場合を除き、コンベヤーの運転中は開放しないようにした。
(4)コンベヤーの起動のためのスイッチとして、容易に操作できる突頭型(きのこ型)の押しボタンを用いた。
(5)路の上方を通るコンベヤーには、荷の落下防止の措置をとった。
正答(4)
【解説】
本問は(4)を除けば当然のことが書かれている。すなわち、(4)以外はすべて安全のための措置であるが(4)だけは作業のしやすさのための措置なのである。ケアレスミス以外に誤答した受験者はいないのではなかろうか。このような問題でケアレスミスをしてはならない。
(1)適切である。昭和50年10月18日技術上の指針公示第5号「コンベヤの安全基準に関する技術上の指針」(以下本問で「技術指針」という。)1-2の(2)に「傾斜コンベヤ又は垂直コンベヤには、停電、電圧降下等による荷又は搬器の過走又は逆走を防止するための装置を設けること」とある。
(2)適切である。技術指針の1-2の(5)に「コンベヤのベルト、プーリー、ローラー、チェーン、チェーンレール、スクリュー等労働者がはさまれ、又は巻き込まれるおそれのある部分には、覆い又は囲いを設けること」とある。
(3)適切である。技術指針1-4の(10)に「防護覆い、点検覆い等は、やむを得ない場合を除きコンベヤの運転中は開放しないこと」とある。
(4)適切ではない。技術指針1-2の(6)には「コンベヤの起動又は停止のためのスイッチは、明確に表示され、容易に操作ができるものであり、かつ、接触、振動等により、不意に起動するおそれのないものとすること」とある。確かに、容易に操作ができるものとされてはいるが、同時に接触によって不意に起動するものであってはならないともされている。
昭和50年10月18日技術上の指針公示第4号(改正 平成13年9月18日技術上の指針公示第15号)「工作機械の構造の安全基準に関する技術上の指針」1-5の(3)には、「工作機械の回転部分等の止め金具等は、埋頭型のものとし、又は覆いを設けること」とある。コンベヤは工作機械ではないが、起動スイッチは埋頭型のものとするべきであろう。本肢は不適切である。
(5)適切である。技術指針1-3の(11)に「作業床又は通路の上方を通るコンベヤには、荷の落下を防止するための設備を設けること」とある。