労働安全コンサルタント試験 2016年 産業安全一般 問02

安全に関する規程




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合格

 このページは、2016年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2016年度(平成28年度) 問02 難易度 安全に関する規程についての初歩的な知識問題である。確実に正答できなければならない。
安全に関する規程

問2 事業場で自ら作成する安全に関する規程(以下「規程」という。)についての次の記述のうち、適切でないものはどれか。

(1)規程は、安全に関する責任の所在と権限を明確にし、それに基づいて対策を推進することが必要である。

(2)規程に基づいて全ての安全活動を実行することができるよう、規程の中に禁止事項をできるだけ多く盛り込む。

(3)消防法、毒物及び劇物取締法などで規定されている事項も併せて整理して作成することにより、安全管理の向上を目指す。

(4)規程の作成や内容については、安全委員会又は安全衛生委員会で審議する。

(5)規程については、保管場所を明確にするとともに、関係者がいつでも閲覧できるようにしておく。

正答(2)

【解説】

(1)適切である。安全衛生分野に限らず、責任の所在と権限が明確でなければ、企業運営は適切に進まないであろう。不適切なわけがない。我が国の企業では、しばしば責任の所在と権限が明確ではないまま、日常の業務が進んでゆくことがあるが、このような体制では緊急事態に対応することも困難になり、不祥事も防止できなくなる。厳に戒めるべきことであろう。

なお、労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針(平成11年4月30日労働省告示第五三号/最終改正:令和元年7月1日厚生労働省告示第54号)は「システム各級管理者の役割、責任及び権限」は文書によって定めるとされている(第8条第1項)。

(2)適切ではない。安全に関する規程は、それに従って安全活動を実施するものである。従って、いつどこで誰が何をどのように行うかが明確に分かるように書く。そして、そのように記述すれば、禁止事項を数多く書かなくても、安全活動を実施することは可能である。

禁止事項も重要なことは記すべきであるが、数多く入れる必要はない。従って本肢は誤っている。

(3)適切である。規定を用いて労働安全衛生管理を行う現場の側からみれば、例えば化学物質による危険性・有害性による災害を防止するための実施事項として、労働災害防止、環境影響(災害)の防止、消費者事故(災害)の防止が別な規程となっていたり、爆発・火災の防止が労働災害防止と消防の観点でそれぞれ別な規程が定められていたりすれば、不便なばかりか、するべきことが不明確になってしまう。このようなものは整理してまとめておくべきである。

(4)適切である。安衛則第21条は、安全委員会の付議事項として「安全に関する規程の作成に関すること」を掲げる。

【労働安全衛生法】

(安全委員会)

第17条 事業者は、政令で定める業種及び規模の事業場ごとに、次の事項を調査審議させ、事業者に対し意見を述べさせるため、安全委員会を設けなければならない。

 労働者の危険を防止するための基本となるべき対策に関すること。

 労働災害の原因及び再発防止対策で、安全に係るものに関すること。

 前二号に掲げるもののほか、労働者の危険の防止に関する重要事項

 (以下略)

【労働安全衛生規則】

(安全委員会の付議事項)

第21条 法第十七条第一項第三号の労働者の危険の防止に関する重要事項には、次の事項が含まれるものとする。

 安全に関する規程の作成に関すること。

二~五 (略)

(5)適切である。業務規程は、関係者がそれに従って業務を行おうとするものであるから、関係者が利用しやすい場所に備えるとともに、その場所等を関係者に明らかにしていつでも閲覧できるようにしなければ意味がない。本肢が適切でないわけがなかろう。

2018年10月27日執筆 2020年04月26日修正