問1 次の業種のうち、常時 10 人以上 50 人未満の労働者を使用する当該業種の事業場において、労働安全衛生法令上、事業者が安全衛生推進者を選任しなければならないものはどれか。
(1)農業
(2)通信業
(3)教育業
(4)医療業
(5)警備業

このページは、2015年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全関係法令」問題の解説と解答例を示しています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。
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2015年度(平成27年度) | 問01 | 難易度 | 安全衛生管理体制は基本中の基本。本問は正答できる必要がある。 |
---|---|---|---|
安全衛生推進者 | 2 |
問1 次の業種のうち、常時10人以上50人未満の労働者を使用する当該業種の事業場において、労働安全衛生法令上、事業者が安全衛生推進者を選任しなければならないものはどれか。
(1)農業
(2)通信業
(3)教育業
(4)医療業
(5)警備業
正答(2)
【解説】
常時 10 人以上 50 人未満の労働者を使用する事業場は、安衛令第2条第一号及び二号の業種では、安全衛生推進者を選任しなければならず、それ以外の業種では衛生推進者を選任しなければならない。
安衛令第2条第1号及び2号の業種 | それ以外の業種 | |
---|---|---|
常時 50 人以上の労働者を使用する事業場 | 安全管理者 衛生管理者 |
衛生管理者 |
常時 10 人以上 50 人未満の労働者を使用する事業場 | 安全衛生推進者 | 衛生推進者 |
そして、安衛令第2条第2号に、「通信業」が定められているので、(2)が正答となる。
【労働安全衛生法】
(安全管理者)
第11条 事業者は、政令で定める業種及び規模の事業場ごとに、厚生労働省令で定める資格を有する者のうちから、厚生労働省令で定めるところにより、安全管理者を選任し、その者に前条第1項各号の業務(第25条の2第2項の規定により技術的事項を管理する者を選任した場合においては、同条第1項各号の措置に該当するものを除く。)のうち安全に係る技術的事項を管理させなければならない。
2 (略)
(衛生管理者)
第12条 事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、都道府県労働局長の免許を受けた者その他厚生労働省令で定める資格を有する者のうちから、厚生労働省令で定めるところにより、当該事業場の業務の区分に応じて、衛生管理者を選任し、その者に第10条第1項各号の業務(第25条の2第2項の規定により技術的事項を管理する者を選任した場合においては、同条第1項各号の措置に該当するものを除く。)のうち衛生に係る技術的事項を管理させなければならない。
2 (略)
(安全衛生推進者等)
第12条の2 事業者は、第11条第1項の事業場及び前条第1項の事業場以外の事業場で、厚生労働省令で定める規模のものごとに、厚生労働省令で定めるところにより、安全衛生推進者(第11条第1項の政令で定める業種以外の業種の事業場にあつては、衛生推進者)を選任し、その者に第10条第1項各号の業務(第25条の2第2項の規定により技術的事項を管理する者を選任した場合においては、同条第1項各号の措置に該当するものを除くものとし、第11条第1項の政令で定める業種以外の業種の事業場にあつては、衛生に係る業務に限る。)を担当させなければならない。
【労働安全衛生法施行令】
(総括安全衛生管理者を選任すべき事業場)
第2条 (柱書 略)
一 林業、鉱業、建設業、運送業及び清掃業 100人
二 製造業(物の加工業を含む。)、電気業、ガス業、熱供給業、水道業、通信業、各種商品卸売業、家具・建具・じゆう器等卸売業、各種商品小売業、家具・建具・じゆう器小売業、燃料小売業、旅館業、ゴルフ場業、自動車整備業及び機械修理業 300人
三 その他の業種 1,000人
(安全管理者を選任すべき事業場)
第3条 法第11条第1項の政令で定める業種及び規模の事業場は、前条第一号又は第二号に掲げる業種の事業場で、常時50人以上の労働者を使用するものとする。
【労働安全衛生規則】
(安全衛生推進者等を選任すべき事業場)
第12条の2 法第12条の2の厚生労働省令で定める規模の事業場は、常時10人以上50人未満の労働者を使用する事業場とする。
判りやすく言えば、常時 50 人以上の労働者を使用する事業場が安全管理者を選任しなければならない業種では、常時 10 人以上 50 人未満の労働者を使用する事業場では、安全衛生推進者を選任しなければならず、それ以外の業種では衛生推進者を選任しなければならないのである。
安衛令第2条は覚えておくことが望ましいが、覚えていなくとも、危険な作業のある業種は安全衛生推進者を選任しなければならないと考え、工事作業のある通信業を選ぶという方法で正答に達することができたかもしれない。
管理体制については毎年必ず出題されるので、確実に答えられるようにしておきたい。