労働安全コンサルタント試験 2015年 産業安全一般 問28

リスクアセスメント指針




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合格

 このページは、2015年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2015年度(平成27年度) 問28 難易度 リスクアセスメント指針に関する基本的な知識問題である。確実に正答できなければならない。
リスクアセスメント指針

問28 厚生労働省の「危険性又は有害性等の調査等に関する指針」に示された次の記述のA ~ D に入る語句として、適切なものの組合せは(1)~(5)のうちどれか。

事業者は、調査等の実施に当たり、次に掲げる資料等を入手し、その情報を活用するものとする。入手に当たっては、現場の実態を踏まえ、定常的な作業に係る資料等のみならず、 A に係る資料等も含めるものとする。

ア 作業標準、 B 

イ 仕様書、 C 等、使用する機械設備、材料等に係る危険性又は有害性に関する情報

ウ 機械設備等のレイアウト等、 D 

エ 作業環境測定結果等

オ 混在作業による危険性等、複数の事業者が同一の場所で作業を実施する状況に関する情報

カ 災害事例、災害統計等

キ その他、調査等の実施に当たり参考となる資料等


         
(1) 非定常作業 作業手順書 MSDS(SDS) 作業の周辺の環境に関する情報
(2) 準備作業 作業手順書 GHS 機械設備等の仕様
(3) 非定常作業 機械の操作マニュアル MSDS(SDS) 作業の周辺の環境に関する情報
(4) 作業手順 機械の操作マニュアル 機械設備等の仕様 GHS
(5) 非定常作業 MSDS(SDS) 作業の周辺の環境に関する情報 機械設備等の仕様

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正答(1)

【解説】

本問は、問題文に記載されているように「危険性又は有害性等の調査等に関する指針通達)」に関する問題である。いわゆる知識問題ではあるが、知識がなくとも正答は可能である。問題文をよく読めば指針の記述を知らなくても正答することは可能である。

まず、Aは、その直前に「定常的な作業に係る資料等のみならず」とあることから、“定常作業には含まれない作業”が入るはずである。「準備作業」には定常作業も含まれるので、これが入ることはないと分かる。また、語感からも「非定常作業」が入ると分かるであろう。

次に、アとイを見ると、アは作業に関するもの、イは機械設備や材料など“モノ”に関するものになっている。そこでBは、「作業手順書」か「機械の操作マニュアル」のいずれかではないかと見当をつけることができる。しかし、「機械の操作マニュアル」だとすると、「作業手順書」がどこにも出てこなくなってしまう。これはおかしい。従ってBは「作業手順書」ではないかとアタリがつくのである。

Cについては、まず(2)のGHSは「情報」とは言い難い。こんなものが入るはずがなかろう。次に、(4)の「機械設備等の仕様」も、Cの直前に「仕様書」があることから、同じ意味の言葉を重ねるようでかなり違和感がある。しかも、直後に「使用する機械設備、材料等に係る」とあることから、Cは「材料」に関する「MSDS(SDS)」が入ると分かる。

最後のDは、直前に「機械設備等のレイアウト等」とあるので、ウは機械設備そのものではなく周辺の状況を指すのではないかと見当がつくだろう。

従って、本問の正答は(1)だと分かる。

2018年10月27日執筆 2020年05月13日修正