問24 ある労働災害に関してフォールトツリー解析(Fault Tree Analysis)を実施したところ、当該災害の原因(基本事象)A、B、C、D が得られた。また、基本事象の最小カット集合(当該災害を引き起こす必要最小限の基本事象の組合せ)が{A, B}、{B, C}、{C, D}として抽出できた。
基本事象A、B、C、D の発生確率が同じである場合、基本事象のうちのどれか一つを防止したとき、同じ低減効果を持つものの組合せとして正しいものは次のうちどれか。
ただし、基本事象はそれぞれ独立して発生し、発生確率は0 ではないものとする。
(1)A B
(2)B C
(3)C D
(4)A C
(5)B D
このページは、2015年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と解答例を示しています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。
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2015年度(平成27年度) | 問24 | 難易度 | reliabilityに関するやや高度な思考問題である。難問ではあるが正答しておきたい問題である。 |
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フォールトツリー解析 | 4 |
問24 ある労働災害に関してフォールトツリー解析(Fault Tree Analysis)を実施したところ、当該災害の原因(基本事象)A、B、C、D が得られた。また、基本事象の最小カット集合(当該災害を引き起こす必要最小限の基本事象の組合せ)が{A, B}、{B, C}、{C, D}として抽出できた。
基本事象A、B、C、D の発生確率が同じである場合、基本事象のうちのどれか一つを防止したとき、同じ低減効果を持つものの組合せとして正しいものは次のうちどれか。
ただし、基本事象はそれぞれ独立して発生し、発生確率は0 ではないものとする。
(1)A B
(2)B C
(3)C D
(4)A C
(5)B D
正答(2)
【解説】
本問は、それほど難しくはない。ただ、見慣れない形式の問題だったため、面食らった受験生もいたようだ。このような問題を落としてしまうのは、ややもったいないといえよう。
それぞれの基本事象を防止したときに、どの最小カット集合を防止できるかを考えてみる。
Aを防止したとき {A, B}
Bを防止したとき {A, B}、{B, C}
Cを防止したとき {B, C}、{C, D}
Dを防止したとき {C, D}
それぞれの基本事象は独立で発生確率は同じであるから、それぞれの最小カット集合による災害の発生確率も同じはずである。従って、それぞれの基本事象を防止したときに防止できるカット集合の数によって、災害低減効果が定まるのである。
同じ低減効果を持つものの組合せは、AとD、BとCであるが、AとDの選択肢はないので、BとCの組合せである(2)が正答となる。