労働安全コンサルタント試験 2015年 産業安全一般 問18

様々な安全装置




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合格

 このページは、2015年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2015年度(平成27年度) 問18 難易度 安全装置に関するやや詳細な知識問題である。難問の部類かもしれない。
各種の安全装置

問18 安全装置に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

(1)運転者が立って操作する蓄電池式フォークリフトのブレーキ装置は、ペダルを開放したときにブレーキを作動させるデッドマンペダルである。

(2)移動式クレーンのゲートロックレバー(乗降遮断装置)は、運転士が運転席を離れる際に、ドア部の乗降遮断レバーを起こすなどの操作を行うことにより、移動式クレーンの操作を停止するものである。

(3)移動式クレーンの巻過防止装置は、巻過ぎを防止するため、自動的に動力を遮断し、作動を制動する機能を持つ。

(4)木材加工用丸のこ盤の歯の接触予防装置である割刃には、懸垂式のものと鎌形式のものがある。

(5)両手操作式安全装置を具備したプレスは、一行程ごとに押しボタンなどから両手を離さなければスライドの再起動ができない構造となっている。

正答(4)

【解説】

(1)適切である。本肢の「運転者が立って操作する蓄電池式フォークリフト」は、「リーチフォークリフト」と呼ばれる。フォークを前後に異動させることが特徴である。最近では、技能講習の実技講習で、このタイプのフォークリフトの運転ができる教習機関も増えてきている。

このタイプのフォークリフトのブレーキのかけ方は、アクセルレバーを進行方向と逆向きに倒す方法と、ブレーキペダルを離す方法がある。技能講習機関によっては、ブレーキペダルは、操作者が誤って運転席から離れたときに誤発進しないようにするためのものであるとして、アクセルレバーの操作だけでブレーキをかけるように指導しているところもある。

いずれにせよ、本肢は適切である。

(2)適切である。ゲートロックレバーは、移動式クレーンのみの技術ではなく、建設機械一般に利用されているが、本肢は適切である。

(3)適切である。移動式クレーンの巻過防止装置には、直接式と間接式があるが、いずれも動力を遮断する機能を持つ。

(4)適切ではない。懸垂式のものと鎌形式のものがある割刃とは、反発予防装置のことであって、接触予防装置ではない。(木材加工用丸のこ盤並びにその反ぱつ予防装置及び歯の接触予防装置の構造規格参照)

(5)適切である。プレス機械又はシャーの安全装置構造規格第15条には、「第1条第2号の機能を有するプレス等の安全装置(以下「両手操作式安全装置」という。)は、一行程一停止機構を有するものでなければならない。ただし、一行程一停止機構を有するプレス等に使用される両手操作式安全装置については、この限りでない」と定めている。

なお、JIS C 0111は、「再起動防止一行程一停止」を「起動ボタンを押し続けていてもスライドが設定停止点で必ず停止すること」、「再起動操作」を「起動ボタンなどからいったん手又は足を離して再び操作すること」と定義している。

2018年10月27日執筆 2020年05月11日修正