問14 支点間に架け渡した杉の足場板を図1のような単純支持梁に置き換えた計算モデルにおいて、足場板の自ばり重を無視し、支持スパン長ℓ の中央にP = 980 N の集中荷重が作用するとしたとき、板の曲げ強度上、許容される支持スパン長ℓ(cm)の最大値は(1)~(5)のうちどれか。
ただし、足場板の断面形状・寸法は長さ方向に一様で図2に示すものとし、支持スパンの中央における最大曲げモーメントM 及び断面係数Z は、それぞれ次式で表すことができるものとする。また、足場板の許容曲げ応力を1030 N/cm2とする。
M= | P ℓ | Z= | b h2 |
4 | 6 |
b:板幅
h:板厚
図1 足場板の計算モデル
図2 足場板の断面形状・寸法
(1)100 cm
(2)150 cm
(3)200 cm
(4)250 cm
(5)300 cm
このページは、2015年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と解答例を示しています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。
他の問題の解説をご覧になる場合は、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」か「パンくずリスト」をご利用ください。
柳川に著作権があることにご留意ください。
2015年度(平成27年度 | 問14 | 難易度 | 単純支持梁に関するやや高度な思考問題である。かなりの難問の部類だが正答しておきたいところ。 |
---|---|---|---|
単純支持梁 | 5 |
問14 支点間に架け渡した杉の足場板を図1のような単純支持梁に置き換えた計算モデルにおいて、足場板の自ばり重を無視し、支持スパン長ℓ の中央にP = 980 N の集中荷重が作用するとしたとき、板の曲げ強度上、許容される支持スパン長ℓ(cm)の最大値は(1)~(5)のうちどれか。
ただし、足場板の断面形状・寸法は長さ方向に一様で図2に示すものとし、支持スパンの中央における最大曲げモーメントM 及び断面係数Z は、それぞれ次式で表すことができるものとする。また、足場板の許容曲げ応力を1030 N/cm2とする。
M= | P ℓ | Z= | b h2 |
4 | 6 |
b:板幅
h:板厚
図1 足場板の計算モデル
図2 足場板の断面形状・寸法
(1)100 cm
(2)150 cm
(3)200 cm
(4)250 cm
(5)300 cm
正答(3)
【解説】
本問は“たわみ”を問題としておらず、曲げ応力の最大値が許容応力よりも小さければよいとしている。従って曲げ応力をσとすると、
σmax=M / Z
を満足するように ℓ を決めてやればよい。上式のMとZに問題で与えられた式を当てはめると、
σmax= | P ℓ × 6 | = | 3P ℓ |
4 × b h2 | 2b h2 |
となる。これを整理して数値を当てはめると、
ℓ= | 2b h2 | ×σmax |
3P |
ℓ= | 2×24[cm]×(3.5[cm])2 | ×1030[N/cm2] |
3×980[N] |
ℓ= | 588[cm] | ×1030[N/cm2] |
2940[N] |
ℓ=206[cm] |
となり、(3)が正答となる。本問はσmax=M / Zの公式を覚えておけば正答できる。
なお、今回は試験問題中で与えられたが、受験の前には、断面が長方形で両端が支持された梁についての次の2つの公式は覚えておいた方が良い。
M= | P ℓ | Z= | b h2 |
4 | 6 |