労働安全コンサルタント試験 2015年 産業安全一般 問13

修理・点検などの非定常作業




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合格

 このページは、2015年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2015年度(平成27年度) 問13 難易度 非定常作業の労働災害防止に関するごく常識的な知識問題である。ほぼ常識問題のレベルである。
非定常作業

問13 修理・点検などの非定常作業に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

(1)非定常作業は、日常的に反復・継続して行われることが少ない作業で、かつ、十分な時間的な余裕がなく行われることが多いので、設備及び管理面の事前の検討を十分に行った。

(2)自動化生産システムにおいて、通常の運転中に発生する故障の処理の作業については、必要な安全教育を受けていない作業者に行わせないことを徹底させた。

(3)化学設備における火気作業、高所作業などの危険有害性の高い作業について、作業の開始時及び終了時に、あらかじめ定められた者が立ち会い、必要な指示及び確認を行った。

(4)自動化生産システムにおいて、設計段階からの非常停止装置の設置、インターロックの機能を有する安全装置の設置などについて配慮した。

(5)食品加工ラインが自動運転中、コンベヤーがトラブルで停止したので、安全柵内に立ち入り、直ちに調整を行った。

正答(5)

【解説】

本問は、ほぼ常識問題のレベルである。試験協会のサービス問題と言ってよい。ケアレスミスでもない限り間違うことはないであろう。

(1)適切である。厚生労働省では、化学設備、鉄鋼生産設備、自動化生産システムの3種の設備についてそれぞれ「非定常作業における労働災害防止のためのガイドライン」を定めている。このうち「鉄鋼生産設備の非定常作業における安全衛生対策のためのガイドライン通達)」においては、非定常作業とは「定常作業以外の作業」とされ、定常作業は「日常的に反復・継続して行われる作業であって・・・」と定められているので、本肢の前段は正しい。

後段については、「事前の検討を十分に行った」というのであるから、不適切となる余地がない。

(2)適切である。「自動化生産システムの非定常作業における安全衛生対策のためのガイドライン」には本肢のような記述はない。しかし、「必要な安全教育を受けていない作業者に行わせないことを徹底させた」こと自体は、不適切となる余地がない。

(3)適切である。「化学設備の非定常作業における安全衛生対策のためのガイドライン」には「立会者」の実施すべき事項として「火気作業、入槽作業、高所作業等の危険有害性の高い作業について作業の開始時及び終了時に立ち会い、必要な指示及び確認を行う」とされている。

(4)適切である。前出の「自動化生産システムの非定常作業における安全衛生対策のためのガイドライン」には以下のような記述がある。従って、本肢は適切でないとはいえない。

【自動化生産システムの非定常作業における安全衛生対策のためのガイドライン】

 自動化生産システムの安全化

  自動化生産システムの設計及び設置に際しては、労働安全衛生関係法令を遵守することはもとより、次の事項に特に留意して、非定常作業における労働災害の防止に配慮したものとすること。

(1)危険箇所への覆い、囲い等の設置

(2)動力しゃ断装置及び非常停止装置の設置

(3)フェールセーフ、フールプルーフ、インターロック等の機能を有する安全装置等の設置

(4)コンピュータ制御による方式にあっては、故障時における自動診断機能等の付与

(5)作業スペース、足場等の確保

(5)適切ではない。食品加工用機械について、安衛則第130条の2から第130条の9までには、墜落防止を除き“柵”についての規定はない。しかしながら、どのような機械設備であっても「自動運転中、コンベヤーがトラブルで停止したので、安全柵内に立ち入り、直ちに調整を行っ」てよいはずがない。

2018年10月27日執筆 2020年05月10日修正