問7 爆発、火災の防止等に関する次の記述のうち、労働安全衛生法令上、誤っているものはどれか。
(1)引火点が零下30℃の物は、引火性の危険物に該当し、マグネシウム粉は、発火性の危険物に該当する。
(2)事業者は、危険物乾燥設備については、乾燥物の種類、加熱乾燥の程度、熱源の種類等により爆発又は火災が生ずるおそれのない場合を除き、その熱源として直火を使用しではならない。
(3)事業者は、通風及び換気が不十分な場所において、可燃性ガス及び酸素を用いて溶断の作業を行うときは、吹管からの過剰酸素の放出による火傷を防止するため、十分な換気を行わなければならない。
(4)事業者は、化学設備を使用して作業を行うときに、当該設備に関し爆発又は火災を防止するために定める作業規程には、試料の採取に関する事項については定めなくてもよいが、パルプ、コック等の操作に関する事項については定めなければならない。
(5)事業者は、水蒸気爆発を防止するため、溶融高熱物を取り扱う設備を内部に有する建築物については、床面は水が滞留しない構造とし、屋線、壁、窓等は雨水が浸入することを防止できる構造としなければならない。
このページは、2014年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全関係法令」問題の解説と解答例を示しています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。
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2014年度(平成26年度) | 問07 | 難易度 | 爆発、火災の防止等に関するやや詳細な知識問題。難問と言える。 |
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爆発、火災の防止等 | 5 |
問7 爆発、火災の防止等に関する次の記述のうち、労働安全衛生法令上、誤っているものはどれか。
(1)引火点が零下30℃の物は、引火性の危険物に該当し、マグネシウム粉は、発火性の危険物に該当する。
(2)事業者は、危険物乾燥設備については、乾燥物の種類、加熱乾燥の程度、熱源の種類等により爆発又は火災が生ずるおそれのない場合を除き、その熱源として直火を使用しではならない。
(3)事業者は、通風及び換気が不十分な場所において、可燃性ガス及び酸素を用いて溶断の作業を行うときは、吹管からの過剰酸素の放出による火傷を防止するため、十分な換気を行わなければならない。
(4)事業者は、化学設備を使用して作業を行うときに、当該設備に関し爆発又は火災を防止するために定める作業規程には、試料の採取に関する事項については定めなくてもよいが、パルプ、コック等の操作に関する事項については定めなければならない。
(5)事業者は、水蒸気爆発を防止するため、溶融高熱物を取り扱う設備を内部に有する建築物については、床面は水が滞留しない構造とし、屋線、壁、窓等は雨水が浸入することを防止できる構造としなければならない。
正答(4)
【解説】
(1)正しい。安衛令別表1の定義によれば、引火点が零下30℃の物は引火性の危険物に該当し、マグネシウム粉は発火性の危険物に該当する。
なお、これは安衛令の定義であって、安衛法の「引火性の物」、「発火性の物」とは異なる概念であることに留意すること。
【労働安全衛生法施行令】
別表第一 危険物(第一条、第六条、第九条の三関係)
一 (略)
二 発火性の物
1~9 (略)
10 マグネシウム粉
11~13 (略)
三 (略)
四 引火性の物
1 エチルエーテル、ガソリン、アセトアルデヒド、酸化プロピレン、二硫化炭素その他の引火点が零下三〇度未満の物
2~4 (略)
五 (略)
(2)正しい。安衛則第294条(第十号)の規定により正しい。
【労働安全衛生規則】
(乾燥設備の構造等)
第294条 事業者は、乾燥設備については、次に定めるところによらなければならない。ただし、乾燥物の種類、加熱乾燥の程度、熱源の種類等により爆発又は火災が生ずるおそれのないものについては、この限りでない。
一~九 (略)
十 危険物乾燥設備の熱源として直火を使用しないこと。
十一 (略)
(3)正しい。安衛則第262条第1項(第五号)の規定により正しい。
【労働安全衛生規則】
(通風等が不十分な場所におけるガス溶接等の作業)
第262条 事業者は、通風又は換気が不十分な場所において、可燃性ガス及び酸素(以下この条及び次条において「ガス等」という。)を用いて溶接、溶断又は金属の加熱の作業を行なうときは、当該場所におけるガス等の漏えい又は放出による爆発、火災又は火傷を防止するため、次の措置を講じなければならない。
一~四 (略)
五 溶断の作業を行なうときは、吹管からの過剰酸素の放出による火傷を防止するため十分な換気を行なうこと。
六 (略)
2 (略)
(4)誤り。安衛則第274条(第六号)の規定により、化学設備を使用して作業を行うときに、当該設備に関し爆発又は火災を防止するために定める作業規程には、試料の採取に関する事項について定めなければならない。
【労働安全衛生規則】
(作業規程)
第274条 事業者は、化学設備又はその附属設備を使用して作業を行うときは、これらの設備に関し、次の事項について、爆発又は火災を防止するため必要な規程を定め、これにより作業を行わせなければならない。
一 バルブ、コック等(化学設備(配管を除く。以下この号において同じ。)に原材料を送給し、又は化学設備から製品等を取り出す場合に用いられるものに限る。)の操作
二 冷却装置、加熱装置、攪拌装置及び圧縮装置の操作
三 計測装置及び制御装置の監視及び調整
四 安全弁、緊急しや断装置その他の安全装置及び自動警報装置の調整
五 ふた板、フランジ、バルブ、コック等の接合部における危険物等の漏えいの有無の点検
六 試料の採取
七 特殊化学設備にあつては、その運転が一時的又は部分的に中断された場合の運転中断中及び運転再開時における作業の方法
八 異常な事態が発生した場合における応急の措置
九 前各号に掲げるもののほか、爆発又は火災を防止するため必要な措置
(5)正しい。安衛則第250条の規定により正しい。
【労働安全衛生規則】
(建築物の構造)
第250条 事業者は、水蒸気爆発を防止するため、溶融高熱物を取り扱う設備を内部に有する建築物については、次の措置を講じなければならない。
一 床面は、水が滞留しない構造とすること。
二 屋根、壁、窓等は、雨水が浸入することを防止できる構造とすること。