労働安全コンサルタント試験 2014年 産業安全一般 問20

爆発性物質の特性等




問題文
トップ
合格

 このページは、2014年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

 他の問題の解説をご覧になる場合は、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」か「パンくずリスト」をご利用ください。

 柳川に著作権があることにご留意ください。

2014年度(平成26年度) 問20 難易度 爆発性物質に関するごく初歩的な知識問題。確実に正答できなければならない。
爆発性物質

問20 爆発性物質に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)爆発性物質は、熱や衝撃により一定のエネルギーを与えられると反応が開始する。

(2)爆発性物質は、反応によって急激な圧力上昇が生じるため、設備の損壊につながることがある。

(3)爆発性物質には、混合物は含まれない。

(4)爆発性物質には、金属リチウムは含まれない。

(5)爆発性物質の燃焼は激しいため、消火が困難である。

正答(3)

【解説】

(1)正しい。自己反応性の物質や混触によって爆発する物もあるので、やや迷うかもしれない。しかし、爆発性物質が、熱や衝撃により一定のエネルギーを与えられると反応が開始することは誤りとは言えない。

(2)正しい。これは解説するまでもあるまい。爆発性の物は爆発すると言っているだけである。

(3)誤り。あり得ないことである。火薬類の多くは混合物である。

なお、問われているのは「爆発性物質」についてであって、「安衛令の爆発性の物」についてではない。本問には「安衛令の爆発性の物」とは一言も書かれていない。しかし、「安衛令の爆発性の物」に混合物が含まれていることは当然と考えられている。

(4)正しい。本問で迷うとすれば、本肢だけだろうか。安衛令別表第1では、金属リチウムは発火性の物とされ、爆発性の物ではない。しかし、繰り返すが、問われているのは「爆発性物質」かどうかであって、「安衛令の爆発性の物」かどうかではないのである。

金属リチウムが爆発しないかと言われれば、政府のモデルSDSには「加熱すると、激しく燃焼又は爆発することがある」と明記されている。また、水と反応して爆発することもある。かなり疑問はあるが、(3)が明らかに誤っているので、本肢は正しいということのようだ。

(5)誤りとは言えない。これも解説するまでもあるまい。爆発とは激しい燃焼のことであるから前段は正しい。一方、消火が困難かどうかは評価次第だが、誤っているとはいえないだろう。

2020年06月14日執筆