労働安全コンサルタント試験 2014年 産業安全一般 問19

保護具(全般)




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合格

 このページは、2014年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2014年度(平成26年度) 問19 難易度 保護具に関するやや詳細な知識問題。やや正答しずらい問題と言えよう。
保護具(全般)

問19 保護具に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

(1)墜落制止用器具に必須な性能には、強度及び耐衝撃性がある。

(2)安全靴に必須な性能には、耐衝撃性及び耐圧迫性がある。

(3)保護帽に必須な性能には、衝撃吸収性、耐貫通性及び耐老化性がある。

(4)電気用ゴム手袋に必須な性能には、耐電圧性、耐老化性及び耐貫通性がある。

(5)保護めがねに必須な性能には、耐衝撃性、難燃性及び耐消毒性がある。

※ 本問は、出題後の省令等の改正に合わせて、一部修正を行っている。

正答(3)

【解説】

本問は保護具の「必須」な要件を問うものである。構造規格に規定があれば、それを満足することは必須であるが、構造規格に定めがない保護具については、何が必須かは議論が分かれるところかもしれない。

一応、JISで必須とされているものについては、必須であるとして解説した。

(1)適切である。出題当時、本肢は「安全帯」とされていたが、現在は墜落制止用器具と名称が変わっている。構造規格も「墜落制止用器具の規格」(昭和50年9月8日労働省告示第67号:最終改正平成31年1月25日厚生労働省告示第11号)と名称が変更されている。

しかし、新規格においても、墜落制止用器具に必要な性能として、強度及び耐衝撃性が定められていることに変わりはない。

(2)適切である。安全靴にはJIS規格とJSAA(公益社団法人日本保安用品協会)規格の2つの規格が存在している。これらの規格には、必須な性能として、耐衝撃性及び耐圧迫性が定められている。なお、JIS規格は、甲被が革製または総ゴム製(安全長靴など)に限られるなど、JSAA規格より高い耐久性が要求されている。

いずれの規格においても、先芯部の耐衝撃性試験及び耐圧迫性試験、並びに表底の剥離抵抗試験が定められ、これらに合格することが必須となっている。

(3)適切ではない。「保護帽の規格」(昭和50年9月8日労働省告示第66号:最終改正平成12年12月25日労働省告示第120号)には、衝撃吸収性及び耐貫通性については規定されているが、耐老化性については規定されていない。使用年限の過ぎた保護帽は原則として廃棄するべきである。

(4)適切である。JIS T 8112:2014(電気用ゴム手袋)には、耐電圧性能、耐貫通性及び老化性能について規定されている。なお、「絶縁用保護具等の規格」(昭和47年12月4日労働省告示第144号:改正昭和50年3月29日労働省告示第三三号)には、耐電圧性能については規定されているが、耐貫通性及び老化性能については定められていない。

(5)適切である。JIS T 8147:2016(保護めがね)には、耐衝撃性、難燃性及び耐消毒性が規定されている。

2020年06月14日執筆 2024年08月25日改訂