労働安全コンサルタント試験 2014年 産業安全一般 問07

フォークリフトの取扱い




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合格

 このページは、2014年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2014年度(平成26年度) 問07 難易度 フォークリフトの取扱いに関する基本的な知識問題。正答できなければならない問題である。
フォークリフトの取扱い

問7 フォークリフトの取扱いに関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

(1)フォークの片方の爪の先端に、フレキシプルコンテナをつり下げて搬送した。

(2)フォークの高さを地面から15 ~ 20 cm として走行した。

(3)フオーク又はフォークに積んだ荷の下に作業者を立ち入らせなかった。

(4)積載した荷が大きく視界が悪かったので、後進して搬送した。

(5)荷を積載して坂道を上がるときは前進し、坂道を下るときは後進した。

正答(1)

【解説】

(1)適切ではない。安衛則第151条の14に「車両系荷役運搬機械等を荷のつり上げ、労働者の昇降等当該車両系荷役運搬機械等の主たる用途以外の用途に使用してはならない」とされている。

なお、同条の「労働者に危険を及ぼすおそれのないとき」とは、純正品の専用の吊り具などを用いる場合をいう。片方の爪の先端に、フレキシプルコンテナをつり下げて搬送することは該当しない。

【労働安全衛生規則】

(定義)

第151条の2 この省令において車両系荷役運搬機械等とは、次の各号のいずれかに該当するものをいう。

 フオークリフト

二~七 (略)

第151条の14 事業者は、車両系荷役運搬機械等を荷のつり上げ、労働者の昇降等当該車両系荷役運搬機械等の主たる用途以外の用途に使用してはならない。ただし、労働者に危険を及ぼすおそれのないときは、この限りでない。

(2)適切である。荷を積んでいるときは、フォークの高さを地面から15 ~ 20 cm として走行するようにする。

なお、林災防が策定した「林業・木材製造業労働災害防止規程」第202条には「フォークの下端の地上高は、15~20センチメートルを標準とし、走行路の状態等でこれにより難いときでも、フォークの上面が30センチメートルを超えないこと」との記述がある。

(3)適切である。これは当然であろう。フオークは油圧がなくなった場合でも急激に下降しないようにはなっているが、荷の下に作業者を立ち入らせてはならない。

【労働安全衛生規則】

(立入禁止)

第151条の9 事業者は、車両系荷役運搬機械等(構造上、フオーク、シヨベル、アーム等が不意に降下することを防止する装置が組み込まれているものを除く。)については、そのフオーク、シヨベル、アーム等又はこれらにより支持されている荷の下に労働者を立ち入らせてはならない。ただし、修理、点検等の作業を行う場合において、フオーク、シヨベル、アーム等が不意に降下することによる労働者の危険を防止するため、当該作業に従事する労働者に安全支柱、安全ブロツク等を使用させるときは、この限りでない。

 (略)事業者は、車両系荷役運搬機械等(構造上、フオーク、シヨベル、アーム等が不意に降下することを防止する装置が組み込まれているものを除く。)については、そのフオーク、シヨベル、アーム等又はこれらにより支持されている荷の下に労働者を立ち入らせてはならない。ただし、修理、点検等の作業を行う場合において、フオーク、シヨベル、アーム等が不意に降下することによる労働者の危険を防止するため、当該作業に従事する労働者に安全支柱、安全ブロツク等を使用させるときは、この限りでない。

(4)適切である。積載した荷が大きく視界が悪いときは、後進して搬送するのが原則である。

(5)適切である。車体を安定させて転倒しにくくするために、荷を積載して坂道を上がるときは前進し、坂道を下るときは後進するのが原則である。なお、そうすることで荷がフォークから滑り落ちないようすることもできる。

2020年06月13日執筆