労働安全コンサルタント試験 2014年 産業安全一般 問02

建設現場における安全管理




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合格

 このページは、2014年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2014年度(平成26年度) 問02 難易度 建設現場における安全管理に関する基本的な知識問題である。確実に正答できなければならない。
建設現場の安全管理

問2 次の記述のうち、建設現場における安全管理について関係請負人が実施することが望ましい事項として、厚生労働省の「元方事業者による建設現場安全管理指針」に示されていないものはどれか。

(1)関係請負人は、その仕事の一部を別の請負人に請け負わせる場合には、請負契約において労働災害防止対策の実施者及びその経費の負担者を明確にすること。

(2)関係請負人は、建設現場における安全衛生管理の基本方針、安全衛生の目標、労働災害防止対策の重点事項等を内容とする安全衛生管理計画を作成すること。

(3)関係請負人は、その雇用する労働者の安全衛生に係る免許・資格の取得及び特別教育、職長教育の受講の有無を把握するとともに、元方事業者に対し、新たに作業に従事することとなった労働者について、これらの把握した事項をその者が当該建設現場で作業に従事する前までに通知すること。

(4)関係請負人は、混在作業に伴う労働災害防止上重要な工程に着手する時期、その他労働災害を防止する上で必要な時期に開催される協議組織の会議に店社の職員を参加させること。

(5)関係請負人は、安全衛生責任者又はこれに準ずる者に、統括安全衛生責任者又はこれに準ずる者等から連絡を受けた事項の関係者への連絡、及び連絡を受けた事項のうち自らに関係するものの実施につい ての管理を確実に行わせること。

正答(2)

【解説】

本問は、本文中にあるように、平成7年4月21日基発第267号の2「元方事業者による建設現場安全管理指針(以下、本問の解説において「指針」という。)」の第2の14からの出題である。

指針は冒頭において「関係請負人が実施することが望ましい事項も併せて示している」としている。そして、建設現場における関係請負人が実施する事項を第2の14に示しているのである。

【元方事業者による建設現場安全管理指針】

第2 建設現場における安全管理

2~13 (略)

14 関係請負人が実施する事項

(1)過度の重層請負の改善

  関係請負人は、労働災害を防止するための事業者責任を遂行することのできない単純労働の労務提供のみを行う事業者等にその仕事の一部を請け負わせないこと。また、仕事の全部を一括して請け負わせないこと。

(2)請負契約における労働災害防止対策の実施者及びその経費の負担者の明確化

  関係請負人は、その仕事の一部を別の請負人に請け合わせる場合には、請負契約において労働災害防止対策の実施者及びその経費の負担者を明確にすること。

(3)関係請負人及びその労働者に係る事項等の通知

 名称等の通知

  関係請負人は、元方事業者に対し、請負契約の成立後速やかにその名称、請負内容、安全衛生責任者の氏名、安全衛生推進者の選任の有無及びその氏名を通知すること。

 労働者数等の通知

  関係請負人は、元方事業者に対し、毎作業日の作業を開始する前までに仕事に従事する労働者の数を通知すること。

  また、関係請負人は、その雇用する労働者の安全衛生に係る免許・資格の取得及び特別教育、職長教育の受講の有無を把握するとともに、元方事業者に対し、新たに作業に従事することとなった労働者について、これらの事項をその者が当該建設現場で作業に従事する前までに通知すること。

 持込機械設備の通知

  関係請負人は、元方事業者に対し、建設現場に持ち込む建設機械等の機械設備について事前に通知すること。

(4)作業手順書の作成

  関係請負人は、労働災害防止に配慮した作業手順書を作成すること。

(5)協議組織への参加

  関係請負人は、安全衛生責任者又はこれに準ずる者を協議組織の会議に毎回参加させること。

  また、関係請負人は、混在作業に伴う労働災害防止上重要な工程に着手する時期、その他労働災害を防止する上で必要な時期に開催される協議組織の会議に店社の職員を参加させること。

(6)協議結果の周知

  関係請負人は、協議組織の会議の結果で重要な事項をその労働者に周知すること。

(7)作業間の連絡及び調整事項の実施の管理

  関係請負人は、安全衛生責任者又はこれに準ずる者に、統括安全衛生責任者又はこれに準ずる者等から連絡を受けた事項の関係者への連絡、及び連絡を受けた事項のうち自らに関係するものの実施についての管理を確実に行わせること。

(8)新規入場者教育の実施

  関係請負人は、その雇用する労働者が建設現場で新たに作業に従事することとなった場合には、当該作業従事前に当該建設現場の特性を踏まえて、次の事項を職長等から周知するとともに、元方事業者にその結果を報告すること。

[1] 元方事業者及び関係請負人の労働者が混在して作業を行う場所の状況

[2] 労働者に危険を生ずる箇所の状況(危険有害箇所と立入禁止区域)

[3] 混在作業場所において行われる作業相互の関係

[4] 避難の方法

[5] 指揮命令系統

[6] 担当する作業内容と労働災害防止対策

[7] 安全衛生に関する規程

[8] 建設現場の安全衛生管理の基本方針、目標、その他基本的な労働災害防止対策を定めた計画

(9)作業開始前の安全衛生打合せの実施

  関係請負人は、毎日、作業開始前にその雇用する労働者を集め、次の事項について安全衛生打合せを実施すること。

[1] 当日の作業内容、作業手順、労働災害防止上の留意事項等についての関係労働者への指示

[2] 作業間の連絡調整の結果の周知

[3] 関係労働者の労働災害の防止に対する意見等の把握

[4] 危険予知活動等の安全活動

(10)職長会(リーダー会)の設置

  関係請負人は、職長及び労働者の安全衛生意識の高揚、職長間の連絡の緊密化、労働者からの安全衛生情報の掌握等を図るため、職長会(リーダー会)を設置すること。

(1)指針第2の14の(2)に記載されている。

(2)本肢は元方事業者が実施するべきことである(第2の1)。建設現場における基本的な管理計画の策定は、元方事業者が実施するべきことであり、関係請負人は協議組織の会議において議題としてかかわることとなる。

(3)指針第2の14の(3)bの第2パラグラフに記載されている。

(4)指針第2の14の(5)の第2パラグラフに記載されている。

(5)指針第2の14の(7)に記載されている。

2020年06月07日執筆