労働安全コンサルタント試験 2013年 産業安全一般 問28

リスクアセスメント指針




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合格

 このページは、2013年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2013年度(平成25年度) 問28 難易度 リスクアセスメントの結果に対する対策の優先順位を問う問題。基本中の基本。正答する必要がある。
リスクアセスメント指針

問28 厚生労働省の「危険性又は有害性等の調査等に関する指針」においては、リスク低減措置の検討及び実施に当たっての優先順位が示されている。

次のイからニのリスク低減措置について、優先順位の高いものから順に並べたものは(1)~(5)のうちどれか。

イ インターロック、局所排気装置等の設置等の工学的対策

ロ 危険な作業の廃止・変更等、設計や計画の段階から労働者の就業に係る危険性又は有害性を除去又は低減する措置

ハ 個人用保護具の使用

ニ マニュアルの整備等の管理的対策

(1)イ-ロ-ハ-ニ

(2)ロ-イ-ニ-ハ

(3)ロ-ニ-ハ-イ

(4)ハ-ロ-ニ-イ

(5)ニ-イ-ロ-ハ

正答(2)

【解説】

本問は、問題文にもあるように「危険性又は有害性等の調査等に関する指針」(以下、本問の解説において「指針」という。)に関する問題である。

そして、指針10の(1)はリスク低減措置の優先順位を定めている。ここから、明らかなように(2)が正答となる。

要は、安全が確実なものから優先しようということである。まずは危険源をなくしてしまう本質安全化を検討し、それができなければ機械・設備によって危険源を囲って人との接触を制限する工学的対策を検討し、それによっても残る残留リスクに対しては管理的対策によって作業者への教育・表示による注意喚起・作業方法の改善を図り、最後に保護具の着用となる。

ただ、現実の作業場における対策に当たっては、管理的対策は他の対策と併用されることが多いであろう。

【危険性又は有害性等の調査等に関する指針】

10 リスク低減措置の検討及び実施

(1)事業者は、法令に定められた事項がある場合にはそれを必ず実施するとともに、次に掲げる優先順位でリスク低減措置内容を検討の上、実施するものとする。

 危険な作業の廃止・変更等、設計や計画の段階から労働者の就業に係る危険性又は有害性を除去又は低減する措置

 インターロック、局所排気装置等の設置等の工学的対策

 マニュアルの整備等の管理的対策

 個人用保護具の使用

(2)及び(3)(略)

2021年02月07日執筆