問20 爆発に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)溶融高温物と液体が接触して急激に気化・膨張する爆発現象を気化爆発とよぶ。
(2)分解爆発を起こす代表的な物質にはアセチレンがある。
(3)高温、高圧の液体が貯蔵されているタンクでは、タンクの亀裂によって蒸気爆発の危険性がある。
(4)可燃性の粉じんの粒径は、粉じん爆発の起こりやすさに影響する。
(5)爆ごうはきわめて破壊力のある現象であり、衝撃波を伴う。
このページは、2013年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と解答例を示しています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。
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2013年度(平成25年度) | 問20 | 難易度 | 爆発に関する知識問題であるが、ほぼ常識問題と言えるレベル。これに正答できなければ合格は覚束ない。 |
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爆発による労働災害防止 | 1 |
問20 爆発に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)溶融高温物と液体が接触して急激に気化・膨張する爆発現象を気化爆発とよぶ。
(2)分解爆発を起こす代表的な物質にはアセチレンがある。
(3)高温、高圧の液体が貯蔵されているタンクでは、タンクの亀裂によって蒸気爆発の危険性がある。
(4)可燃性の粉じんの粒径は、粉じん爆発の起こりやすさに影響する。
(5)爆ごうはきわめて破壊力のある現象であり、衝撃波を伴う。
正答(1)
【解説】
(1)誤り。言葉だけの問題だが、溶融高温物と液体が接触して急激に気化・膨張する爆発現象は「水蒸気爆発」と呼ばれる。
(2)正しい。分解爆発を起こす代表的な物質にはアセチレンや酸化エチレンなどがある。そのため、アセチレンや酸化エチレンの爆発上限は100%となっている。
なお、エチレンは加圧下では分解爆発を起こすことが知られている。
(3)正しい。高温、高圧の可燃性の液体が貯蔵されているタンクでは、タンクに亀裂ができれば、内部の液体が蒸気状となって噴出し、これが爆発するリスクがある。
(4)正しい。粉じんが爆発するのは、単位体積当たりの空気(酸素)と触れる面積が大きいためである。従って、粒径が小さいほど爆発しやすい。
これは、常識で考えても分かるだろう。微細な粉じんだと爆発を起こす鉄やアルミニウムでも、粒径が1mm であれば爆発するわけがあるまい。
(5)正しい。爆ごう(detonation)とは、火炎の伝播速度が音速を超えるために衝撃波を伴う爆発のことである。ガス溶接に用いられる水素やアセチレンなどで起きやすい。きわめて大きな破壊力を伴う。