労働安全コンサルタント試験 2013年 産業安全一般 問16

安全に関する各種検査・点検




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合格

 このページは、2013年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2013年度(平成25年度) 問16 難易度 やや詳細な内容も含まれる知識問題ではあるが、試験会場でよく考えれば正答できる問題だろう。
安全関連の各種検査・点検

問16 安全に関する各種検査・点検に関する次の記述のうち適切でないものはどれか。

(1)手押しかんな盤の刃の接触予防装置とテーブルとの隙間をスケールで測定し、隙間が10mm以上であることを確認した。

(2)移動式クレーンの過負荷防止装置について、試験荷重を定格荷重の範囲内でつり上げた後、ジブを徐々に倒してゆき、装置が作動したときのジブ傾斜角度と当該移動式クレーンの定格荷重曲線によるジブ傾斜角度とを対比して、自動停止の作動精度が+10%以内であることを確認した。

(3)アーム俯仰型ゴンドラの起伏用ワイヤーロープにおいて、アームの位置が最も低くなる場合においても、起伏装置のドラムに2巻き以上のワイヤーロープが残されていることを確認した。

(4)高所作業車の緊急停止装置について、各操作レバーを入れた状態で緊急停止ボタンを操作して作動が同時に停止することを確認するとともに、それを復帰させた後の作動が正常なことを確認した。

(5)ボイラの燃料遮断装置について、燃焼中に燃料手動止め弁を閉止して火炎を消失させたとき、燃料遮断機構が正常に作動することを確認した。

正答(1)

【解説】

(1)適切ではない。「手押しかんな盤及びその刃の接触予防装置の構造規格」第5条によれば、「手押しかんな盤は、刃の接触予防装置がそのおおいの下面と加工材を送給する側のテーブルとの間げきが八ミリメートル以下となるように取り付けられているものでなければならない」とされている。

手押しかんな盤の刃の接触予防装置とテーブルとの隙間は、指が入らない程度に狭くなければ危険である。隙間が10mm以上であることを確認したのでは、かえって危ない。そもそも、これが20cmも離れていたら、接触予防装置の意味がないではないか。

(2)適切である。「移動式クレーンの定期自主検査指針」の「5.1 安全装置」に、次のように定められている。

【移動式クレーンの定期自主検査指針】

 安全装置

5.1 安全装置

検査項目 検査方法 判定基準

5.1.4 過負荷防止装置

(1)作動

試験荷重を定格荷重の範囲内でつり上げた後、ジブを徐々に倒してゆき、装置が作動したときのジブ傾斜角度と当該移動式クレーンの定格荷重曲線によるジブ傾斜角度とを対比して、精度を調べる。

[1] 自動停止の作動精度は+10%以内であること。

(3)適切である。「ゴンドラ構造規格」第41条第1項第七号に、ゴンドラのワイヤロープについて「」において、「アームの起伏用ワイヤロープにあっては、アームの位置が最も低くなる場合において、起伏装置のドラムに二巻き以上残る長さであること」とされている。それを確認することが、適切でないわけがない。

【ゴンドラ構造規格】

(ワイヤロープ)

第41条 ワイヤロープは、次に定めるところによるものでなければならない。

一~六 (略)

 アームの起伏用ワイヤロープにあっては、アームの位置が最も低くなる場合において、起伏装置のドラムに二巻き以上残る長さであること。

 (略)

 (略)

(4)適切である「高所作業車の定期自主検査指針」の「6.1 安全装置」に次のように定められている。

【高所作業車の定期自主検査指針】

 安全装置等

6.1 安全装置

検査項目 検査方法 判定基準

6.1.1 安全装置

(5)緊急停止装置

各操作レバーを入れた状態で緊急停止レバー又はボタンを操作して作動が同時に停止すること、さらに緊急停止レバー又はボタンを復帰側に操作して作動が即時に復帰することを確認する。 正常に作動すること。

(5)適切である。「ボイラーの定期自主検査指針」の「3 自動制御装置」に以下のように定められている。

【ボイラーの定期自主検査指針】

 自動制御装置

検査項目 検査方法 判定基準

3.3 燃料遮断装置

(1)燃料遮断機構

必要に応じて、燃焼中に燃料手動止め弁を閉止する等によって火炎を消失させ、燃料遮断機構の作動状態を調べる。 正常に作動すること。
2021年01月30日執筆