労働安全コンサルタント試験 2013年 産業安全一般 問15

動力プレスの安全装置の検査




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合格

 このページは、2013年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2013年度(平成25年度) 問15 難易度 動力プレスの安全装置の検査に関する、かなり詳細な知識問題である。難問だったと思われる。
動力プレスの安全装置

問15 動力プレスの安全装置の検査に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

(1)両手操作式の安全プレスにおいて、左右の操作部の時間差が0.5秒を超えたときはスライドが起動できないことを、オシロスコープを用いて確認した。

(2)PSDI式の安全プレスにおいて、起動準備を行った後、30秒以内にスライドを作動させなかった場合にはPSDI機能による起動ができなくなり、かつ、改めて起動準備を行わなければPSDI機能による起動ができないことを確認した。

(3)動力プレスの急停止機構の定期自主検査において、運転中に急停止機構を作動させ、上死点と実際の停止点との角度を回転角度表示計により測定して、当該角度が10度以内で確実に急停止することを確認した。

(4)動力プレス用光線式安全装置において、投光器及び受光器の光軸の数は二つ以上あり、受光器はその対となる投光器から照射される光線以外の光線に感応しない構造であることをハロゲンランプの光源を用いて確認した。

(5)動力プレスに取り付けたPSDI式安全装置の有効性を確認するため、投光器及び受光器の間において直径の異なる試験用遮光棒を移動させて、安全装置が有効に作動する連続遮光幅、有効距離及び防護高さをスケールで測定した。

正答(3)

【解説】

本問は、平成23年4月7日基発0407第7号「プレス機械又はシャーの安全装置等の型式検定に係る検定の方法等の改正について」の別添1の表2(以下、たんに「表2」という。)からの出題が主となっている。

(1)適切である。表2の6の(2)に「両手操作式の左右の操作部の時間差が0.5秒を超えたときに起動できないことを、オシロスコープ等で測定すること」とされている。

(2)適切である。表2の6の(5)に、PSDI式(※)の安全プレスについて「PSDI式安全装置の検出機構の起動準備を行うための操作を行った後、30秒を超えた場合に起動できないことを確認すること」とされており、また、平成10年3月26日基発第130号「制御機能付き光線式安全装置に対するプレス機械又はシヤーの安全装置構造規格及び動力プレス機械構造規格の適用の特例について」に以下の記述があること。

※ PSDI(Presence Sensing Device Initiation=制御機能付き光線式安全装置)

本肢は、これらについて確認をすると言っているのであるから、適切である。

【制御機能付き光線式安全装置に対するプレス機械又はシヤーの安全装置構造規格及び動力プレス機械構造規格の適用の特例について】

第1 プレス機械の安全装置

 PSDIをプレス機械に適用する場合の安全基準

(4)-2PSDIの起動装置

 PSDIのタイマー

  PSDIには、次の要件を満たすタイマーを備えること。

(イ)設定時間内にPSDIによる起動を行わない場合は、PSDIによる起動ができなくなり、かつ、再びセットアップ操作しなければ、PSDIによる起動ができないものであること。

(ロ)タイマーの設定時間は、30秒以内であること。

(3)適切ではない。「動力プレスの定期自主検査指針」において、運転中に急停止機構を作動させたとき、上死点と実際の停止点との角度を回転角度表示計によって測定することは認められていない(※)

※ そもそも、運転中に急停止機構を作動させて、作動させたときの角度と実際に停止したときの角度を測定してその差を求めるのであればともかく、上死点と実際の停止点との角度を測定しても意味がない。

【動力プレスの定期自主検査指針】

 検査項目、検査方法及び判定基準

  動力プレスについては、次の表の左欄に掲げる検査項目に応じて、同表の中欄に掲げる検査方法による検査を行った場合に、それぞれ同表の右欄に掲げる判定基準に適合するものでなければならない。

 機械プレス

検査項目 検査方法 判定基準

5 一行程一停止機構、急停止機構及び非常停止装置

(3)急停止機構

 運転中に急停止装置を作動させ、最大停止時間を測定可能な装置により測定する。

 メーカーが指定した最大停止時間以内で確実に急停止すること。

 液圧プレス

検査項目 検査方法 判定基準

4 一行程一停止機構、急停止機構及び非常停止装置

(2)急停止機構

① 運転中に急停止機構を作動させ、最大停止時間を測定装置により、測定する。

② 運転中に急停止機構を作動させ、慣性下降値をスケールにより測定する。

① メーカーが指定する最大停止時間以内で確実に急停止すること。

② メーカーが指定する慣性下降値以内で確実に急停止すること。

 安全プレス

  (規定なし)

(4)適切である。表2の6の(4)に「光線式安全装置又はPSDI式安全装置について、投光器以外の光線に受光器が感応しない構造の試験は、ハロゲンランプ等の光源を用いて確認すること」とされている。

(5)適切である。表2の6の(3)に「光線式安全装置又はPSDI式安全装置の投光器及び受光器の間で、直径の異なる試験用遮光棒を移動させて、安全装置が有効に作動する最小検出幅、有効距離及び防護高さを測定すること」との記述がある。

2021年01月30日執筆 2022年10月10日一部追記