問5 下図のように、要素a、b及びcから構成される信頼性ブロック線図で示されるシステム①、②及び③がある。要素a、b及びcが等しい信頼度R(ただし、0 < R < 1)をもつとき、システム①、②及び③の信頼度をそれぞれR1、R2及びR3とすれば、(1)~(5)の不等式のうち、適切なものはどれか。
ただし、要素の故障は独立に起きるものとする。
システム① | システム② | システム③ |
---|
(1)R1 < R2 < R3
(2)R1 < R3 < R2
(3)R2 < R3 < R1
(4)R3 < R1 < R2
(5)R3 < R2 < R1
このページは、2013年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と解答例を示しています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。
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2013年度(平成25年度) | 問05 | 難易度 | 信頼性ブロック線図は定番であり、基本を理解できていれば正答できる。落としてはいけない問題だ。 |
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信頼性ブロック線図 | 2 |
問5 下図のように、要素a、b及びcから構成される信頼性ブロック線図で示されるシステム①、②及び③がある。要素a、b及びcが等しい信頼度R(ただし、0 < R < 1)をもつとき、システム①、②及び③の信頼度をそれぞれR1、R2及びR3とすれば、(1)~(5)の不等式のうち、適切なものはどれか。
ただし、要素の故障は独立に起きるものとする。
システム① | システム② | システム③ |
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(1)R1 < R2 < R3
(2)R1 < R3 < R2
(3)R2 < R3 < R1
(4)R3 < R1 < R2
(5)R3 < R2 < R1
正答(5)
【解説】
システム①は要素a、b及びcがすべて故障しなければ全体として故障は起きない。一方、システム③は、要素a、b及びcがひとつでも故障すれば、システム全体が故障してしまう。システム②は、その中間で、要素cが故障するか、a及びbが同時に故障しなければシステム全体は故障しない。
従って、システム①の信頼性が最も高く、システム③の信頼性が最も低くなり、システム②の信頼性は、その間になる。すなわち、(5)が正答となる。
念のため、数式を用いてそれぞれの信頼度を計算してみよう。まず、要素 a と要素 b の信頼度をそれぞれRa、Rb とし、これらが互いに独立だとすると、これが直列につながっていれば全体の信頼度Rは、
R=Ra × Rb
となり、並列に繋がっていれば
R=1-(1-Ra)×(1-Rb)
となる。複雑な系であってもこれらの組合せで全体の信頼度を算出できる。
本問では、すべての要素の信頼度がRで互いに独立であるので、まず
システム①については、
R1=1-(1-R)3
=3R-3R2+R3
となり、システム③については、
R3=R3
となることは明らかである。システム②については、並列と直列の組合せであるから、
R3=(1-(1-R)2)×R
=3R-3R2+R3
=2R2 - R3
となる。なお、システム②については2019年産業安全一般問5で出題されたシステムと同じであるので、その解説を参照して欲しい。
0 < R < 1であるから、R3 < R2 < R1となる。