問25 厚生労働省の労働災害統計(平成22年)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)全産業の死亡災害を業種別にみると、建設業が最も多く、次いで製造業となっている。
(2)建設業の死傷災害を事故の型別にみると、「墜落・転落」が最も多く、次いで「はさまれ・巻き込まれ」となっている。
(3)製造業の死傷災害を事故の型別にみると、「転倒」が最も多く、次いで「はさまれ・巻き込まれ」となっている。
(4)製造業の死傷災害の度数率は、電気・ガス・熱供給・水道業のそれより高くなっている。
(5)製造業の死傷災害の度数率は、卸売業・小売業のそれより低くなっている。
このページは、2012年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と解答例を示しています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。
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2012年度(平成24年度) | 問25 | 難易度 | 労働災害統計は、例年、タイプは変わるが必ず出題される定番の問題である。落としてはならない。 |
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労働災害統計 | 1 |
問25 厚生労働省の労働災害統計(平成22年)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)全産業の死亡災害を業種別にみると、建設業が最も多く、次いで製造業となっている。
(2)建設業の死傷災害を事故の型別にみると、「墜落・転落」が最も多く、次いで「はさまれ・巻き込まれ」となっている。
(3)製造業の死傷災害を事故の型別にみると、「転倒」が最も多く、次いで「はさまれ・巻き込まれ」となっている。
(4)製造業の死傷災害の度数率は、電気・ガス・熱供給・水道業のそれより高くなっている。
(5)製造業の死傷災害の度数率は、卸売業・小売業のそれより低くなっている。
正答(3)
【解説】
労働災害統計は、本サイトの「労働災害の発生状況の推移」を参照していただきたい。
(1)正しい。労働安全コンサルタント試験では災害統計について、業種別や型別の順位を問われることがある。順位は業種や型をどうまとめるかで変わってしまうが、厚生労働省が公表している業種・型で解答するしかない。
全産業の死亡災害を業種別にみると、建設業が最も多く、次いで製造業、運輸交通業、商業の順となっている。
(2)正しい。主な業種の型別死傷災害の順位は知っておかなければならない。
建設業の死傷災害を事故の型別にみると、「墜落・転落」が最も多く、次いで「はさまれ・巻き込まれ」、「転倒」、「飛来・落下」となっている。
(3)誤り。製造業の死傷災害を事故の型別にみると、「はさまれ・巻き込まれ」が最も多く、次いで「転倒」となっている。1位と2位が逆になっている。
(4)正しい。厚労省の度数率の統計は「労働災害動向調査」によって調査されている。これは、抽出された事業所への調査票の郵送という方法で行われている統計である。なぜか、労災補償のすべてのデータから直接算出するという方法がとられていないのだ。そのため、やや信じがたい数値となっている。
図が分かりにくくて申し訳ないが、厚労省の統計では、製造業の死傷災害の度数率は、電気・ガス・熱供給・水道業のそれより高くなっている。
(5)正しい。製造業の死傷災害の度数率は、卸売業・小売業のそれより低くなっている。
ただ、この結果はやや信じがたいという印象を受ける。年千人率(休業4日以上)について確認していただきたい。こちらは業種区分に卸売業・小売業はなく商業で比較するしかなく、また労働時間にもよるので単純に比較できるわけではないが、年千人率は製造業は商業よりやや高い。