労働安全コンサルタント試験 2012年 産業安全一般 問24

フォールトツリー




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合格

 このページは、2012年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2012年度(平成24年度) 問24 難易度 フォールトツリーに関する思考問題。常識で判断すれば正答できるだろう。
フォールトツリー

問24 労働災害Aの原因分析を行ったところ、下図のフォールトツリー(Fault Tree)が得られた。労働災害Aの原因B,C,D,Eの発生確率がそれぞれ同程度である場合、原因B,C,D,Eに関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

ただし、原因はそれぞれ独立して発生するものとする。

block

(1)Bの発生確率のみを50%低減する場合と、Cの発生確率のみを50%低減する場合とでは、災害Aの発生確率の低減効果は同程度である。

(2)Bの発生確率のみを50%低減する場合と、Cの発生確率のみを50%低減する場合とでは、前者の場合の方が、災害Aの発生確率の低減効果は大きい。

(3)Bの発生確率のみを50%低減する場合と、Cの発生確率のみを50%低減する場合とでは、後者の場合の方が、災害Aの発生確率の低減効果は大きい。

(4)Dの発生確率のみを50%低減する場合と、Eの発生確率のみを50%低減する場合とでは、災害Aの発生確率の低減効果は同程度である。

(5)Dの発生確率のみを50%低減する場合と、Eの発生確率のみを50%低減する場合とでは、前者の場合の方が、災害Aの発生確率の低減効果は大きい。

 スマホの場合、図はデバイスを横向きにするかピンチアウトで拡大できます。

正答(2)

【解説】

(1)誤り。D及びEの状態によって、場合を分けて考えればよい。

以下により、[Eが発生しているとき]及び[Eが正常で、Dも正常なとき]は、Bの発生確率のみを50%低減する場合と、Cの発生確率のみを50%低減する場合とは、災害Aの削減効果は同じになる。

しかし、[Eが正常で、Dが発生しているとき]は、Bの発生確率のみを50%低減する場合の災害Aの削減効果は50%であるが、Cの発生確率のみを50%低減しても効果はない。

従って、本肢は誤りとなる。

  • Eが発生しているとき、故障Aへの影響は左側の複合原因(B又はC)のみとなる。なぜなら、右側の複合要因(原因B及びD、又はE)はどちらにしても発生しているからである。従って、BとC、双方の低減効果は同じである。
  • Eが正常で、Dも正常なとき、故障Aは発生しない。なぜなら、右側の複合原因(原因B及びD、又はE)が発生しないからである。従って、B及びCの低減効果は(ないという意味で)同じである。
  • Eが正常で、Dが発生しているとき、故障Aへの影響はBと等しくなる。なぜなら、右側の【原因B及びD】はDが常に発生しているのでBに等しく、右側の複合原因(原因B及びD又はE)は(原因B又はE)と等価になる。さらに、原因Eは常に発生していないので、右側の複合原因はBと等しくなる。
    一方、左側の複合原因(B又はC)と右側の複合原因(B)のANDゲートの出力はBと等しくなる。従って、Cの低減効果はないが、Bの低減効果はそのまま災害Aの低減となる。

(2)正しい。(1)の解説参照。

(3)誤り。(1)の解説参照。

(4)誤り。これは深く考える必要はない。右側の故障要因(原因B及びD、又はE)にEはストレートに関わっているが、DはBが正常であれば、右側の故障原因に影響しない。従って、Eの発生確率を低減させる方が効果は大きい。

(5)誤り。(4)の解説参照。

2021年12月18日執筆 2022年10月08日修正