問10 注意(意識作用が、ある物事に集中すること。)に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
(1)ある物事に注意しているときは、他の物事に対する注意力は低下する。
(2)強い興味を持たせることによって、高い注意レベルを数時間以上維持できる。
(3)注意には方向性があり、空間で視線の焦点に合ったところはよく認知されるが、視線から外れた部分は無視されやすい。
(4)仕事において求められる注意の向け方・仕方は、職種によって異なる。
(5)不注意は、注意を保っている間にも発生することがあり、注意と不注意は同時に存在するものと考えておく必要がある。
このページは、2012年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と解答例を示しています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。
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2012年度(平成24年度) | 問10 | 難易度 | 一応、エルゴノミクスに関する知識問題だが、実際には一般的な知識があれば、正答できるだろう。 |
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人の注意の働き | 1 |
問10 注意(意識作用が、ある物事に集中すること。)に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
(1)ある物事に注意しているときは、他の物事に対する注意力は低下する。
(2)強い興味を持たせることによって、高い注意レベルを数時間以上維持できる。
(3)注意には方向性があり、空間で視線の焦点に合ったところはよく認知されるが、視線から外れた部分は無視されやすい。
(4)仕事において求められる注意の向け方・仕方は、職種によって異なる。
(5)不注意は、注意を保っている間にも発生することがあり、注意と不注意は同時に存在するものと考えておく必要がある。
正答(2)
【解説】
(1)適切である。本肢は当然のことである。ある物事に注意しているときに、他の物事に対する注意力が低下することは我々が日常よく経験することである。
(2)適切ではない。本問は他の肢が明らかに正しいので、本肢が不適切であると分かる。強い興味を持たせたとしても、高い注意レベルを数時間以上維持することは、通常は困難である(※)。
※ Mackworthは、単純な作業に関してであるが、注意の持続時間は 30 分程度であるとしている。
(3)適切である。本肢も当然のことである。注意には方向性があり、空間で視線の焦点に合ったところはよく認知されるが、視線から外れた部分は無視されやすい。
下の動画(The Monkey Business Illusion)のバスケットボールをパスし合っているグループの動画をご覧いただき、白いシャツを着ているチームのボールが何回パスされたかを確認して頂きたい。
さて、あなたは動画に表れたゴリラに気付いただろうか。なお、これはかなり有名な実験である。
(4)適切である。本肢も当然のことである。自動車製造工場の最終検査係と、映画製作現場のスクリプターと、幼稚園の送迎バスの運転手と、ホテルのコンシェルジュでは、注意の向け方・仕方が異なることは当然であろう。
(5)適切である。本肢も当然のことである。不注意は、注意を保っている間にも発生することがあり、注意と不注意は同時に存在することは我々が日常よく経験することである。