問5 システムが下図の信頼性ブロック線図に示すように要素a及び要素bから構成されている。要素a及び要素bがそれぞれ信頼度Ra及びRbをもつとき、システムの信頼度Rの掲載式のうち、適切なものは次のうちどれか。
ただし、要素の故障は独立に起きるものとする。
(1)R = Ra × Rb
(2)R =(1-Ra)× Rb
(3)R = Ra ×(1-Rb)
(4)R = Ra + Rb - Ra × Rb
(5)R =(Ra + Rb - Ra × Rb)×(
このページは、2012年の労働安全衛生コンサルタント試験の「産業安全一般」問題の解説と解答例を示しています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。
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2012年度(平成24年度) | 問05 | 難易度 | ブロック線図に関する基本的な知識があれば正答できる問題である。 |
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信頼性ブロック線図 | 1 |
問5 システムが下図の信頼性ブロック線図に示すように要素a及び要素bから構成されている。要素a及び要素bがそれぞれ信頼度Ra及びRbをもつとき、システムの信頼度Rの掲載式のうち、適切なものは次のうちどれか。
ただし、要素の故障は独立に起きるものとする。
(1)R=Ra×Rb
(2)R=(1-Ra)×Rb
(3)R=Ra×(1-Rb)
(4)R=Ra+Rb-Ra×Rb
(5)R=(Ra+Rb-Ra×Rb)×(Ra+Rb-Ra×Rb)
正答(4)
【解説】
要素aと要素bの信頼度をそれぞれRa、Rbとし、これらが互いに独立だとすると、これが直列につながっていれば全体の信頼度Rは、
R=Ra × Rb
となり、並列に繋がっていれば
R=1-(1-Ra)×(1-Rb)
となる。
複雑な系であってもこれらの組合せで全体のRを算出できる。
ただし、同じもの(例えば信頼度Rの要素C)が並列にいくらつながっていても、また直列にいくらつながっていても、信頼度は変わらない(全体の信頼度はR)。
誤解をしてはならないが、要素Cが2個つながっているのは、同じ仕様の製品が2つつながっているイメージではない。
ひとつの製品が、故障したときに1の信号を出し、正常なときには0の信号を出していると考えて欲しい。そして、この信号がスイッチを作動させているのである。要素Cが2個つながっているというのは、一つの製品からの出力で作動するスイッチが2個つながっているイメージなのである。
次図の3つのシステムの信頼度はすべて同じなのである。要素Cは同じものであり、常に同時に故障するのだから当然のことである。本問はこのことに気付くかどうかなのである。
本問のシステムは、要素aと要素bが並列につながっているものが、直列に2個つながっているだけなので、全体の信頼度は要素aと要素bが並列につながっている次図と同じ信頼度を持つ。
従って、
R=1-(1-Ra)×(1-Rb)
=Ra+Rb-Ra×Rb
となる。
なお、図のRaとRbはまったく同じように接続されている(入れ替えても同じ)なのだから、(2)や(3)が正答になるわけがないことは気づかなければならない。