労働衛生コンサルタント筆記試験(労働衛生一般)直前チェックシート

振動業務による健康被害とその対策


協議するビジネスパーソン

※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、労働衛生教育の対象者、教育内容、実施時期等について解説しています。

 労働衛生コンサルタント試験の筆記試験の直前チェックシートとして作成しました。

 柳川に著作権があることにご留意ください。

【振動業務による健康被害とその対策】

出題年 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 重要性
出題数 1 1 1 1 1 1 1 1

振動障害に関しては、ほぼ正確に1年おきに(騒音障害と交互に)出題されている(※)。(少なくともこれまでは)振動障害関連の問題と交互に出題する方針だったのだろう。

※ 少なくとも、2013 年度以降は、毎年、騒音障害と騒音障害のいずれかが出題されている。なお、口述試験では、振動障害防止対策は毎年のように出題されている。奇数年には騒音対策の学習は必要ないとは考えない方が良い。

振動障害防止の学習方法としては、厚生労働省から発出荒れている以下の通達に目を通しておく必要がある。なお、振動障害の基礎的な知識は、パンフレット「振動障害の予防のために」を参照されたい。

【振動障害関連重要通達】

具体的な「振動工具の種類と具体的な工具、用途等」には、次のようなものがある。なお、過去に振動工具について問われたことがある。。また、口述試験で、振動工具の例を問われることがあるので、眼を通しておく必要がある。

表:振動工具の種類と具体的な工具、用途等

【重要事項】

  • 末梢神経障害は局所振動によって起きる。通常、振動障害と言えば局所振動による障害を指す。なお、全身振動による障害は、局所振動による障害とは別なものである。
  • 全身振動による障害は、港湾でのフォークリフト業務などで問題となることが多い。具体的な全身振動による典型的な影響は、車や船酔いなど一過性の自律神経機能失調状態である。障害としては腰痛や内臓機能障害などが指摘されている。
  • 末梢循環障害の症状としては、寒冷期に手指がよく冷える、冷えた時に手指に痺れを感じるといった症状から始まり、さらに振動業務を継続するとレイノー現象が現れる。
  •  手以外の部分で工具を押すと、振動が身体に直接伝わるので、望ましくない。指針には「肩、腹、腰等手以外の部分で工具を押す等工具の振動が直接身体に伝わる作業方法は、避けること
  • 振動工具管理責任者を選任し、振動工具の点検・整備状況を定期的に確認する。
  • 作業開始時及び作業終了後に手、腕、肩、腰等の運動を主体とした体操を行う。
  • チェンソーを使用する労働者に対して、雇入れの際、当該業務への配置替えの際及び6月以内ごとに1回、定期に次の項目について健康診断を行うこと
  • 雨の中の作業等、作業者の身体を冷やすことは、努めて避けること
  • チェーンソーによる一連続の振動ばく露時間は、10分以内とする
  • 1日の振動ばく露時間は、当面、最大2時間までとされている

【振動作業の作業時間の管理】

振動工具の作業時間管理は以下による。まず、使用する工具の周波数補正振動加速度実効値の3軸合成値と、1日の振動ばく露時間から、次式により日振動ばく露量を求める。

日振動ばく露量:A8=a×T8m/s2

A[m/s2]:周波数補正振動加速度実効値の3軸合成値

T[時間]:1日の振動ばく露時間

日振動ばく露量から、以下により、作業時間の管理を行う。

  • 日振動ばく露量A(8)が、日振動ばく露限界値(5.0m/s2)を超えることがないよう振動ばく露時間の抑制、低振動の振動工具の選定等を行う。
  • 日振動ばく露量A(8)が、日振動ばく露限界値(5.0m/s2)を超えない場合であっても日振動ばく露対策値(2.5m/s2)を超える場合には振動ばく露時間の抑制、低振動の振動工具の選定等の対策に努める。
  • 日振動ばく露限界値(5.0m/s2)に対応した1日の振動ばく露時間(以下「振動ばく露限界時間」TLという。)を次式、別紙2の表等により算出し、これが2時間を超える場合には、当面、1日の振動ばく露時間を2時間以下とする。
  • 振動ばく露時間:AL=200a2[時間]

    (a[m/s2]は周波数補正振動加速度実効値の3軸合成値)

【振動障害の特殊健康診断の健診項目】

振動工具の取扱い業務に係る特殊健康診断の実施手技について」(昭和50年10月20日基発第609号)によれば、振動障害の特殊健康診断の健診項目には以下のもののがある。

  • 第一次健康診断
  • 職歴調査
  • 視診、触診
  • 運動機能検査
  • 握力(最大握力、瞬発握力)
  • 維持握力(5回法)
  • 血圧、最高血圧及び最低血圧
  • 末梢循環機能検査
  • 手指の皮膚温
  • 爪圧迫
  • 末梢神経機能検査(感覚検査)
  • 痛覚
  • 指先の振動覚
  • 第二次健康診断
  • 末循環機能検査
  • 手指の皮膚温
  • 爪圧迫
  • 末神経機能検査(感覚検査)
  • 痛覚
  • 指先の振動覚
  • 運動機能検査
  • 維持握力(60%法)
  • つまみ力
  • タッピング
  • 医師が必要と認めた場合に実施する項目
  • 末梢循環機能検査
  • 末梢神経機能検査
  • 心電図検査
  • 高年令者、高血圧者等について、安静時心電図をとること。また、必要な場合は、負荷心電図をとること。
  • X線検査
  • 聴力

【振動障害の診断に用いられる検査項目】

振動障害の認定基準について」(昭和52年5月28日基発第307号)等によれば、振動障害の診断に用いられる検査項目には以下のもののがある。

  • 手指の皮膚温
  • 爪圧迫
  • 痛覚
  • 指先の振動覚
  • 握力(最大握力、瞬発握力)
  • 維持握力
  • つまみ力
  • タッピング
  • 血圧、最高血圧及び最低血圧
2026年08月15日執筆