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2021年09月12日執筆
2024年02月24日最終改訂

※ イメージ図(©photoAC)
このページは、労働安全衛生法上の健康診断について、それぞれの規定を一覧表にまとめてあります。
労働衛生コンサルタント試験の筆記試験の直前チェックシートとして作成しました。
柳川に著作権があることにご留意ください。
【労働安全衛生法上の健康診断】
出題年 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 重要性 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
出題数 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 中 |
労働安全衛生法の健康診断に関する出題は最近では1年おきに出題される傾向が続いていた(※)が2021年以降は連続しての出題となった。
※ 2021年まで1年おきとなっていたのは、健康管理については他に面接指導やストレスチェックなど出題すべき範囲が広がったため、健康診断の問題が省略せざるを得なくなったことが原因であると思われる。
今後は、連続して出題されることもあり得るので、確実に基本を押さえておくようにしたい。
【健康診断関連の規定で留意すべき事項】
- 健康診断の省略について
- 一般の定期健康診断では、「厚生労働大臣が定める基準に基づき、医師が必要でないと認めるとき」は「身長、体重、腹囲、視力及び聴力の検査」「胸部エックス線検査及び喀痰検査」「貧血検査」「肝機能検査」「血中脂質検査」「血糖検査」「心電図検査」を省略できる。ただし、雇入れ時の健康診断にはこのような規定はない。
- 一般の定期健康診断では、「雇入れ時の健康診断」「海外派遣労働者の健康診断」「特殊健康診断」を1年以内に受診している場合は、その項目は省略できる。
- 雇入れ時の健康診断については、「医師による健康診断を受けた後、3月を経過しない者を雇い入れる場合に、その者がその健康診断の結果を証明する書面を提出したときは」その項目については省略できる。
- 労働者は健康診断を受診しなければならない。しかし、自ら健康診断を受けて事業者にその結果を提出した場合は受診義務を免れる。従って、その結果(反射)として、事業者は健康診断の実施義務を免れることができる。しかし、これは「自発的健康診断」とは無関係のことである。
- 健康診断(雇入れ時の健康診断、一般の定期健康診断、特定健康診断、海外派遣労働者の健康診断、給食従業員の検便、歯科医師による健康診断、特殊健康診断(雇入れ時等及び定期)及び都道府県労働局長の指示による臨時の健康診断)の結果は「遅滞なく」労働者に通知しなければならない。
- 以下の業務に常時従事させたことのある労働者で、現に使用しているものに対し、6月以内ごとに1回、定期に健康診断を実施しなければならない。
- 安衛令第22条第2項の特定化学物質等業務(石綿等の製造又は取扱いに伴い石綿の粉じんを発散する場所における業務を除く。)
- 石綿等の製造又は取扱いに伴い石綿の粉じんを発散する場所における業務
【健康診断(主なもののみ)の実施時期と記録の保存等】
健康診断 | 実施すべき時期 | 記録の保存年 | 関係条文 | |
---|---|---|---|---|
一 般 |
雇入れ時の健康診断 | 雇入れ時 | 5年間 | 安衛則第43条 |
一般の定期健康診断 | 1年以内ごと | 5年間 | 安衛則第44条 | |
特 定 業 務 従 事 者 等 |
特定業務従事者の健康診断 | 業務への配置替えの際及び6月以内ごと | 5年間 | 安衛則第45条 |
海外派遣労働者の健康診断 | 労働者を海外へ6月以上派遣するときに、あらかじめ | 5年間 | 安衛則第45条の2 | |
給食従業員の検便 | 雇入れの際又は業務への配置替えの際 | 5年間 | 安衛則第47条 | |
歯科医師による健康診断 | 雇入れの際、業務への配置替えの際及び業務についた後6月以内ごと | 5年間 | 安衛則第48条 | |
特 殊 |
高気圧業務健康診断 | 雇入れの際、業務への配置替えの際及び業務についた後6月以内ごと | 5年間 | 高圧則第38条 |
放射線業務特殊健康診断 | 雇入れ又は業務に配置替えの際及びその後6月以内ごと | 30年間(5年間保存した後、厚生労働大臣が指定する機関に引き渡すことができる) | 電離則第56条 | |
除染業務特殊健康診断 | 雇入れ又は業務に配置替えの際及びその後6月以内ごと | 30年間(5年間保存した後、厚生労働大臣が指定する機関に引き渡すことができる) | 除染則第20条 | |
特定化学物質業務特殊健康診断 | 雇入れ又は当該業務への配置替えの際及びその後6月(胸部のエックス線直接撮影による検査は1年)以内ごと | 5年間(特別管理物質を製造し又は取り扱う業務(クロム酸等を取り扱う業務については、クロム酸等を鉱石から製造する事業場においてクロム酸等を取り扱う業務に限る。)は30年) | 特化則第39条 | |
石綿業務特殊健康診断 | 雇入れ又は業務への配置替えの際及びその後六月以内ごと | 40年間 | 石綿則第40条 | |
鉛業務特殊健康診断 | 雇入れの際、業務への配置替えの際及びその後6月(安衛令別表第四第十七号及び第1条第五号リからルまでに掲げる鉛業務又はこれらの業務を行う作業場所における清掃の業務は1年)以内ごと | 5年間 | 鉛則第53条 | |
四アルキル鉛等業務特殊健康診断 | 雇入れの際、業務への配置替えの際及びその後6月以内ごと | 5年間 | 四鉛則第22条 | |
有機溶剤業務特殊健康診断 | 雇入れの際、業務への配置替えの際及びその後6月以内ごと | 5年間 | 有機則第29条 |
【健康診断の対象】
- 雇入時の健康診断:常時使用する労働者
- 一般の定期健康診断:常時使用する労働者
- 特定業務従事者の健康診断:以下の業務に常時従事する労働者
- 多量の高熱物体を取り扱う業務及び著しく暑熱な場所における業務
- 多量の低温物体を取り扱う業務及び著しく寒冷な場所における業務
- ラジウム放射線、エツクス線その他の有害放射線にさらされる業務
- 土石、獣毛等のじんあい又は粉末を著しく飛散する場所における業務
- 異常気圧下における業務
- さく岩機、鋲打機等の使用によつて、身体に著しい振動を与える業務
- 重量物の取扱い等重激な業務
- ボイラー製造等強烈な騒音を発する場所における業務
- 坑内における業務
- 深夜業を含む業務
- 水銀、砒素、黄りん、弗化水素酸、塩酸、硝酸、硫酸、青酸、か性アルカリ、石炭酸その他これらに準ずる有害物を取り扱う業務
- 鉛、水銀、クロム、砒素、黄りん、弗化水素、塩素、塩酸、硝酸、亜硫酸、硫酸、一酸化炭素、二硫化炭素、青酸、ベンゼン、アニリンその他これらに準ずる有害物のガス、蒸気又は粉じんを発散する場所における業務
- 病原体によつて汚染のおそれが著しい業務
- その他厚生労働大臣が定める業務
- 海外派遣労働者の健康診断:海外に6月以上派遣される労働者 及び 海外に6月以上派遣されて帰国し国内の業務に就く労働者(一時的に就かせるときを除く。)
- 給食従業員の検便:事業に附属する食堂又は炊事場における給食の業務に従事する労働者
- 歯科医師による健康診断:塩酸、硝酸、硫酸、亜硫酸、弗化水素、黄りんその他歯又はその支持組織に有害な物のガス、蒸気又は粉じんを発散する場所における業務に常時従事する労働者
- 高気圧業務健康診断:以下の業務に常時従事する労働者
- 高圧室内業務(潜函工法その他の圧気工法により、大気圧を超える気圧下の作業室又はシヤフトの内部において行う作業に限る。)
- 潜水業務(潜水器を用い、かつ、空気圧縮機若しくは手押しポンプによる送気又はボンベからの給気を受けて、水中において行う業務)
- 放射線業務特殊健康診断:次の放射線業務に常時従事する労働者で管理区域に立ち入るもの(除染則第二条第七項第一号に規定する土壌等の除染等の業務、同項第二号に規定する廃棄物収集等業務及び同項第三号に規定する特定汚染土壌等取扱業務を除く。)及び緊急作業に係る業務に従事する放射線業務従事者
- ① エツクス線装置の使用又はエツクス線の発生を伴う当該装置の検査の業務
- ② サイクロトロン、ベータトロンその他の荷電粒子を加速する装置の使用又は電離放射線(アルフア線、重陽子線、陽子線、ベータ線、電子線、中性子線、ガンマ線及びエツクス線をいう。第五号において同じ。)の発生を伴う当該装置の検査の業務
- ③ エツクス線管若しくはケノトロンのガス抜き又はエツクス線の発生を伴うこれらの検査の業務
- ④ 電離則第2条第2項で定める放射性物質を装備している機器の取扱いの業務
- ⑤ ④の放射性物質又はその放射性物質若しくは②に規定する装置から発生した電離放射線によつて汚染された物の取扱いの業務
- ⑥ 原子炉の運転の業務
- ⑦ 坑内における核原料物質(ウラン若しくはトリウム又はその化合物を含む物質で核燃料物質以外のもの=放射線の定義に関する政令第2条)の掘採の業務
- 除染業務特殊健康診断:除染測第2条第7項の除染等業務に常時従事する除染等業務従事者
- 特定化学物質業務特殊健康診断:安衛令第22条第1項第三号の業務(石綿等の取扱い若しくは試験研究のための製造又は石綿分析用試料等の製造に伴い石綿の粉じんを発散する場所における業務及び特化則別表第一第三十七号に掲げる物を製造し、又は取り扱う業務を除く。)に常時従事する労働者
- 石綿業務特殊健康診断:石綿等の取扱い若しくは試験研究のための製造又は石綿分析用試料等の製造に伴い石綿の粉じんを発散する場所における業務に常時従事する労働者
- 鉛業務特殊健康診断:安衛令別表第四に掲げる鉛業務(遠隔操作によつて行う隔離室におけるものを除く。)に常時従事する労働者
- 四アルキル鉛等業務特殊健康診断:安衛令第22条第1項第五号に掲げる業務に常時従事する労働者
- 有機溶剤業務特殊健康診断:屋内作業場等(第三種有機溶剤等にあつては、タンク等の内部に限る。)における次に掲げる有機溶剤業務(有機則第3条第1項によって適用除外となる業務を除く。)
- 有機溶剤等を製造する工程における有機溶剤等のろ過、混合、攪拌、加熱又は容器若しくは設備への注入の業務
- 染料、医薬品、農薬、化学繊維、合成樹脂、有機顔料、油脂、香料、甘味料、火薬、写真薬品、ゴム若しくは可塑剤又はこれらのものの中間体を製造する工程における有機溶剤等のろ過、混合、攪拌又は加熱の業務
- 有機溶剤含有物を用いて行う印刷の業務
- 有機溶剤含有物を用いて行う文字の書込み又は描画の業務
- 有機溶剤等を用いて行うつや出し、防水その他物の面の加工の業務
- 接着のためにする有機溶剤等の塗布の業務
- 接着のために有機溶剤等を塗布された物の接着の業務
- 有機溶剤等を用いて行う洗浄(ヲに掲げる業務に該当する洗浄の業務を除く。)又は払しよくの業務
- 有機溶剤含有物を用いて行う塗装の業務(ヲに掲げる業務に該当する塗装の業務を除く。)
- 有機溶剤等が付着している物の乾燥の業務
- 有機溶剤等を用いて行う試験又は研究の業務
- 有機溶剤等を入れたことのあるタンク(有機溶剤の蒸気の発散するおそれがないものを除く。以下同じ。)の内部における業務