労働衛生コンサルタント筆記試験直前チェックシート

労働安全衛生管理等(ライン型・スタッフ型)




トップ
協議するビジネスパーソン

※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、労働安全衛生管理体制についてまとめてあります。

 労働衛生コンサルタント試験の筆記試験の直前チェックシートとして作成しました。

 柳川に著作権があることにご留意ください。

【労働安全衛生管理一般】

出題年 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 重要性
出題数 1 1 1 1 1 1

労働安全衛生管理一般に関する設問は、2018年以降は出題されていない。

今後は、ライン型とスタッフ型の特性について出題される可能性がある。

【安全衛生管理についての留意事項】

  • 安全とは、許容不可能なリスクがないことをいい、危害を引き起こすおそれがあると思われるハザードから守られている状態をいう。
  • 経営トップには、労働災害予防の責任のほか、労働災害が発生した場合の民事上の責任、刑事上の責任及び社会的責任がある。民事上の責任は、過失があった場合に問われることが多いが、無過失の場合に責任が問われることもあり得る。

【ライン型とスタッフ型】

  • ライン(※)とは、それぞれの企業の本来業務=製造業であれば製造業務=に関する、トップから製造現場までの指揮系統の流れのことである。すなわち、トップ⇨製造部長⇨●●製造課長⇨○○製造係長⇨△△組長⇨◇◇班長⇨工員などの流れがラインであり、その中の各級管理者がライン管理者である。ラインを“製造ライン”のことだと誤解しそうな解説をしているテキストを見かけることがあるが適切ではない。
  • ※ 元々の「ライン」という用語は、戦闘部隊を意味する軍事用語である。軍の本来の目的である「戦闘」を直接行う部隊がラインだったのである。

  • スタッフ(※)とは、業務ラインから独立した専門スタッフのことである。すなわち、総務部や安全部などに配置されている専門スタッフである。安全衛生の専任でなくても、その事業場の本来の事業に直接かかわる業務以外の業務(人事や経理などの間接業務)を主に行っていて、仕事の一部に安全衛生が含まれていればスタッフとなる。
  • ※ 「スタッフ」という用語も軍事用語であり、架橋や地雷の除去などを行う工兵部隊、通信ラインの敷設などを行う通信部隊、補給に携わる輜重部隊など、ラインを支援する部隊(サービススタッフ)を指す言葉であった。後に、指揮官に対して、専門的な助言を行う参謀もスタッフ(管理スタッフ)と呼ばれるようになった。

    企業の安全衛生管理体制分野においては、かつては「スタッフ」は間接部門、「ライン」は直接部門を指す言葉であったが、現在では、本文に示したような理解をされていることが多い。

  • ライン型とスタッフ型の特徴は以下の通り。
  • 項目 ライン型 スタッフ型
    担当者 本来業務の担当部門と管理職 安全衛生を担当する専門職等
    専門知識 本来業務に追われがちで、安全に関する新しい情報や知識を吸収できない場合がある。 安全衛生が本来の職務である者が担当するので、情報や知識を得やすい。
    指示の徹底 本来業務の指示系統を通して指示され、日常的な監視ができるので、指示が徹底されやすい。 直接の上司ではなく、間接部門からの指示なので、面従腹背されることがあり、指示が徹底され難い面がある。
    現場との適合 現場を熟知している者によるので、現場の状況と適合しやすい反面、現状に妥協しやすい面がある。 現場を知らない者によると、現場の実情から解離しやすい面があるが、現状に妥協することは少ない。
    実施の速やかさ 現場を担当している者によって行われるので、(現場がその気になれば)改善等が速やかに行われやすい面がある。 間接部門からの指示によるので、生産が優先されて、安全衛生の対策が後回しにされがちになりやすい。
2022年02月11日執筆 2024年02月24日最終改訂