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このページは、職場の熱中症対策について、それぞれの規定を一覧表にまとめてあります。
労働衛生コンサルタント試験の筆記試験の直前チェックシートとして作成しました。
柳川に著作権があることにご留意ください。
【職場の熱中症対策】
| 出題年 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 重要性 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 出題数 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 高 |
職場における熱中症対策に関する出題は 2012 年以降は、毎年、必ず出題されている。今後も熱中症対策の重要性が低下するとは考えられないので、この傾向は必ず続くものと考えられる。今後は、連続して出題されることも予想されるので、確実に基本を押さえておくようにしたい。
ところで、熱中症対策に関する過去問は、厚労省の発出している基本文書から出題されていることが多いのだが、この基本文書が、2021年(令和3年)と2026年(令和8年)に大きく変わっていることに注意しなければならない。
2026年3月に「職場における熱中症防止のためのガイドライン」(以下「ガイドライン」という。)が発出されるまでは、「職場における熱中症予防基本対策要綱」(以下「基本対策要綱」という。)及びその「解説」並びに「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン実施要綱」の3つが基本的な文書として存在していた。
2026年3月以降は、「職場における熱中症防止のためのガイドライン」に一本化されたので、学習はしやすくなっていると言えよう。
なお、2009年(平成21年)の「職場における熱中症の予防について」(以下「旧通達」という。)とでは、WBGT 基準値の算定表と着衣補正値の基準が異なっていることに留意すること。また、熱中症の重症度については、基本対策要綱が途中で改正されている(※)。
※ このサイトでは、過去の解説までさかのぼって、ガイドラインの発出に合わせて改訂しているが、一般に発行されている印刷された解説書では、出題当時の解説が古い情報のままであることもあるので留意が必要である。
| 出題時期 | 出題の範囲 | 関連通達 | WBGT基準値 | 着衣補正値 |
|---|---|---|---|---|
| 2020年度以前 | 職場における熱中症の予防について | 平成21年6月19日基発第0619001号 | 表1-1 | 表1-2 |
| 2021年度から2025年度 | 職場における熱中症予防基本対策要綱(解説) | 令和3年4月20日基発0420第3号(最終改正:令和7年5月20日基発0520第7号) | 表1-1 | 表1-2 |
| STOP!熱中症 クールワークキャンペーンの毎年の実施要綱 | ||||
| 2026年度以降 | 職場における熱中症防止のためのガイドライン | 令和8年3月 18 日基発 0318 第1号 | 表1-1 | 表1-2 |
【熱中症の発生状況】
熱中症による労働災害の発生状況の詳細は「熱中症による労働災害の発生状況」を参照していただきたい。
熱中症の労働災害の発生件数は、2005年以降、増加傾向にあり、2025年では1,800名程度となっている。また、死亡災害は2024年まで連続して30名を超えたが、2025年には20名を下回っている。
熱中症の業種別発生件数は、建設業、製造業、運送業、警備業、商業など幅広い業種で発生している。近年では、製造業が最も多くなっている。
【WBGTの計算式】
WBGT 指数は、JIS Z 8504:1999 に計算式が示されている。なお、日射がない場合、WBGT 値を求める計算において、気温(乾球温度)は算出に用いない。
【WBGT の算出方法】
WBGT 指数は、自然湿球温度 (tnw) と黒球温度 (tg) との二つのパラメータの測定をし、また、ある条件においては基本的な因子、すなわち気温(ta;乾球温度)の測定も行う。次の式は、異なる環境条件によるパラメータの関係式を表す。
ー屋内,及び屋外で太陽照射のない場合
WBGT = 0.7tnw + 0.3tg
ー屋外で太陽照射のある場合
WBGT = 0.7 tnw + 0.2tg + 0.1ta
※ JIS Z 8504:1999「WBGT(湿球黒球温度)指数に基づく作業者の熱ストレスの評価-暑熱環境」より
【熱中症の分類】
日本救急医学会のガイドラインの各重症度の意義は、次のように定められている。
| 重症度 | 症状 |
|---|---|
| Ⅰ度 |
めまい、立ちくらみ、生あくび、大量の発汗、筋肉痛、筋肉の硬直(こむら返り)、意識障害を認めない |
| Ⅱ度 |
頭痛、嘔吐、倦怠感、虚脱感、集中力や判断力の低下(JCS ≦ 1) |
| Ⅲ度 (2024) |
下記の3つのうちいずれかを含む ・ 中枢神経症状(意識障害 JCS ≧ 2、小脳症状、けいれん発作) ・ 肝・腎機能障害(入院経過観察、入院加療が必要な程度の肝または腎障害) ・ 血液凝固異常(急性期 DIC 診断基準(日本救急医学会)にて DIC と診断) |
| Ⅳ度 |
深部体温 40.0 ℃以上かつ GCS ≦ 8 |
【ガイドライン中の重要事項(頻出事項)】
【熱中症のリスクの見積もり】
第2 熱中症リスクの評価
3 熱中症リスクの評価・検討
(1)熱中症リスクの評価
2で示した方法によりWBGT値を把握した上で、実測したWBGT値に対し、表1-2に基づき着衣補正を行うこと。着衣補正値を加えたWBGT値を、表1-1に掲げる身体作業強度及び暑熱順化の状況に応じたWBGT基準値に照らして、熱中症リスクを正しく見積もること。
(後略)
※ 厚生労働省「職場における熱中症防止のためのガイドライン(令和8年3月18日基発0318第1号)」より
【糖尿病と熱中症のリスク】
第3 熱中症リスクに応じた措置
4 健康管理
(1)健康診断結果に基づく対応
なお、熱中症の発症に影響を及ぼすおそれのある疾病は以下のものが挙げられる。その詳細については、「(参考)熱中症の発症に影響を及ぼすおそれのある疾病の特徴等」を参照すること。
①糖尿病、②高血圧症、③心疾患、④腎不全、⑤精神・神経関係の疾患、⑥広範囲の皮膚疾患、⑦感冒等、⑧下痢等
(参考)熱中症の発症に影響を及ぼすおそれのある疾病の特徴等
糖尿病については、血糖値が高い場合に尿に糖が漏れ出すことにより尿で失う水分が増加し、脱水状態を生じやすくなること、高血圧症及び心疾患については、水分及び塩分を尿中に出す作用のある薬を内服する場合に脱水状態を生じやすくなること、腎不全については、塩分摂取を制限される場合に塩分不足になりやすいこと、精神・神経関係の疾患については、自律神経に影響のある薬(パーキンソン病治療薬、抗てんかん薬、抗うつ薬、抗不安薬、睡眠薬等)を内服する場合に発汗及び体温調整が阻害されやすくなること、広範囲の皮膚疾患については、発汗が不十分となる場合があること等から、これらの疾病等については熱中症の発症に影響を与えるおそれがあること。
※ 厚生労働省「職場における熱中症防止のためのガイドライン(令和8年3月18日基発0318第1号)」より
【暑熱順化に必要な日数】
第3 熱中症リスクに応じた措置
3 作業管理
(2)暑熱順化
(前略)
暑熱順化の方法としては、7日以上かけて暑熱環境での身体的負荷を増やし、作業時間を調整し、次第に長くすることが挙げられる。特に、新規入職者等に対して他の作業従事者と同様の暑熱作業を行わせないよう、計画的な暑熱順化プログラムを組むこと。
暑熱順化の方法の例としては、職場での暑熱順化は暑さが本格化する前に作業時間を徐々に伸ばすなど調整し、発汗しやすい服装等で作業負荷をかけ、個人の健康状態を確認しながら7日以上かけて実施することが考えられる。職場以外でも、個人の運動、入浴等日常生活で無理のない範囲で汗をかくようにすることでも可能である。
(後略)
※ 厚生労働省「職場における熱中症防止のためのガイドライン(令和8年3月18日基発0318第1号)」より
【熱へのばく露を止めることが必要とされている兆候】
(参考)熱中症の発症に影響を及ぼすおそれのある疾病の特徴等
(前略)
心機能が正常な作業従事者については1分間の心拍数が数分間継続して 180 から年齢を引いた値を超える場合、作業強度のピークの1分後の心拍数が 120 を超える場合、休憩中等の体温が作業開始前の体温に戻らない場合、作業開始前より 1.5%を超えて体重が減少している場合、急激で激しい疲労感、悪心、めまい、意識喪失等の症状が発現した場合等は、熱へのばく露を止めることが必要とされている兆候であること。
(後略)
※ 厚生労働省「職場における熱中症防止のためのガイドライン」(令和8年3月18日基発0318第1号)の「(参考)熱中症の発症に影響を及ぼすおそれのある疾病の特徴等」より





