労働衛生コンサルタント試験 2025年 労働衛生一般 問24

災害性の原因による腰痛に該当するもの




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※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、2025年の労働衛生コンサルタント試験の「労働衛生一般」の問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等を削除した場合があります。

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2025年度(令和07年度) 問24 難易度 労災補償でいう「災害性」の意味が分かっていれば正答できる問題である。
災害性の腰痛  3 

※ 難易度は本サイトが行ったアンケート結果の正答率に基づく。
5:50%未満 4:50%以上60%未満 3:60%以上70%未満 2:70%以上80%未満 1:80%以上

問24 次のイ~ニの腰痛について、「災害性の原因による腰痛」に該当するもののみを全て挙げたものは(1)~(5)のうちどれか。

イ 介護業務中に廊下でつまずいて転倒して生じた腰痛

ロ 荷役作業において中腰姿勢で重量物を繰り返し取り扱うことで生じた腰痛

ハ 配送作業において重量物を持ち上げた時に生じた腰痛

ニ 車両運転において全身振動を継続的に受けて生じた腰痛

(1)イ  ロ  ハ

(2)イ  ハ

(3)ロ  ハ

(4)ロ  ニ

(5)ハ

正答(2)

【解説】

問24試験結果

試験解答状況
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本問の「災害性の原因による腰痛」については、昭和51年10月16日基発第 750 号「業務上腰痛の認定基準等について」(以下「腰痛認定基準」という。)に定義がある。

要は、腰痛の原因が「突発的なできごと」の場合を「災害性の原因による腰痛」と呼ぶわけである。原因が明確なので、業務上の腰痛かどうかの判断は、災害性の原因によらない腰痛よりも容易であるといえる(※)

※ いわゆる「ぎっくり腰」(急性腰痛症など)は、発症時の動作や姿勢の異常性などから、業務によって腰への強い力の作用があったと認められれば、原則として業務上として認められることが多い。しかし、日常的な動作の中でも生じる疾病であることから、仕事中に発症したからといって、すべてが業務上と認められるわけではない。

【業務上の腰痛とは】

1 災害性の原因による腰痛

  業務上の負傷(急激な力の作用による内部組織の損傷を含む。以下同じ。)に起因して労働者に腰痛が発症した場合で、次の二つの要件のいずれをも満たし、かつ、医学上療養を必要とするときは、当該腰痛は労働基準法施行規則(以下「労基則」という。)別表第1の2第1号に該当する疾病として取り扱う。

(1)腰部の負傷又は腰部の負傷を生ぜしめたと考えられる通常の動作と異なる動作による腰部に対する急激な力の作用が業務遂行中に突発的なできごととして生じたと明らかに認められるものであること。

(2)腰部に作用した力が腰痛を発症させ、又は腰痛の既往症若しくは基礎疾患を著しく増悪させたと医学的に認めるに足りるものであること。

2 災害性の原因によらない腰痛

  重量物を取り扱う業務等腰部に過度の負担のかかる業務に従事する労働者に腰痛が発症した場合で当該労働者の作業態様、従事期間及び身体的条件からみて、当該腰痛が業務に起因して発症したものと認められ、かつ、医学上療養を必要とするものについては、労基則別表第1の2の第3号2に該当する疾病として取り扱う。

※ 厚生労働省「業務上腰痛の認定基準等について」(昭和51年10月16日基発第750号)より(下線強調引用者)

イ 該当する。介護業務中に廊下でつまずいて転倒して生じた腰痛は、腰痛認定基準の解説の1の(2)のイに該当する。

【介護業務中に廊下でつまずいて転倒して生じた腰痛】

〔解説〕

1 災害性の原因による腰痛

(2)災害性の原因による腰痛を発症する場合の例としては、次のような事例があげられる。

 重量物の運搬作業中に転倒したり、重量物を2人がかりで運搬する最中にそのうちの1人の者が滑って肩から荷をはずしたりしたような事故的な事由により瞬時に重量が腰部に負荷された場合

 (略)

(3)~(5)(略)

※ 厚生労働省「業務上腰痛の認定基準等について」(昭和51年10月16日基発第750号)より

ロ 該当しない。荷役作業において中腰姿勢で重量物を繰り返し取り扱うことで生じた腰痛は、腰痛認定基準の解説の2の(1)のイの(イ)に該当する。

【介護業務中に廊下でつまずいて転倒して生じた腰痛】

〔解説〕

2 災害性の原因によらない腰痛

  災害性の原因によらない腰痛は、次の(1)及び(2)に類別することができる。

(1)腰部に過度の負担のかかる業務に比較的短期間(おおむね3カ月から数年以内をいう。)従事する労働者に発症した腰痛

 重量物の運搬作業中に転倒したり、重量物を2人がかりで運搬する最中にそのうちの1人の者が滑って肩から荷をはずしたりしたような事故的な事由により瞬時に重量が腰部に負荷された場合

(イ)おおむね20kg程度以上の重量物又は軽重不同の物を繰り返し中腰で取り扱う業務

(ロ)~(ニ)(略)

 (略)

(2)(略)

※ 厚生労働省「業務上腰痛の認定基準等について」(昭和51年10月16日基発第750号)より

ハ 該当する。(腰痛認定基準の解説の1の(2)のロ)配送作業において重量物を持ち上げた時に生じた腰痛

【介護業務中に廊下でつまずいて転倒して生じた腰痛】

〔解説〕

1 災害性の原因による腰痛

(2)災害性の原因による腰痛を発症する場合の例としては、次のような事例があげられる。

 (略)

 事故的な事由はないが重量物の取扱いに当たってその取扱い物が予想に反して著しく重かったり、軽かったりするときや、重量物の取扱いに不適当な姿勢をとったときに脊柱を支持するための力が腰部に異常に作用した場合

(3)~(5)(略)

※ 厚生労働省「業務上腰痛の認定基準等について」(昭和51年10月16日基発第750号)より

ニ 該当しない。車両運転において全身振動を継続的に受けて生じた腰痛は、腰痛認定基準の解説の2の(1)のイの(ニ)に該当する。

【介護業務中に廊下でつまずいて転倒して生じた腰痛】

〔解説〕

2 災害性の原因によらない腰痛

  災害性の原因によらない腰痛は、次の(1)及び(2)に類別することができる。

(1)腰部に過度の負担のかかる業務に比較的短期間(おおむね3カ月から数年以内をいう。)従事する労働者に発症した腰痛

 重量物の運搬作業中に転倒したり、重量物を2人がかりで運搬する最中にそのうちの1人の者が滑って肩から荷をはずしたりしたような事故的な事由により瞬時に重量が腰部に負荷された場合

(イ)~(ハ)(略)

(ニ)腰部に著しく粗大な振動を受ける作業を継続して行う業務

 (略)

(2)(略)

※ 厚生労働省「業務上腰痛の認定基準等について」(昭和51年10月16日基発第750号)より