問12 厚生労働省の「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」に関する次のイ~ニの記述について、適切なもののみを全て挙げたものは(1)~(5)のうちどれか。
イ 本ガイドラインの対象となる情報機器には、スマートフオンは含まれない。
ロ 一般に、直接照明は間接照明よりもグレア防止に効果的である。
ハ ディスプレイ画面の明るさと周辺の明るさとの差は、なるべく小さくする。
ニ 一連続作業時間は1時間以内とし、一連続作業時間内において1~2回程度の小休止を設ける。
(1)イ ロ ハ
(2)イ ロ
(3)ロ ハ ニ
(4)ハ ニ
(5)ニ
※ イメージ図(©photoAC)
このページは、2025年の労働衛生コンサルタント試験の「労働衛生一般」の問題の解説と解答例を示しています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等を削除した場合があります。
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| 2025年度(令和07年度) | 問12 | 難易度 | 情報機器作業は過去問にも類例が多く、今年度の問題はほぼ常識の範囲内で正答可能。 |
|---|---|---|---|
| 情報機器作業 | 1 |
※ 難易度は本サイトが行ったアンケート結果の正答率に基づく。
5:50%未満 4:50%以上60%未満 3:60%以上70%未満 2:70%以上80%未満 1:80%以上
問12 厚生労働省の「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」に関する次のイ~ニの記述について、適切なもののみを全て挙げたものは(1)~(5)のうちどれか。
イ 本ガイドラインの対象となる情報機器には、スマートフオンは含まれない。
ロ 一般に、直接照明は間接照明よりもグレア防止に効果的である。
ハ ディスプレイ画面の明るさと周辺の明るさとの差は、なるべく小さくする。
ニ 一連続作業時間は1時間以内とし、一連続作業時間内において1~2回程度の小休止を設ける。
(1)イ ロ ハ
(2)イ ロ
(3)ロ ハ ニ
(4)ハ ニ
(5)ニ
正答(4)
【解説】
本問は、問題文にもあるように「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」(基発0712第3号令和元年7月12日:最終改正令和3年12月1日基発1201第7号。以下「情報機器作業ガイドライン」という。)に関する問題である。
この種の国が策定した指針・ガイドラインに関する問題は、形式的には記憶問題であるし、事実、覚えておかないと正答できないものもあるが、内容が適切かどうかを現場で考えて正答できるものもある。本問に関して言えば、ガイドラインの内容をまったく知らなかったとしても正答可能である。
本問の場合、グレアの意味さえ分かっていれば、ロが適切ではないことは分かるだろう。そうなれば、ハが正しいかどうかだけの問題となる。そして、明暗の差がディスプレイ等と周囲で大きすぎれば不快だということは、感覚的に分かるだろう。それによって正答は可能である。
イ 適切ではない。情報機器作業ガイドラインの4の(2)のニに「スマートフォン」に関する記述がある。従って、本ガイドラインの対象となる情報機器には、スマートフオンが含まれている。
スマートフォンが対象となるかどうかを知らなかったとしても、仕事でスマートフォンを使用することは多いだろう。であれば、(他にスマートフォンに特化したガイドラインがあればともかく)情報機器作業ガイドラインにスマートフォンが対象として含まれないとは考えにくいだろう。
仮に、スーマートフォンが対象となっていないとすれば、国のガイドラインに不備(欠陥)があるということになりかねない。そのような問題を国の資格試験に出すはずがないと気づかなければならない。
【スマートフォンとガイドライン】
1 はじめに
(略)
一方、平成 14 年に VDT ガイドラインが策定されて以降、ハードウェア及びソフトウェア双方の技術革新により、職場における IT 化はますます進行している。これに伴い、ディスプレイ、キーボード等により構成される VDT 機器のみならずタブレット、スマートフォン等の携帯用情報機器を含めた情報機器が急速に普及し、これらを使用して情報機器作業を行う労働者の作業形態はより多様化しているところである。
(略)
4 作業環境管理
(2)情報機器等
イ~ハ (略)
ニ タブレット、スマートフォン等
(イ) (略)
(ロ) (略)
ホ~チ (略)
※ 厚生労働省「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」(基発0712第3号令和元年7月12日:最終改正令和3年12月1日基発1201第7号)より
ロ 適切ではない。情報機器作業ガイドラインの4の(1)のニに「間接照明等のグレア防止用照明器具を用いること
」)とあることからも分かるように、間接照明は直接照明よりもグレア防止に効果的である。
【間接照明とグレア】
4 作業環境管理
(1)照明及び採光
イ~ハ (略)
ニ 間接照明等のグレア防止用照明器具を用いること。
ホ (略)
※ 厚生労働省「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」(基発0712第3号令和元年7月12日:最終改正令和3年12月1日基発1201第7号)より
グレアとは、JIS Z 9125:2007「屋内作業場の照明基準」では、「視野内の高輝度部によって生じる視覚をグレアとする。グレアは、不快グレア、減能グレア、また、光沢面での反射によって生じる光幕反射及び反射グレアを含むものとする
」とされている。
すなわち、グレアとは「まぶしさ」のことである。そのことを知っていれば、直接照明は間接照明に比して、グレアの問題が生じやすいことは当然であろう。なお、この JIS 規定においても、「屋内における不快グレアは,一般には輝度が高い照明器具又は窓から直接的に生じる
」とされている。
【間接照明とグレア】
4.照明設計基準
4.4 グレア グレア 視野内の高輝度部によって生じる視覚をグレアとする。グレアは,不快グレア,減能グレア,また,光沢面での反射によって生じる光幕反射及び反射グレアを含むものとする。
作業ミス,疲れ及び事故を軽減するよう,グレアを抑制することが望ましい。
屋内における不快グレアは、一般には輝度が高い照明器具又は窓から直接的に生じるので、抑制しなければならない。減能グレアは、屋外照明によくあり、比較的暗い屋内のスポットライト及び窓のような面積が大きく輝度が高い光源からも生じるが、屋内においては、不快グレアを抑制すれば、大きな問題としなくてもよい。
※ JIS Z 9125:2007「屋内作業場の照明基準」より
ハ 適切である。情報機器作業ガイドラインの4の(1)のロに、「ディスプレイ画面の明るさ、書類及びキーボード面における明るさと周辺の明るさの差はなるべく小さくすること
」とされている。
【間接照明とグレア】
4 作業環境管理
(1)照明及び採光
イ (略)
ロ ディスプレイを用いる場合の書類上及びキーボード上における照度は 300 ルクス以上とし、作業しやすい照度とすること。
また、ディスプレイ画面の明るさ、書類及びキーボード面における明るさと周辺の明るさの差はなるべく小さくすること。
ハ~ホ (略)
※ 厚生労働省「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」(基発0712第3号令和元年7月12日:最終改正令和3年12月1日基発1201第7号)より
ニ 適切である。情報機器作業ガイドラインの5の(1)のロは、一連続作業時間は1時間以内とし、一連続作業時間内において1~2回程度の小休止を設けるとしている。
【間接照明とグレア】
5 作業管理
(1)作業時間等
イ (略)
ロ 一連続作業時間及び作業休止時間
一連続作業時間が1時間を超えないようにし、次の連続作業までの間に 10 分~ 15 分の作業休止時間を設け、かつ、一連続作業時間内において1回~2回程度の小休止を設けるよう指導すること。
ハ (略)
※ 厚生労働省「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」(基発0712第3号令和元年7月12日:最終改正令和3年12月1日基発1201第7号)より





