労働衛生コンサルタント試験 2024年 労働衛生関係法令 問07

計画の届出(危険有害業務に係る機械等)




問題文
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2人で受験勉強する医療関係者

※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、2024年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生関係法令」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更する(号番号等を除く)などの修正を行いました。

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2024年度(令和6年度) 問07 難易度 計画の届出に関する問題は、2022 年度以来2年ぶりの出題だが、かなりの難問だった。
計画の届け出  5 

※ 難易度は本サイトが行ったアンケート結果の正答率に基づく。
5:50%未満 4:50%以上60%未満 3:60%以上70%未満 2:70%以上80%未満 1:80%以上

問7 次のイ~二の機械等のうち、設置しようとするとき、労働安全衛生法令に基づき、その計画を所轄労働基準監督署長に届け出なければならないもののみを全て挙げたものは(1)~(5)のうちどれか。

ただし、所轄労働基準監督署長による計画の届出の免除認定を受けていないものとする。

イ 石綿等の粉じんが発散する屋内作業場に設ける発散抑制の設備

ロ 事務所に設置される空気調和設備で中央管理方式のもの

ハ ダイオキシン類を発生するおそれのある廃棄物の焼却施設に設置する廃棄物焼却炉

ニ 塩酸を含有する排液を中和方式により処理する排液処理装置

(1) イ  ロ  ハ  ニ

(2) イ  ロ  ハ

(3) イ  ロ  ニ

(4) イ  ハ  ニ

(5) ロ  ニ

正答(3)

【解説】

問7試験結果

試験解答状況
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本問は、過去問にもほとんど類例がなかったこともあるのか、正答できた受験者はほとんどいなかった。ロの「事務所に設置される空気調和設備で中央管理方式のもの」については、他の肢の機械等に比べて労働者への健康影響のリスクが低いため、これが届け出の対象になるとは思われなかったものであろう。

安衛法第 88 条第1項により設置届が必要となる機械等は、安衛則第 85 条により安衛則別表第七の上欄に掲げる機械等とされている。従って、別表第七の上欄に定められているものが本問の正答となる。

イ 正しい。安衛則別表第七第二十五号に定められている。

ロ 正しい。安衛則別表第七第二十二号に定められている。

ハ 誤り。本肢のダイオキシン類を発生するおそれのある廃棄物の焼却施設に設置する廃棄物焼却炉は、安衛則別表第七に定められていない。

なお、ダイオキシン類を発生するおそれのある廃棄物の焼却施設に設置する廃棄物焼却炉は、安衛法第 88 条第3項の規定(安衛則第 90 条第五号の四)により、解体等の仕事をするにあたって、監督署長への届け出が必要となる。

ニ 正しい。安衛則別表第七第二十号(及び特化則第 11 条)に定められている。

【労働安全衛生法】

(計画の届出等)

第88条 事業者は、機械等で、危険若しくは有害な作業を必要とするもの、危険な場所において使用するもの又は危険若しくは健康障害を防止するため使用するもののうち、厚生労働省令で定めるものを設置し、若しくは移転し、又はこれらの主要構造部分を変更しようとするときは、その計画を当該工事の開始の日の30日前までに、厚生労働省令で定めるところにより、労働基準監督署長に届け出なければならない。ただし、第28条の2第1項に規定する措置その他の厚生労働省令で定める措置を講じているものとして、厚生労働省令で定めるところにより労働基準監督署長が認定した事業者については、この限りでない。

 (略)

 事業者は、建設業その他政令で定める業種に属する事業の仕事(建設業に属する事業にあつては、前項の厚生労働省令で定める仕事を除く。)で、厚生労働省令で定めるものを開始しようとするときは、その計画を当該仕事の開始の日の14日前までに、厚生労働省令で定めるところにより、労働基準監督署長に届け出なければならない。

4~7 (略)

【労働安全衛生規則】

(計画の届出をすべき機械等)

第85条 法第88条第1項の厚生労働省令で定める機械等は、法に基づく他の省令に定めるもののほか、別表第七の上欄に掲げる機械等とする。ただし、別表第七の上欄に掲げる機械等で次の各号のいずれかに該当するものを除く。

一及び二 (略)

第85条 法第88条第1項の厚生労働省令で定める機械等は、法に基づく他の省令に定めるもののほか、別表第七の上欄に掲げる機械等とする。ただし、別表第七の上欄に掲げる機械等で次の各号のいずれかに該当するものを除く。

一~五の三 (略)

五の四 ダイオキシン類対策特別措置法施行令別表第一第五号に掲げる廃棄物焼却炉(火格子面積が2平方メートル以上又は焼却能力が1時間当たり200キログラム以上のものに限る。)を有する廃棄物の焼却施設に設置された廃棄物焼却炉、集じん機等の設備の解体等の仕事

六及び七 (略)

別表第七 (第八十五条、第八十六条関係)

機械等の種類 事項 図面等
(略) (略) (略)

二十 特化則第11条第1項の排液処理装置

(略) (略)
(略) (略) (略)

二十二 事務所衛生基準規則(昭和47年労働省令第43号)第5条の空気調和設備又は機械換気設備で中央管理方式のもの

(略) (略)
(略) (略) (略)

二十五 石綿等の粉じんが発散する屋内作業場に設ける発散抑制の設備

(略) (略)

【特定化学物質障害予防規則】

(排液処理)

第11条 法第88条第1項の厚生労働省令で定める機械等は、法に基づく他の省令に定めるもののほか、別表第七の上欄に掲げる機械等とする。ただし、別表第七の上欄に掲げる機械等で次の各号のいずれかに該当するものを除く。

処理方式
(略) (略)
塩酸 中和方式
(略) (略)

2及び3 (略)

2025年04月20日執筆