問1 常時使用する労働者が600人で、有害な業務として著しく寒冷な場所における業務のみに常時40人の労働者を従事させている製造業の事業場の安全衛生管理体制に関する次の文中の A ~ D に入る数値又は語句の組合せとして、労働安全衛生法令上、正しいものは(1)~(5)のうちどれか。
ただし、衛生管理者の選任の特例はないものとする。
事業者は、衛生管理者を A 人以上選任し、そのうち少なくとも1人を B としなければならない。衛生管理者は、少なくとも C 1回作業場等を巡視し、設備、作業方法又は衛生状態に有害のおそれるときは、直ちに、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならない。
また、事業者は、衛生委員会又は安全衛生委員会(以下「委員会」という。)を毎月1回以上開催するようにしなければならず、委員会の開催の都度、委員会の意見及び当該意見を踏まえて講じた措置の内容等所定の事項を記録し、これを D 年間保存しなければならない。
A | B | C | D | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
(1) | 2 | 専任の衛生管理者 | 毎月 | 5 | |||
(2) | 2 | 衛生工学衛生管理者免許を有する者 | 毎週 | 3 | |||
(3) | 3 | 専任の衛生管理者 | 毎週 | 3 | |||
(4) | 3 | 衛生工学衛生管理者免許を有する者 | 毎週 | 2 | |||
(5) | 3 | 衛生工学衛生管理者免許を有する者 | 毎月 | 5 |
※ イメージ図(©photoAC)
このページは、2023年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生関係法令」問題の解説と解答例を示しています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。
他の問題の解説をご覧になる場合は、「下表の左欄」、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」又は「パンくずリスト」をご利用ください。
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2023年度(令和5年度) | 問01 | 難易度 | 総括安全衛生管理者及び産業医は基本中の基本。本問は正答できる必要がある。 |
---|---|---|---|
労働安全衛生管理体制 | 1 |
※ 難易度は本サイトが行ったアンケート結果の正答率に基づく。
5:50%未満 4:50%以上60%未満 3:60%以上70%未満 2:70%以上80%未満 1:80%以上
問1 常時使用する労働者が600人で、有害な業務として著しく寒冷な場所における業務のみに常時40人の労働者を従事させている製造業の事業場の安全衛生管理体制に関する次の文中の A ~ D に入る数値又は語句の組合せとして、労働安全衛生法令上、正しいものは(1)~(5)のうちどれか。
ただし、衛生管理者の選任の特例はないものとする。
事業者は、衛生管理者を A 人以上選任し、そのうち少なくとも1人を B としなければならない。衛生管理者は、少なくとも C 1回作業場等を巡視し、設備、作業方法又は衛生状態に有害のおそれるときは、直ちに、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならない。
また、事業者は、衛生委員会又は安全衛生委員会(以下「委員会」という。)を毎月1回以上開催するようにしなければならず、委員会の開催の都度、委員会の意見及び当該意見を踏まえて講じた措置の内容等所定の事項を記録し、これを D 年間保存しなければならない。
A | B | C | D | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
(1) | 2 | 専任の衛生管理者 | 毎月 | 5 | |||
(2) | 2 | 衛生工学衛生管理者免許を有する者 | 毎週 | 3 | |||
(3) | 3 | 専任の衛生管理者 | 毎週 | 3 | |||
(4) | 3 | 衛生工学衛生管理者免許を有する者 | 毎週 | 2 | |||
(5) | 3 | 衛生工学衛生管理者免許を有する者 | 毎月 | 5 |
正答(3)
【解説】
本年の労働衛生法令は、最初の問題から正答数が 90 %を超えた。また、全体として例年よりも正答率が高くなっている。
まず、安衛則第7条第1項第四号により、Aは3人となる。
次に同項第五号ロにより、Bは専任の衛生管理者となる。
また、安衛則第 11 条第1項よりCは毎週となる。
最後に、安衛則第23条第4項によりDは3年間となる。
【労働安全衛生法】
(衛生管理者)
第12条 事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、都道府県労働局長の免許を受けた者その他厚生労働省令で定める資格を有する者のうちから、厚生労働省令で定めるところにより、当該事業場の業務の区分に応じて、衛生管理者を選任し(中略)なければならない。
2 (略)
(衛生委員会)
第18条 事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、次の事項を調査審議させ、事業者に対し意見を述べさせるため、衛生委員会を設けなければならない。
一~四 (略)
2~4 (略)
【労働安全衛生法施行令】
(衛生管理者を選任すべき事業場)
第4条 法第12条第1項の政令で定める規模の事業場は、常時50人以上の労働者を使用する事業場とする。
【労働安全衛生規則】
(衛生管理者の選任)
第7条 法第12条第1項の規定による衛生管理者の選任は、次に定めるところにより行わなければならない。
一~三 (略)
四 次の表の上欄に掲げる事業場の規模に応じて、同表の下欄に掲げる数以上の衛生管理者を選任すること。
事業場の規模 (常時使用する労働者数) |
衛生管理者数 |
---|---|
50人以上200以下 | 1人 |
200人を超え500人以下 | 2人 |
500人を超え1,000人以下 | 3人 |
1,000人を超え2,000人以下 | 4人 |
2,000人を超え3,000人以下 | 5人 |
3,000人を超える場合 | 6人 |
五 次に掲げる事業場にあつては、衛生管理者のうち少なくとも1人を専任の衛生管理者とすること。
イ 常時千人を超える労働者を使用する事業場
ロ 常時五百人を超える労働者を使用する事業場で、坑内労働又は労働基準法施行規則(略)第18条各号に掲げる業務に常時30人以上の労働者を従事させるもの
六 (略)
2 (略)
(衛生管理者の定期巡視及び権限の付与)
第11条 衛生管理者は、少なくとも毎週一回作業場等を巡視し、設備、作業方法又は衛生状態に有害のおそれがあるときは、直ちに、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならない。
2 (略)
(委員会の会議)
第23条 (第1項~第3項 略)
4 事業者は、委員会の開催の都度、次に掲げる事項を記録し、これを3年間保存しなければならない。
一 委員会の意見及び当該意見を踏まえて講じた措置の内容
二 前号に掲げるもののほか、委員会における議事で重要なもの
5 (略)