労働衛生コンサルタント試験 2022年 労働衛生関係法令 問11

放射線業務従事者の被ばく限度




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※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、2022年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生関係法令」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

 他の問題の解説をご覧になる場合は、「下表の左欄」、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」又は「パンくずリスト」をご利用ください。

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2022年度(令和4年度) 問11 難易度 放射線の被ばく限度は基本中の基本である。正答できなければならない問題。
電離放射線被ばく限度

※ 難易度は本サイトが行ったアンケート結果の正答率に基づく。
5:50%未満 4:50%以上60%未満 3:60%以上70%未満 2:70%以上80%未満 1:80%以上

問11 放射線業務従事者の被ばく限度に関する次の文中の A  D に入る語句又は数値の組合せとして、電離放射線障害防止規則上、正しいものは(1)~(5)のうちどれか。

事業者は、管理区域内において女性の放射線業務従事者(妊娠する可能性が無いと診断されたもの及び妊娠と診断されたものを除く。)の受ける A については、 B 間につき C ミリシーベルトを超えないようにしなければならない。

事業者は、妊娠と診断された女性の放射線業務従事者の妊娠中に受ける線量が、内部被ばくによる A については1ミリシーベルトを、腹部表面に受ける D については、2ミリシーベルトを、それぞれ超えないようにしなければならない。

(1) 実効線量 3か月 等価線量
(2) 実効線量 6か月 20 等価線量
(3) 実効線量 1年 10 等価線量
(4) 等価線量 3か月 実効線量
(5) 等価線量 1年 10 実効線量

正答(1)

【解説】

問11試験結果

試験解答状況
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電離則の被ばく限度は覚えておかなければならない。それを覚えておけば、(1)と(4)のいずれかが正しいと分かる。

実効線量とは、人体の各組織・臓器が受けた等価線量に、それぞれの組織・臓器の組織加重係数を乗じて、これらを合計したものである。一方、等価線量とは、人体の特定の組織・臓器が受けた吸収線量に、放射線の種類及びエネルギーに応じて定められた放射線加重係数を乗じたものである。

そのことが分かっていれば、(4)と(5)は誤りだと分かる。

 A は、電離則第4条第2項により実効線量となる。

 B は、電離則第4条第2項により3か月となる。

 C は、電離則第4条第2項によりとなる。

 D は、電離則第6条第二号により等価線量となる。

【電離放射線障害防止規則】

(放射線業務従事者の被ばく限度)

第4条 事業者は、管理区域内において放射線業務に従事する労働者(以下「放射線業務従事者」という。)の受ける実効線量が5年間につき100ミリシーベルトを超えず、かつ、1年間につき50ミリシーベルトを超えないようにしなければならない。

 事業者は、前項の規定にかかわらず、女性の放射線業務従事者(妊娠する可能性がないと診断されたもの及び第6条に規定するものを除く。)の受ける実効線量については、3月間につきミリシーベルトを超えないようにしなければならない。

第6条 事業者は、妊娠と診断された女性の放射線業務従事者の受ける線量が、妊娠と診断されたときから出産までの間(以下「妊娠中」という。)につき次の各号に掲げる線量の区分に応じて、それぞれ当該各号に定める値を超えないようにしなければならない。

 内部被ばくによる実効線量については、1ミリシーベルト

 腹部表面に受ける等価線量については、2ミリシーベルト

 (略)

2022年11月27日執筆 2024年10月22日省令改正に対応