労働衛生コンサルタント試験 2022年 労働衛生関係法令 問04

作業環境測定の対象となる作業場




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※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、2022年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生関係法令」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2022年度(令和4年度) 問04 難易度 作業環境測定に関するやや細かな知識問題である。やや難問であったか。
作業環境測定

※ 難易度は本サイトが行ったアンケート結果の正答率に基づく。
5:50%未満 4:50%以上60%未満 3:60%以上70%未満 2:70%以上80%未満 1:80%以上

問4 次のイ~ホの作業場のうち、労働安全衛生法令に基づき作業環境測定をおこなわなければならない作業場に該当するもののみを全て挙げたものは(1)~(5)のうちどれか。

イ チッパーによりチップする業務を行う屋内作業

ロ 冷蔵庫で労働者がその内部で作業を行うもの

ハ アンモニアを取り扱う屋内作業

ニ 海水が滞留したことのあるピットの内部において作業を行う場合の当該作業場

ホ 鋼材をガス溶断する作業を行う屋内作業場

(1)イ ロ ニ

(2)イ ハ ニ

(3)ロ ハ

(4)ロ ホ

(5)ニ ホ

正答(1)

【解説】

問4試験結果

試験解答状況
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本問は、安衛令第 21 条に掲げる作業場に該当するかどうかという設問である。

イ 行う必要がある。チッパーによりチップする業務を行う屋内作業は、安衛令第 21 条第三号(安衛則第 588 条第七号)に該当する。

【労働安全衛生法】

(作業環境測定)

第65条 事業者は、有害な業務を行う屋内作業場その他の作業場で、政令で定めるものについて、厚生労働省令で定めるところにより、必要な作業環境測定を行い、及びその結果を記録しておかなければならない。

2~5 (略)

【労働安全衛生法施行令】

(作業環境測定を行うべき作業場)

第21条 法第65条第1項の政令で定める作業場は、次のとおりとする。

一及び二 (略)

 著しい騒音を発する屋内作業場で、厚生労働省令で定めるもの

四~十 (略)

【労働安全衛生規則】

第588条 令第21条第三号の厚生労働省令で定める著しい騒音を発する屋内作業場は、次のとおりとする。

一~六 (略)

 チツパーによりチツプする業務を行なう屋内作業場

八及び九 (略)

ロ 行う必要がある。冷蔵庫で労働者がその内部で作業を行うものは、安衛令第 21 条第二号(安衛則第 587 条第十二号)に該当する。なお、安衛令第 21 条第九号が示す別表第6の第十号は、ドライアイスを使用して冷蔵、冷凍又は水セメントのあく抜きを行つている冷蔵庫について、酸素欠乏危険場所としての作業環境測定を義務付けている。

【労働安全衛生法】

(作業環境測定)

第65条 事業者は、有害な業務を行う屋内作業場その他の作業場で、政令で定めるものについて、厚生労働省令で定めるところにより、必要な作業環境測定を行い、及びその結果を記録しておかなければならない。

2~5 (略)

【労働安全衛生法施行令】

(作業環境測定を行うべき作業場)

第21条 法第65条第1項の政令で定める作業場は、次のとおりとする。

 (略)

 暑熱、寒冷又は多湿の屋内作業場で、厚生労働省令で定めるもの

三~八 (略)

 別表第六に掲げる酸素欠乏危険場所において作業を行う場合の当該作業場

 (略)

別表第六 酸素欠乏危険場所(第六条、第二十一条関係)

一~九 (略)

 ドライアイスを使用して冷蔵、冷凍又は水セメントのあく抜きを行つている冷蔵庫、冷凍庫、保冷貨車、保冷貨物自動車、船倉又は冷凍コンテナーの内部

十一~十二 (略)

【労働安全衛生規則】

第587条 令第21条第二号の厚生労働省令で定める暑熱、寒冷又は多湿の屋内作業場は、次のとおりとする。

一~十一 (略)

十二 冷蔵庫、製氷庫、貯氷庫又は冷凍庫等で、労働者がその内部で作業を行なうもの

十三~十六 (略)

ハ 行う必要はない。アンモニアは第三類物質であり、安衛令第 21 条第七号に該当しない。従って作業環境測定の対象ではない。

【労働安全衛生法】

(作業環境測定)

第65条 事業者は、有害な業務を行う屋内作業場その他の作業場で、政令で定めるものについて、厚生労働省令で定めるところにより、必要な作業環境測定を行い、及びその結果を記録しておかなければならない。

2~5 (略)

【労働安全衛生法施行令】

(作業環境測定を行うべき作業場)

第21条 法第65条第1項の政令で定める作業場は、次のとおりとする。

一~六 (略)

 別表第三第一号若しくは第二号に掲げる特定化学物質(同号34の2に掲げる物及び同号37に掲げる物で同号34の2に係るものを除く。)を製造し、若しくは取り扱う屋内作業場(同号3の3、11の2、13の2、15、15の2、18の2から18の4まで、19の2から19の4まで、22の2から22の5まで、23の2、33の2若しくは34の3に掲げる物又は同号37に掲げる物で同号3の3、11の2、13の2、15、15の2、18の2から18の4まで、19の2から19の4まで、22の2から22の5まで、23の2、33の2若しくは34の3に係るものを製造し、又は取り扱う作業で厚生労働省令で定めるものを行うものを除く。)、石綿等を取り扱い、若しくは試験研究のため製造する屋内作業場若しくは石綿分析用試料等を製造する屋内作業場又はコークス炉上において若しくはコークス炉に接してコークス製造の作業を行う場合の当該作業場

八~十 (略)

別表第三 特定化学物質(第六条、第九条の三、第十七条、第十八条、第十八条の二、第二十一条、第二十二条関係)

 第一類物質

1~8 (略)

 第二類物質

1~37 (略)

 第三類物質

 アンモニア

2~9 (略)

ニ 行う必要がある。海水が滞留したことのあるピットの内部において作業を行う場合の当該作業場は、安衛令第 21 条第九号(安衛令別表第6第三号の三)に該当する。

【労働安全衛生法】

(作業環境測定)

第65条 事業者は、有害な業務を行う屋内作業場その他の作業場で、政令で定めるものについて、厚生労働省令で定めるところにより、必要な作業環境測定を行い、及びその結果を記録しておかなければならない。

2~5 (略)

【労働安全衛生法施行令】

(作業環境測定を行うべき作業場)

第21条 法第65条第1項の政令で定める作業場は、次のとおりとする。

一~八 (略)

 別表第六に掲げる酸素欠乏危険場所において作業を行う場合の当該作業場

 (略)

別表第六 酸素欠乏危険場所(第六条、第二十一条関係)

一~三の二 (略)

三の三 海水が滞留しており、若しくは滞留したことのある熱交換器、管、暗きよ、マンホール、溝若しくはピツト(以下この号において「熱交換器等」という。)又は海水を相当期間入れてあり、若しくは入れたことのある熱交換器等の内部

四~十二 (略)

ホ 行う必要はない。粉じん則第 25 条は作業環境測定を行うべき作業場は、常時特定粉じん作業が行われる作業場としている。特定粉じん作業とは、粉じん則第2条(第三号)により、粉じん発生源が粉じん則別表第二に掲げられた粉じん作業のことである。

粉じん則別表第二には、「鋼材をガス溶断する作業を行う屋内作業場」は含まれない。従って、鋼材をガス溶断する作業を行う屋内作業場は、安衛令第 21 条第一号に該当しない。

【労働安全衛生法】

(作業環境測定)

第65条 事業者は、有害な業務を行う屋内作業場その他の作業場で、政令で定めるものについて、厚生労働省令で定めるところにより、必要な作業環境測定を行い、及びその結果を記録しておかなければならない。

2~5 (略)

【労働安全衛生法施行令】

(作業環境測定を行うべき作業場)

第21条 法第65条第1項の政令で定める作業場は、次のとおりとする。

 土石、岩石、鉱物、金属又は炭素の粉じんを著しく発散する屋内作業場で、厚生労働省令で定めるもの

二~十 (略)

【粉じん障害防止規則】

(定義等)

第2条 この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

 (略)

 特定粉じん発生源別表第二に掲げる箇所をいう。

 特定粉じん作業粉じん作業のうち、その粉じん発生源が特定粉じん発生源であるものをいう。

別表第一 (第二条、第三条関係)

一~十九 (略)

二十 屋内、坑内又はタンク、船舶、管、車両等の内部において、金属を溶断し、又はアークを用いてガウジングする作業

二十の二~二十三 (略)

別表第二 (第二条、第四条、第十条、第十一条関係)

一~十五 (本肢のような記述はない)

2022年11月26日執筆 2024年09月30日改訂