問23 身体への負担を軽減するための作業方法に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
(1)人力による重量物の持上げ作業は、取り扱う物の重量値を制限するだけではなく、負担の軽い作業と組み合わせる。
(2)全体照明に加えて局所照明を併用する場合、適切なカバーの付いた局所照明器具を、労働者にグレアや邪魔になる影をもたらさない位置に置く。
(3)精密作業の休憩は、短く頻繁にとるのではなく、間を空けて1回の休憩で長い時間とれるように設定する。
(4)反復的に操作する足踏みペダルは、片方の足だけではなく、もう片方の足でも操作できるようにする。
(5)製造工程における製品や資材の移動は、持ち上げたり下ろしたりする動作をできるだけ減らし、押したり引いたりする動作に変更する。
※ イメージ図(©photoAC)
このページは、2022年の労働衛生コンサルタント試験の「労働衛生一般」の問題の解説と解答例を示しています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等を削除した場合があります。
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2022年度(令和04年度) | 問23 | 難易度 | 作業姿勢は、例年、根拠の不明な問題が多いが、今年も同様である。ただ、正答率は高かった。 |
---|---|---|---|
作業負担を軽減する作業 | 1 |
※ 難易度は本サイトが行ったアンケート結果の正答率に基づく。
5:50%未満 4:50%以上60%未満 3:60%以上70%未満 2:70%以上80%未満 1:80%以上
問23 身体への負担を軽減するための作業方法に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
(1)人力による重量物の持上げ作業は、取り扱う物の重量値を制限するだけではなく、負担の軽い作業と組み合わせる。
(2)全体照明に加えて局所照明を併用する場合、適切なカバーの付いた局所照明器具を、労働者にグレアや邪魔になる影をもたらさない位置に置く。
(3)精密作業の休憩は、短く頻繁にとるのではなく、間を空けて1回の休憩で長い時間とれるように設定する。
(4)反復的に操作する足踏みペダルは、片方の足だけではなく、もう片方の足でも操作できるようにする。
(5)製造工程における製品や資材の移動は、持ち上げたり下ろしたりする動作をできるだけ減らし、押したり引いたりする動作に変更する。
正答(3)
【解説】
作業姿勢に関する問題は、例年、きわめて細かい内容の出題がされ、公的な文書に根拠が見いだせないものが多い。今年も同様である。
(1)正しい。厚生労働省の「職場における腰痛予防対策指針及び解説」の指針の別紙(作業態様別の対策)の5に「取り扱う物の重量、取り扱う頻度、運搬距離、運搬速度など、作業による負荷に応じて、小休止・休息をとり、また他の軽作業と組み合わせる等により、連続した重量物取扱い時間を軽減すること。
」とされている。
(2)正しい。当然のことであろう。
(3)誤り。(1)に示した「職場における腰痛予防対策指針及び解説」に「精密作業」についての記述はない。休憩については「適宜、休憩時間を設け、その時間には姿勢を変えるようにすること。作業時間中にも、小休止・休息が取れるようにすること
」とされているのみである。ただ、常識的には、誤った肢であろう。
(4)正しい。身体の右側だけ、左側だけを使用するより、両側を使用する方が作業負担は軽減される。本肢について、科学的な根拠となる公的な文書や、学術論文は探せていないが、常識的には正しいであろう。
(5)正しいとしておく。(1)に示した「職場における腰痛予防対策指針及び解説」の解説の「2 作業管理について」の(2)のホに「「腰部に負担のかかる動作」には、物を持ち上げる・引く・押す、身体を曲げる・ひねる等の動作がある
」とされており、本肢のような記述はない。しかし、常識的には正しいであろう。