労働衛生コンサルタント試験 2022年 労働衛生一般 問22

GHSに基づく有害性の意義




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※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、2022年の労働衛生コンサルタント試験の「労働衛生一般」の問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等を削除した場合があります。

 他の問題の解説をご覧になる場合は、「下表の左欄」、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」又は「パンくずリスト」をご利用ください。

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2022年度(令和04年度) 問22 難易度 GHSの有害性の意義の問題は2012年以来だが、やや高度な知識問題。合否を分けるレベルか。
GHSの有害性の意義

※ 難易度は本サイトが行ったアンケート結果の正答率に基づく。
5:50%未満 4:50%以上60%未満 3:60%以上70%未満 2:70%以上80%未満 1:80%以上

問22 「化学品の分類及び表示に関する世界調和システム(GHS)」における有害性の項目に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1)皮膚腐食性とは、化学品の4時間以内の皮膚接触で、皮膚に可逆的な損傷を発生させる性質をいう。

(2)呼吸器感作性とは、化学品の吸入によって気道過敏症を引き起こす性質をいう。

(3)生殖細胞変異原性とは、雌雄の成体の生殖機能及び受精能力に対し悪影響を及ぼす性質及び子の発生に対し悪影響を及ぼす性質をいう。

(4)発がん性とは、細胞の集団又は生物体における突然変異の発生率を増大させる性質をいう。

(5)誤えん有害性とは、液体文は固体の化学品が誤って食道に入ることによって消化器に損傷を引き起こす性質をいう。

正答(2)

【解説】

問22試験結果

試験解答状況
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有害性の項目についての詳細は「政府向け GHS 分類ガイダンス」の令和元年度改訂版(Ver. 2.0)「3.3 健康有害性の分類」に詳細な記述がある。

(1)誤り。皮膚腐食性とは、化学品の4時間以内の皮膚接触で、皮膚に可逆的な損傷を発生させる性質をいう。本肢の化学品の4時間以内の皮膚接触で、皮膚に可逆的な損傷を発生させる性質は皮膚刺激性である。

不可逆的な損傷を発生させる性質は腐食性、可逆的な損傷を発生させる性質は刺激性と覚えておこう。

(2)正しい。呼吸器感作性とは、化学品の吸入によって気道過敏症を引き起こす性質をいう。

(3)誤り。生殖細胞変異原性とは、次世代に受け継がれる可能性のある突然変異を誘発する性質である。雌雄の成体の生殖機能及び受精能力に対し悪影響を及ぼす性質及び子の発生に対し悪影響を及ぼす性質は生殖毒性である。

(4)誤り。発がん性とは、がんを誘発させる性質、又はその発生率を増大させる性質である。細胞の集団又は生物体における突然変異の発生率を増大させる性質は変異原性である。

(5)誤えん有害性とは、誤えんの後、化学肺炎若しくは種々の程度の肺損傷を引き起こす性質、又は死亡のような重篤な急性の作用を引き起こす性質である。そもそも誤嚥とは、液体文は固体の化学品が誤って気道に入ることである。

2022年12月10日執筆