問17 トルエン、キシレン、メチルエチルケトン含有と表示されているシンナーを使用している単位作業場所の作業環境測定で、併行測定点において直接捕集法で採取した試料空気をトルエン用検知管で測定して6ppmの指示値を得た。
一方、同じ試料をガスクロマトグラフ法で分析した結果は、トルエン4ppm、キシレン3ppm、メチルエチルケトン2ppmであった。
混合物の管理濃度に相当する値を1としたとき、換算値変換係数[ppm-1]は次のうちどれか。
ただし、各物質の管理濃度の値は、トルエン20ppm、キシレン50ppm、メチルエチルケトン200ppmである。
(1)0.27
(2)0.2
(3)0.045
(4)0.033
(5)0.0135
※ イメージ図(©photoAC)
このページは、2022年の労働衛生コンサルタント試験の「労働衛生一般」の問題の解説と解答例を示しています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等を削除した場合があります。
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2022年度(令和04年度) | 問17 | 難易度 | 作業環境測定の問題は、例年、難問が多い。本年の問題は2012年以来初出。棄て問と割り切ってもよいか。 |
---|---|---|---|
換算値変換係数 | 5 |
※ 難易度は本サイトが行ったアンケート結果の正答率に基づく。
5:50%未満 4:50%以上60%未満 3:60%以上70%未満 2:70%以上80%未満 1:80%以上
問17 トルエン、キシレン、メチルエチルケトン含有と表示されているシンナーを使用している単位作業場所の作業環境測定で、併行測定点において直接捕集法で採取した試料空気をトルエン用検知管で測定して6ppmの指示値を得た。
一方、同じ試料をガスクロマトグラフ法で分析した結果は、トルエン4ppm、キシレン3ppm、メチルエチルケトン2ppmであった。
混合物の管理濃度に相当する値を1としたとき、換算値変換係数[ppm-1]は次のうちどれか。
ただし、各物質の管理濃度の値は、トルエン20ppm、キシレン50ppm、メチルエチルケトン200ppmである。
(1)0.27
(2)0.2
(3)0.045
(4)0.033
(5)0.0135
正答(3)
【解説】
今年の衛生一般の問題は、ほとんど常識問題のようなレベルと誰も解けないようなレベルが混じっている。
本問は、正答率が低く、難易度が異常に高い。そもそも衛生管理についての専門家である衛生コンサルタントが、換算値の算出方法はともかくとして、換算値変換係数の算出方法まで知っている必要があるのだろうか。
衛生コンサルタントの能力を試す試験の問題として適切なものか疑問を感じざるを得ない。
換算値変換係数の算定は次のように行う。まず、次式によって換算値を算出する。
換算値 = Σ(各有機溶剤の測定値/各有機溶剤の管理濃度)
= 4/20+3/50+2/200=0.2+0.06+0.01=0.27
次に、次式によって換算値変換係数を算出すればよい。
換算値変換係数[ppm]=併行測定点における換算値/併行測定点における検知管の指示値[ppm]
=0.27/6=0.045