問15 加齢による機能の変化に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)筋力の指標である握力は、体力の他の要素に比べてピークに達する年齢が遅い。
(2)男性においても更年期は存在し、テストステロン分泌が低下する時期をいう。
(3)視覚における調節力は、25歳頃から65歳頃まで徐々に低下を続ける。
(4)老人性難聴は、伝音性難聴であり、高音域の聴力から低下することが特徴である。
(5)加齢による内耳の機能の低下に伴い、平衡感覚は低下する。
※ イメージ図(©photoAC)
このページは、2022年の労働衛生コンサルタント試験の「労働衛生一般」の問題の解説と解答例を示しています。
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2022年度(令和04年度) | 問15 | 難易度 | 加齢による機能低下は過去問もあるが、本問の正答率は低かった。 |
---|---|---|---|
加齢による機能低下 | 5 |
※ 難易度は本サイトが行ったアンケート結果の正答率に基づく。
5:50%未満 4:50%以上60%未満 3:60%以上70%未満 2:70%以上80%未満 1:80%以上
問15 加齢による機能の変化に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)筋力の指標である握力は、体力の他の要素に比べてピークに達する年齢が遅い。
(2)男性においても更年期は存在し、テストステロン分泌が低下する時期をいう。
(3)視覚における調節力は、25歳頃から65歳頃まで徐々に低下を続ける。
(4)老人性難聴は、伝音性難聴であり、高音域の聴力から低下することが特徴である。
(5)加齢による内耳の機能の低下に伴い、平衡感覚は低下する。
正答(4)
【解説】
(1)正しい。文部科学省の「体力・運動能力に関する調査結果」によれば、握力は、男子が35~39歳、女子が40~44歳でピークに達する傾向がある。
これに対し、状態起こしは男女とも17歳、長座体前屈は男女とも17歳、反復横とびは男子19歳、女子14~19歳、20mシャトルランは男子14歳、女子13歳、立ち幅とびは男子19歳、女子14~19歳、50m走は男子17歳、女子14歳でピークを迎える。
(2)正しい。男性更年期障害は、LOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群)とも呼ばれ、テストステロンの減少による疾病とされている。
(3)正しいとしておく。視覚における調節力は、幼児期から徐々に低下を続ける。65歳以降も低下する。かなり疑問はあるが、(4)が明らかに誤っているのでこちらは正しいとしておく。
(4)誤り。老人性難聴は、感音性難聴である。なお、老人性難聴が(感音性難聴が、ではない)高音域の聴力から低下することは正しい。
難聴の種類 | 定義 | 原因 | 治療等 |
---|---|---|---|
伝音性難聴 | 外耳道、鼓膜、耳小骨など伝音系の障害による難聴 | 主な原因は、慢性中耳炎や滲出性中耳炎など中耳の疾患 | 音を大きくする補聴器によって音を聞くことができるようになる。 |
感音性難聴 | 蝸牛から中枢神経系(聴神経)、聴皮質に至るまでの障害による難聴 |
● 老人性難聴 ● 騒音性難聴 ● 薬品(ストレプトマイシンなど) |
治療による回復は難しく、補聴器によって聴力を補うことも困難である。 |
また、混合性難聴という、伝音性難聴と感音性難聴の双方の機能障害が重なる難聴もみられる。(なお、衛生管理者試験の2018年10月公表問題問16の(2)に騒音性難聴について問われたことがあった。)
(5)正しい。加齢による内耳の機能の低下に伴い、平衡感覚は低下する。