労働衛生コンサルタント試験 2021年 労働衛生関係法令 問11

高気圧作業安全衛生規則




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 このページは、2021年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生関係法令」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

 他の問題の解説をご覧になる場合は、「下表の左欄」、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」又は「パンくずリスト」をご利用ください。

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2021年度(令和3年度) 問11 難易度 高圧則に関するかなり高度な知識問題である。現場で考えて正答できるようにしたい。
高気圧作業安全衛生規則

※ 難易度は本サイトが行ったアンケート結果の正答率に基づく。
5:50%未満 4:50%以上60%未満 3:60%以上70%未満 2:70%以上80%未満 1:80%以上

問11 次に掲げるイ~ニの器具について、高気圧作業安全衛生規則上、事業者が高圧作業主任者に携行させなければならないものの組合せとして、正しいものは(1)~(5)のうちどれか。

イ 携帯式の圧力計

ロ 体温計

ハ 懐中電灯

ニ 呼吸用保護具

(1)イ  ロ

(2)イ  ハ

(3)イ  ニ

(4)ロ  ハ

(5)ハ  ニ

正答(2)

【解説】

問11試験結果

試験解答状況
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高圧則第26条により、事業者は、高圧室内作業主任者に、携帯式の圧力計、懐中電灯、酸素、炭酸ガス及び有害ガスの濃度を測定するための測定器具並びに非常の場合の信号用器具を携行させなければならない。

おそらくこの条文を知っている受験生はまずいないだろうと思う。しかし、高圧室内作業なのであるから、イの携帯式の圧力計は必要だろう。そのことは、ほとんどの受験者が分かったようだ。

間違いが多かったのが、ニの呼吸用保護具である。しかし、そもそも作業主任者とは、労働者の作業を指揮したり管理したりする職務なのだ。自分だけ呼吸用保護具を持参してどうしようというのか。呼吸用保護具は高圧則第7条の4により、必要数を備えなければならない。ニは誤っていると分からなければならない。

ここまでのことが分かれば、条文を知らなくても正答できる問題なのである。

なお、ロの体温計は間違えた受験生は少なかった。高圧環境そのものはエネルギー代謝に影響しないので体温計を携行する必要性は少ない。また、本肢の体温計は水銀体温計が除かれていないが、水銀体温計は密封されたガラス管の中に水銀が封入されている器具なので、高圧下での作業場に持ち込ませることは考えにくいと気付くことはできるだろう。

【高気圧作業安全衛生規則】

(避難用具等)

第7条の4 事業者は、高圧室内業務を行うときは、呼吸用保護具、繊維ロープその他非常の場合に高圧室内作業者を避難させ、又は救出するため必要な用具を備えなければならない

(高圧室内作業主任者の携行器具)

第26条 事業者は、高圧室内作業主任者に、携帯式の圧力計、懐中電灯、酸素、炭酸ガス及び有害ガスの濃度を測定するための測定器具並びに非常の場合の信号用器具を携行させなければならない。

2021年11月05日執筆 2024年11月04日最終改訂