問4 事業者が、危険又は有害な業務に労働者を就かせるときに、当該業務に関する安全又は衛生のための特別の教育を行う必要がある業務に該当しないものは、次のうちどれか
(1)有機溶剤業務
(2)エックス線装置を用いて行う透過写真の撮影の業務
(3)石綿使用建築物等解体等作業に係る業務
(4)酸素欠乏危険場所における作業に係る業務
(5)高圧室内作業に係る業務
このページは、2021年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生関係法令」問題の解説と解答例を示しています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。
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2021年度(令和3年度) | 問04 | 難易度 | 特別教育の対象となる業務の数は、衛生関係はそれほど多くない。確実に覚えておこう。 |
---|---|---|---|
特別教育の対象業務 | 1 |
※ 難易度は本サイトが行ったアンケート結果の正答率に基づく。
5:50%未満 4:50%以上60%未満 3:60%以上70%未満 2:70%以上80%未満 1:80%以上
問4 事業者が、危険又は有害な業務に労働者を就かせるときに、当該業務に関する安全又は衛生のための特別の教育を行う必要がある業務に該当しないものは、次のうちどれか
(1)有機溶剤業務
(2)エックス線装置を用いて行う透過写真の撮影の業務
(3)石綿使用建築物等解体等作業に係る業務
(4)酸素欠乏危険場所における作業に係る業務
(5)高圧室内作業に係る業務
正答(1)
【解説】
労働安全衛生法第 59 条第3項の規定による特別教育を実施するべき業務は、安衛則第 36 条に定められている。また、詳細な規定が、各特別規則に定められている場合がある。
なお、本サイトで繰り返し述べていることであるが、有機溶剤や特定化学物質関連で「特別教育が必要である」という設問があったら、とりあえず「誤」としてよい。そして、過去 10 年間に同種問題が2題出題されている( 2019 年問 11 及び 2016 年問8)が、双方ともそのことを知っているだけで解ける問題であった。
(1)該当しない。安衛則第 36 条にも有機則にも、有機溶剤業務について特別教育を行わなければならないとは定められていない。
(2)該当する。安衛則第 36 条(第二十八号)。
【労働安全衛生法
(安全衛生教育)
第59条 (第1項及び第2項 略)
3 事業者は、危険又は有害な業務で、厚生労働省令で定めるものに労働者をつかせるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務に関する安全又は衛生のための特別の教育を行なわなければならない。
【労働安全衛生規則】
(特別教育を必要とする業務)
第36条 法第59条第3項の厚生労働省令で定める危険又は有害な業務は、次のとおりとする。
一~二十七 (略)
二十八 エツクス線装置又はガンマ線照射装置を用いて行う透過写真の撮影の業務
二十八の二~四十一 (略)
(3)該当する。安衛則第 36 条(第三十七号)の規定により、石綿使用建築物等解体等作業に係る業務に労働者を就かせるときは特別教育を行わなければならない。
そして、「石綿使用建築物等解体等作業に係る業務」とは、同規則第4条第1項によれば、「石綿等が使用されている解体等対象建築物等(前条第四項ただし書の規定により石綿等が使用されているものとみなされるものを含む。)の解体等の作業」とされている。
【労働安全衛生規則】
(特別教育を必要とする業務)
第36条 法第59条第3項の厚生労働省令で定める危険又は有害な業務は、次のとおりとする。
一~三十六 (略)
三十七 石綿障害予防規則(平成17年厚生労働省令第21号。以下「石綿則」という。)第4条第1項各号に掲げる作業に係る業務
三十八~四十一 (略)
【石綿障害予防規則】
(作業計画)
第4条 事業者は、石綿等が使用されている解体等対象建築物等(前条第5項ただし書の規定により石綿等が使用されているものとみなされるものを含む。)の解体等の作業(以下「石綿使用建築物等解体等作業」という。)を行うときは、石綿による労働者の健康障害を防止するため、あらかじめ、作業計画を定め、かつ、当該作業計画により石綿使用建築物等解体等作業を行わなければならない。
2及び3 (略)
(特別の教育)
第27条 事業者は、石綿使用建築物等解体等作業に係る業務に労働者を就かせるときは、当該労働者に対し、次の科目について、当該業務に関する衛生のための特別の教育を行わなければならない。
一~五 (略)
2 (略)
(4)該当する。安衛則 36 条(第二十六号)の規定により「令別表第六に掲げる酸素欠乏危険場所における作業」に係る業務に労働者をつかせるときは、特別教育を行わなければならない。
【労働安全衛生規則】
(特別教育を必要とする業務)
第36条 法第59条第3項の厚生労働省令で定める危険又は有害な業務は、次のとおりとする。
一~二十五 (略)
二十六 令別表第六に掲げる酸素欠乏危険場所における作業に係る業務
二十七~四十一 (略)
(5)該当する。安衛則 36 条(第二十四号の二)。なお、高圧則第 11 条第1項第六号の「高圧室内業務」の定義は同規則第1条の2第二号に定められており、安衛令第6条第1号の「高圧室内作業(潜函工法その他の圧気工法により、大気圧を超える気圧下の作業室又はシヤフトの内部において行う作業に限る。)」にかかる業務とされている。
【労働安全衛生法
(安全衛生教育)
第59条 (第1項及び第2項 略)
3 事業者は、危険又は有害な業務で、厚生労働省令で定めるものに労働者をつかせるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務に関する安全又は衛生のための特別の教育を行なわなければならない。
【労働安全衛生法施行令】
(作業主任者を選任すべき作業)
第6条 (柱書略)
一 高圧室内作業(潜函工法その他の圧気工法により、大気圧を超える気圧下の作業室又はシヤフトの内部において行う作業に限る。)
二~二十三 (略)
【労働安全衛生規則】
(特別教育を必要とする業務)
第36条 法第五十九条第三項の厚生労働省令で定める危険又は有害な業務は、次のとおりとする。
一~二十四 (略)
二十四の二 高圧室内作業に係る業務
二十五~四十一 (略)
【高気圧作業安全衛生規則】
(定義)
第1条の2 この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 (略)
二 高圧室内業務 労働安全衛生法施行令(昭和47年政令第318号。以下「令」という。)第6条第一号の高圧室内作業に係る業務をいう。
三~六 (略)
(特別の教育)
第11条 事業者は、次の業務に労働者を就かせるときは、当該労働者に対し、当該業務に関する特別の教育を行わなければならない。
一~五 (略)
六 高圧室内業務
2 (略)