問14 ホルモンとその分泌臓器及び生理作用の組合せとして、誤っているものは次のうちのうちどれか。
(ホルモン) | (分泌臓器) | (生理作用) | |||
---|---|---|---|---|---|
(1) | 成長ホルモン | 脳下垂体 | 成長促進 | ||
(2) | アドレナリン | 副腎皮質 | 心拍数増加 | ||
(3) | グルカゴン | すい臓 | 血糖値上昇 | ||
(4) | メラトニン | 松果体 | 睡眠誘導 | ||
(5) | サイロキシン | 甲状腺 | 代謝率上昇 |
このページは、2021年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生一般」問題の解説と解答例を示しています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。
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2021年度(令和3年度) | 問14 | 難易度 | ホルモンの分泌組織等に関する基本的な知識問題。しかし、過去に類問が少ないためか正答率は低い。 |
---|---|---|---|
ホルモンの分泌組織等 | 5 |
※ 難易度は本サイトが行ったアンケート結果の正答率に基づく。
5:50%未満 4:50%以上60%未満 3:60%以上70%未満 2:70%以上80%未満 1:80%以上
問14 ホルモンとその分泌臓器及び生理作用の組合せとして、誤っているものは次のうちのうちどれか。
(ホルモン) | (分泌臓器) | (生理作用) | |||
---|---|---|---|---|---|
(1) | 成長ホルモン | 脳下垂体 | 成長促進 | ||
(2) | アドレナリン | 副腎皮質 | 心拍数増加 | ||
(3) | グルカゴン | すい臓 | 血糖値上昇 | ||
(4) | メラトニン | 松果体 | 睡眠誘導 | ||
(5) | サイロキシン | 甲状腺 | 代謝率上昇 |
正答(2)
【解説】
ホルモンの分泌臓器等について、過去問は多くないが関連質問はよく出題される。国立医薬品食品衛生研究所の「主なホルモンとその作用」に一覧表がある。受験前にざっと目を通しておきたい。
本問は、正答より誤答の方が多かった。(2)の問題文の副腎皮質を副腎髄質と誤読して正しいと即断したのだろうか。
(1)正しい。成長ホルモンの分泌臓器は脳下垂体であり、その作用は「骨、筋肉等の成長促進」である。
(2)誤り。アドレナリンの分泌臓器は副腎髄質である。なお、その作用は「交感神経の刺激、グリコーゲンの糖化」であり、交感神経の刺激によって心拍数は増加する。
(3)正しい。グルカゴンの分泌臓器は膵臓のランゲルハンス島であり、その作用は「グリコーゲンの糖化」である。
(4)正しい。メラトニンの分泌臓器は松果体であり、その作用は「季節のリズムや概日リズム(サーカディアンリズム)の調節作用」である。就床前の眠気が強くなる時間帯には、メラトニンの分泌によって入眠を促されている。
(5)正しい。甲状腺ホルモンには新陳代謝の過程を刺激し促進する作用がある。甲状腺ホルモンのひとつであるサイロキシン(チロキシン)には、糖の代謝や蛋白質の合成などエネルギー代謝を促進し、また酸素消費を増大させる作用がある。
なお、総サイロキシン(T4)にはホルモンとしての作用はなく、ホルモンとして作用するのは遊離サイロキシン(FT4)である。