労働衛生コンサルタント試験 2020年 労働衛生関係法令 問06

事務室の環境管理




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合格

 このページは、2020年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生関係法令」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2020年度(令和2年度) 問06 難易度 事務所則の基本的な事項についての条文問題。過去に類問もあり、正答できなければならない。
事務室の環境管理

問6 事務室の環境管理に関し、事業者が講ずべき措置のうち、設備又は器具の点検に関する次のイ~ニの記述について、事務所衛生基準規則上、正しいものの組合せは(1)~(5)のうちどれか。

イ 労働者を常時就業させる室の照明設備について、6か月以内ごとに1回、定期に、点検しなければならない。

ロ 燃焼器具(発熱量が著しく少ないものを除く。)を使用するときは、毎日、当該器具の異常の有無を点検しなければならない。

ハ 機械による換気のための設備について、はじめて使用するとき、分解して改造又は修理を行ったとき及び3か月以内ごとに1回、定期に、異常の有無を点検しなければならない。

ニ 空気調和設備を設けている場合は、冷却塔及び冷却水について、当該冷却塔の使用開始時及び使用を開始した後、2か月以内ごとに1回、定期に、その汚れの状況を点検しなければならない。

(1)イ   ロ

(2)イ   ハ

(3)イ   ニ

(4)ロ   ハ

(5)ハ   ニ

正答(1)

【解説】

本問の各肢は、以下の各肢の解説に示したように、いずれも過去問に同種の選択肢がある。事務所則は範囲が狭いために、同じ選択肢を繰り返し使わざるを得ないのであろう。逆から言えば、過去問を解いておけば必ず正答できる分野だと言えよう。

イ 正しい。事務所則第10条第3項の規定により、労働者を常時就業させる室の照明設備について、6か月以内ごとに1回、定期に、点検しなければならない。(2015年問6の(4)に類問)

【事務所衛生基準規則】

(照度等)

第10条 (第1項及び際2項 略)

 事業者は、室の照明設備について、6月以内ごとに1回、定期に、点検しなければならない。

ロ 正しい。事務所則第6条第2項は「事業者は、燃焼器具を使用するときは、毎日、当該器具の異常の有無を点検しなければならない」としている。(2017年問5のロに類問)

また、同条第1項の規定により「燃焼器具」からは発熱量が著しく少ないものが除かれている。

燃焼器具の点検など難しいものではないし、燃焼の状態は毎日変化するおそれがあり、問題があれば一酸化炭素というきわめて有害な化学物質を発生させる恐れがある。このため、毎日点検をすることとしているものである。

【事務所衛生基準規則】

(燃焼器具)

第6条 事業者は、燃焼器具(発熱量が著しく少ないものを除く。以下同じ。)を使用する室又は箇所には、排気筒、換気扇その他の換気のための設備を設けなければならない。

 事業者は、燃焼器具を使用するときは、毎日、当該器具の異常の有無を点検しなければならない。

 (略)

ハ 誤り。事務所則第9条には、「事業者は、機械による換気のための設備について、はじめて使用するとき、分解して改造又は修理を行なつたとき、及び2月以内ごとに1回、定期に、異常の有無を点検し、その結果を記録して、これを3年間保存しなければならない」とある。従って、「3か月以内ごとに1回」点検するとしている本肢は誤りである。(2016年問6のハに類問)

【事務所衛生基準規則】

(点検等)

第9条 事業者は、機械による換気のための設備について、はじめて使用するとき、分解して改造又は修理を行なつたとき、及び2月以内ごとに1回、定期に、異常の有無を点検し、その結果を記録して、これを3年間保存しなければならない。

ニ 誤り。事務所則第9条の2(第二号)により、空気調和設備を設けている場合は、冷却塔及び冷却水について、当該冷却塔の使用開始時及び使用を開始した後、1か月以内ごとに1回、定期に、その汚れの状況を点検しなければならない。2か月以内ごとに1回では足りない。(2018年問6のハに類問)

【事務所衛生基準規則】

第9条の2 事業者は、空気調和設備を設けている場合は、病原体によって室の内部の空気が汚染されることを防止するため、次の各号に掲げる措置を講じなければならない。

 (略)

 冷却塔及び冷却水について、当該冷却の使用開始時及び使用を開始した後、1月以内ごとに1回、定期に、その汚れの状況を点検し、必要に応じ、その清掃及び換水等を行うこと。ただし、1月を超える期間使用しない冷却塔に係る当該使用しない期間においては、この限りではない。

三~五 (略)

2020年12月13日執筆