問27 厚生労働省の「業務上疾病調」における疾病分類を次のA~Cの3つの分類に分けた場合、業務上疾病と分類の組合せであるイ~ニについて、適切なもののみを全て挙げたものは(1)~(5)のうちどれか。
分類
A 物理的因子による疾病
B 身体に過度の負担のかかる作業態様に起因する疾病
C A及びBのいずれにも該当しない業務上の疾病
業務上疾病と分類の組合せ
組合せ | 業務上疾病 | 分類 |
---|---|---|
イ | 著しい騒音を発する場所における業務による難聴 | A |
ロ | 空気中の酸素濃度の低い場所における業務による酸素欠乏症 | A |
ハ | 電子計算機への入力を反復して行う業務による上腕、前腕又は手指の運動器障害 | B |
ニ | 暑熱な場所における業務による熱中症 | C |
(1)イ ロ
(2)イ ハ
(3)ロ ハ
(4)ロ ニ
(5)ハ ニ
このページは、2020年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生一般」問題の解説と解答例を示しています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。
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2020年度(令和2年度) | 問27 | 難易度 | 実質的に労基則別表1の2の職業性疾病の分類に関する設問。確実に正答しておきたい。 |
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業務上疾病調の疾病分類 | 4 |
問27 厚生労働省の「業務上疾病調」における疾病分類を次のA~Cの3つの分類に分けた場合、業務上疾病と分類の組合せであるイ~ニについて、適切なもののみを全て挙げたものは(1)~(5)のうちどれか。
分類
A 物理的因子による疾病
B 身体に過度の負担のかかる作業態様に起因する疾病
C A及びBのいずれにも該当しない業務上の疾病
業務上疾病と分類の組合せ
組合せ | 業務上疾病 | 分類 |
---|---|---|
イ | 著しい騒音を発する場所における業務による難聴 | A |
ロ | 空気中の酸素濃度の低い場所における業務による酸素欠乏症 | A |
ハ | 電子計算機への入力を反復して行う業務による上腕、前腕又は手指の運動器障害 | B |
ニ | 暑熱な場所における業務による熱中症 | C |
(1)イ ロ
(2)イ ハ
(3)ロ ハ
(4)ロ ニ
(5)ハ ニ
正答(2)
【解説】
「業務上疾病調」における疾病分類は、労働基準法施行規則第35条(別表第1の2)を整理したものである。従って、労基則別表1の2によって解答すればよい。
なお、以下には労基則別表1の2の関係部分のみを示したが、試験前に全体に目を通しておくこと。
【労働基準法施行規則】
別表第一の二 (第三十五条関係)
一 業務上の負傷に起因する疾病
二 物理的因子による次に掲げる疾病
1~7 (略)
8 暑熱な場所における業務による熱中症
9及び10 (略)
11 著しい騒音を発する場所における業務による難聴等の耳の疾患
12及び13 (略)
三 身体に過度の負担のかかる作業態様に起因する次に掲げる疾病
1~4 (略)
4 電子計算機への入力を反復して行う業務その他上肢しに過度の負担のかかる業務による後頭部、頸けい部、肩甲帯、上腕、前腕又は手指の運動器障害
5 (略)
四 化学物質等による次に掲げる疾病
1~7 (略)
8 空気中の酸素濃度の低い場所における業務による酸素欠乏症
9 (略)
五~十一 (略)
イ 適切である。著しい騒音を発する場所における業務による難聴は、物理的因子による疾病である。
ロ 適切ではない。空気中の酸素濃度の低い場所における業務による酸素欠乏症は、化学物質等による疾病とされている(※)。
※ 災害統計の型別分類では、酸素欠乏症は「有害物等との接触」に含まれる。しかし、起因物別分類では、酸素欠乏危険環境は、大分類が「環境等」、中分類も「環境等」(1区分のみ)、小分類が「異常環境等」に分類される。よく誤解されるが、酸素欠乏危険環境での酸欠事故の災害統計の起因物は、大分類「物質、材料」、中分類「危険物、有害物等」、小分類「有害物」ではない。
なお、厚生労働省安全衛生部の職務分担では、酸素欠乏症及び自然発生した硫化水素による中毒は、化学物質対策課の所掌ではなく労働衛生課物理班の所掌とされている。
ハ 適切である。電子計算機への入力を反復して行う業務による上腕、前腕又は手指の運動器障害は、身体に過度の負担のかかる作業態様に起因する疾病とされている。
ニ 適切ではない。暑熱な場所における業務による熱中症は、物理的因子による疾病とされている。