労働衛生コンサルタント試験 2020年 労働衛生一般 問18

作業環境測定の評価




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合格

 このページは、2020年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2020年度(令和2年度) 問18 難易度 作業環境測定の評価は過去に類問が多く、問題が典型的なので、過去問の学習で正答できる。
作業環境測定の評価

問18 作業環境測定に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)どの作業位置が最大濃度となるか予測できなかったため、それらの全ての点でB測定を行い、得られた測定値の最大値をB測定値とした。

(2)測定値が管理濃度の10分の1に満たない測定点があったので、管理濃度の10分の1を当該測定点における測定値とみなして、管理区分の決定を行った。

(3)測定値が定量下限の値に満たない測定点があったので、当該定量下限の値を当該測定点における測定値とみなして、管理区分の決定を行った。

(4)1日のみのA測定の結果から当該単位作業場所の評価を行う際に使用する測定値の幾何平均値として、測定日の幾何平均値をそのまま使用した。

(5)1日のみのA測定の結果から当該単位作業場所の評価を行う際に使用する測定値の幾何標準偏差として、測定日の幾何標準偏差をそのまま使用した。

正答(5)

【解説】

本問は一部の肢を除き、「作業環境評価基準」(昭和63年9月1日労働省告示第79号:最終改正令和2年4月22日厚生労働省告示第192号)からの出題である。

なお、正答である(5)は過去問に全く同じ問題が出ている。本サイトの解説を読んで理解しておけば正答できる問題である。こんな問題を落としてはならない。

(1)正しい。これは解説するまでもないであろう。作業者がばく露する危険のある最も高い濃度を調べるのがB測定である。どの作業位置が最大濃度となるか予測できなければ、それらの全ての点でB測定を行い、得られた測定値の最大値をB測定値とするしかないであろう。

なお、作業環境測定基準 様式第2号には「『B測定値』の欄は、二以上の測定点においてB測定を行った場合には、そのうちの最大値を記入すること」とされている。(過去問労働衛生一般2018年問17(1)に類問)

(2)正しい。作業環境評価基準第2条第3項の規定により、測定値が管理濃度の10分の1に満たない測定点があったときは、管理濃度の10分の1を当該測定点における測定値とみなして、管理区分の決定を行うことができる。(過去問労働衛生一般2015年問15(1)に類問)

【作業環境評価基準】

(測定結果の評価)

第2条 労働安全衛生法第六十五条の二第一項の作業環境測定の結果の評価は、単位作業場所(作業環境測定基準(昭和五十一年労働省告示第四十六号)第二条第一項第一号に規定する単位作業場所をいう。以下同じ。)ごとに、次の各号に掲げる場合に応じ、それぞれ当該各号の表の下欄に掲げるところにより、第一管理区分から第三管理区分までに区分することにより行うものとする。

一及び二 (略)

 (略)

 測定値が管理濃度の十分の一に満たない測定点がある単位作業場所にあっては、管理濃度の十分の一を当該測定点における測定値とみなして、第一項の区分を行うことができる。

 (略)

(3)正しい。作業環境評価基準第2条第2項の規定により、測定値が定量下限の値に満たない測定点があったときは、当該定量下限の値を当該測定点における測定値とみなして、管理区分の決定を行う。

【作業環境評価基準】

(測定結果の評価)

第2条 労働安全衛生法第六十五条の二第一項の作業環境測定の結果の評価は、単位作業場所(作業環境測定基準(昭和五十一年労働省告示第四十六号)第二条第一項第一号に規定する単位作業場所をいう。以下同じ。)ごとに、次の各号に掲げる場合に応じ、それぞれ当該各号の表の下欄に掲げるところにより、第一管理区分から第三管理区分までに区分することにより行うものとする。

一及び二 (略)

 測定対象物の濃度が当該測定で採用した試料採取方法及び分析方法によって求められる定量下限の値に満たない測定点がある単位作業場所にあっては、当該定量下限の値を当該測定点における測定値とみなして、前項の区分を行うものとする。

3及び4 (略)

(4)正しい。本肢については、過去問労働衛生一般2015年問15(1)の解説を参照して頂きたい。

(5)誤り。本肢については、(4)と同様に、過去問労働衛生一般2015年問15(5)の解説を参照して頂きたい。

2020年11月29日執筆