労働衛生コンサルタント試験 2020年 労働衛生一般 問13

ストレスチェック等指針




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 このページは、2020年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2020年度(令和2年度) 問13 難易度 ストレスチェックの設問は初出であるが、基本的な内容であり、正答できなければならない。
ストレスチェック等指針

問13 厚生労働省の「心理的な負担の程度を把握するための検査及び面接指導の実施並びに面接指導結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針」に関する次のイ~ニの記述のうち、適切なもののみを全て挙げたものは(1)~(5)のうちどれか。

イ ストレスチェック制度に基づく取組の手順は、基本方針の表明、ストレスチェック及び面接指導、集団ごとの集計・分析となっている。

ロ 衛生委員会等において、ストレスチェック制度の実施方法等について調査審議を行い、その結果を踏まえ、事業者がその事業場におけるストレスチェック制度の実施方法等を規程として定める。

ハ 事業者は、ストレスチェック結果が実施者から、遅滞なく労働者に直接通知されるようにしなければならない。

ニ ストレスチェック結果の事業者への提供について、労働者の同意が得られない場合には、遅滞なく廃棄する。

(1)イ  ロ  ハ

(2)イ  ロ  ハ  ニ

(3)イ  ハ

(4)ロ  ハ

(5)ロ  ニ

正答(1)

【解説】

本問は「心理的な負担の程度を把握するための検査及び面接指導の実施並びに面接指導結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針」(以下、本問の解説において「指針」と略す。)からの出題である。

イ 適切である。指針の4に、「ストレスチェック制度に基づく取組の手順は、基本方針の表明、ストレスチェック及び面接指導、集団ごとの集計・分析」と定められている。

【心理的な負担の程度を把握するための検査及び面接指導の実施並びに面接指導結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針】

 ストレスチェック制度の手順

  ストレスチェック制度に基づく取組は、次に掲げる手順で実施するものとする。

 基本方針の表明

 ストレスチェック及び面接指導

 集団ごとの集計・分析

ロ 適切である。指針の4イ①により、「衛生委員会等において、ストレスチェック制度の実施方法等について調査審議を行い、その結果を踏まえ、事業者がその事業場におけるストレスチェック制度の実施方法等を規程として定める」とされている。

【心理的な負担の程度を把握するための検査及び面接指導の実施並びに面接指導結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針】

 ストレスチェック制度の手順

 ストレスチェック及び面接指導

 衛生委員会等において、ストレスチェック制度の実施方法等について調査審議を行い、その結果を踏まえ、事業者がその事業場におけるストレスチェック制度の実施方法等を規程として定める。

ハ 適切である。指針の7(4)アに同旨の実施方法が定められている。

【心理的な負担の程度を把握するための検査及び面接指導の実施並びに面接指導結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針】

 ストレスチェックの実施方法等

(4) ストレスチェック結果の通知及び通知後の対応

 労働者本人に対するストレスチェック結果の通知方法事業者は、規則第52条の12の規定に基づき、ストレスチェック結果が実施者から、遅滞なく労働者に直接通知されるようにしなければならない。この場合において、事業者は、ストレスチェック結果のほか、次に掲げる事項を通知させることが望ましい。

①~③ (略)

ニ 適切ではない。安衛則第52条の11により、ストレスチェック結果の事業者への提供について、労働者の同意が得られない場合には、検査を行つた医師等による当該検査の結果の記録の作成の事務及び当該検査の実施の事務に従事した者による当該記録の保存の事務が適切に行われるよう、必要な措置を講じなければならない。

【労働安全衛生規則】

(検査結果等の記録の作成等)

第52条の11 事業者は、第五十二条の十三第二項に規定する場合を除き、検査を行つた医師等による当該検査の結果の記録の作成の事務及び当該検査の実施の事務に従事した者による当該記録の保存の事務が適切に行われるよう、必要な措置を講じなければならない。

(労働者の同意の取得等)

第52条の13 法第六十六条の十第二項後段の規定による労働者の同意の取得は、書面又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)によらなければならない。

 事業者は、前項の規定により検査を受けた労働者の同意を得て、当該検査を行つた医師等から当該労働者の検査の結果の提供を受けた場合には、当該検査の結果に基づき、当該検査の結果の記録を作成して、これを五年間保存しなければならない。

2020年11月28日執筆